松坂桃李と高岡早紀が“性の極限”に挑む…石田衣良原作の小説を三浦大輔が舞台化。

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舞台
2016.4.4
松坂桃李、高岡早紀

松坂桃李、高岡早紀


“性の極限”を鮮烈に描写した石田衣良の恋愛小説「娼年」が、ポツドールの三浦大輔の脚本・演出で舞台化される(2016年8月~9月、東京芸術劇場プレイハウス、大阪、久留米)。主演は、松坂桃李と高岡早紀。松坂は二十歳の大学生・森中領(リョウ)を、高岡はボーイズクラブのオーナー御堂静香をそれぞれ演じる。静香に誘われ「娼夫」となるリョウは、次第に静香と惹かれあってゆく。

脚本・演出の三浦は、岸田戯曲賞受賞作で本人の手によって映画化もされた『愛の渦』をはじめとして、生々しいエロスを題材に扱った作品が多い。また、役者の感情を極限まで追い込む演出手法もよく知られている。三浦とは初顔合わせとなる松坂と高岡が、どのような官能の芝居を舞台上で繰り広げるのか、大いに期待したいところだ。


Story
 
森中領(松坂桃李)は、ごく普通のフリーター。毎日を無気力に送っていた…。
ある日、友人が40代半ば綺麗な女性を連れてきた。御堂静香(高岡早紀)である。「女性なんてつまらない」という領に静香は“情熱の試験“を受けさせる。それは静香が経営するボーイズクラブ“クラブパッション”に入るための試験であった。最初こそ戸惑うが、領は娼夫の仕事にやりがいをみつけていく。女性ひとりひとりのなかに隠されている原始的な欲望を見つけ、それを心の陰から実際の世界にひきだし実現する。領と出会い、彼との時間を過ごすことによって、彼を買った女性たちは自分を解放していけるのだ。
領と静香は次第に惹れあっていく。静香に褒められたくてずっとこの仕事を頑張ってきたという領。思いは受け止める静香。しかし…

<コメント>

石田衣良

性の極限を描いた『娼年』をどう大胆に舞台化するか、
松坂桃李さん、高岡早紀さんの挑戦に期待します。
 

松坂桃李
 
原作を読んで、人の愛情には色んな形があり、自分が思っている“普通”という感覚にも個人差があると感じました。でも、自分はリョウの“普通”に、共感する部分がありました。決して自分の考えを押しつけず、戸惑いつつも、何事も受け入れようとする、そんなリョウがどことなく僕自身に似ているような気もしました。人それぞれ、違った弱さを抱えていて、その弱さを見せまいと人に優しくしたり、人を傷つけたりする。そういうことが繊細に伝わる本だと思います。
 
高岡早紀さんは妖艶でしなやかな印象を作品ごとに違った形で残している方だと勝手ながら思っています。約4年ぶりの共演、懐かしくもあり、嬉しくもあります。共に素敵な作品を創り上げていくことを目指していきたいです。
 
演出の三浦さんとご一緒するのは初めてです。センセーショナルな作品を世の中に生み出し続けている方、というイメージです。今回、「娼年」「逝年」という原作を、舞台化するということは必然的にセンセーショナルな描き方もせざるを得ないと思います。そうじゃないと伝わらないから。本番だけでなく、幕が上がるまでの稽古期間を大切に魂を削りながら、三浦さんと向き合っていかなければと思っています。
 
正直、これまで自分の出演する作品は全て両親に見て欲しいと思っていました。でも、今回に関しては、ためらいがあります。できることなら、観に来ないで欲しい。そのくらい自分の中で、覚悟を持って挑む作品です。観る方にも覚悟を持って観ていただきたいです。
 

高岡早紀
 
元娼婦で現在は『ボーイズクラブ』のオーナーという難解な役を頂き、とてもとても悩んでいます。
 
稽古が始まるまで、ずっと悩み、夏に稽古が始まってからもずっと悩むと思いますが、そんな気持ちを、初めて出会う演出家の三浦さんにぶつけてどんなにも面白く興味深い作品を作り上げたいという「ワクワク」も止まりません。
 
何にしても、桃李くんが演じる”リョウ”という青年を私が演じる”静香”がどんなに魅力的で女性にとって『理想の娼年』に育て上げるのか楽しみで仕方ありません。
 
公演情報
舞台『娼年』
■原作:石田衣良「娼年」「逝年」(集英社刊)
■脚本・演出:三浦大輔
■出演:松坂桃李、高岡早紀、ほか
2016年8月~9月
東京芸術劇場プレイハウス、大阪、久留米にて上演。
6月上旬、東京公演一般前売り開始予定。
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