日本劇作家協会東海支部プロデュース『劇本Ⅱ』レポート ~【俳優A賞】&【劇王Ⅺ アジア大会】東海支部出場者が決定

レポート
2017.1.29
 第2回【俳優A賞】に輝いた岡本理沙

第2回【俳優A賞】に輝いた岡本理沙


第2回【俳優A賞】受賞者と【劇王Ⅺ アジア大会】東海支部出場者が決定!

先日このサイトで紹介した『劇本Ⅱ』が「長久手市文化の家」で開催され、1月22日(日)に第2回【俳優A賞】の受賞者と、今年9月に行われる【劇王Ⅺ (イレブン)アジア大会】の東海支部出場者が決定した。

まず【俳優A賞】は、日本劇作家協会東海支部が「舞台俳優を応援する」目的で2015年に創設した賞で、今回が第2回目となる。参加方法は団体単位でのエントリー形式で、毎年6月1日~7月31日を応募期間とし、対象は東海三県(愛知・岐阜・三重)で9月1月~12月31日の間に上演される公演(他地域の団体でもこの間に東海三県で公演があれば応募可、有料公演に限る)。
今回は22団体の応募があり、審査員は東海支部員のはせひろいち(初代支部長)と佃典彦(二代目支部長)、安住恭子(演劇評論家)、加藤智宏(演出家・perky pat presents主宰)、西本ゆか(朝日新聞社会部記者)、ノグチミカ(演劇ファン)、筆者(編集者・ライター)の7名が務めた。

全公演が終了した昨年末に審査会が行われ、第一次審査では21名の名前が挙がり、続く第二次審査で9名のノミネート俳優が決定(下記参照)。そこからさらに議論を重ねた結果、第2回【俳優A賞】受賞者は岡本理沙(星の女子さん)に決定した。当日は、客席に並ぶノミネート俳優に向けて審査員がそれぞれの演技や魅力についての評価ポイントを述べ、司会の佃典彦が受賞者を発表。審査員代表の安住恭子より、岡本理沙に賞状とトロフィー、賞金5万円が手渡された。

【俳優A賞】講評の様子

【俳優A賞】講評の様子

【一時審査通過者(五十音順、下段は出演作品)】 ★印は二次審査を通過したノミネート俳優9名 

★秋葉由麻(フリー) 
 ,5(てんご)岸田國士戯曲短編上演集『ことばのあや』
・天野順一朗(劇団「放電家族」) 
 劇団中内(仮)『宇宙超怪獣』
・池場未有(廃墟文藝部) 
 廃墟文藝部『小説家の檻』
★岡本理沙(星の女子さん) 
 七ツ寺共同スタジオプロジェクト「往還Ⅱ~原初の岬から~」 第一夜:短編集『領土』より『尿意』
・空沢しんか(フリー) 
 エス・エー企画『偶然の旅行者-The Accidental Tourist-』
・小菅紘史(第七劇場) 
 カドワキ企画『はきだめ』
・後藤章大(廃墟文藝部) 
 room16『沈澱タイ』
★佐藤融(フリー) 
 『出雲の阿国~いざや傾かん~』
・篠原タイヨヲ(劇団あおきりみかん) 
 劇団あおきりみかん『僕の居場所』
★徐梨恵(総合劇集団俳優館) 
 エス・エー企画『偶然の旅行者-The Accidental Tourist-』
★鈴木亜由子(星の女子さん) 
 劇団「放電家族」『フカフカがーる』
★鈴木理恵子(フリー) 
 room16『沈澱タイ』
★中村猿人(劇想からまわりえっちゃん)
 room16『沈澱タイ』
・中村京子(空の驛舎)
 コンブリ団『カラカラ』
・花村広大(劇団あおきりみかん)
 劇団あおきりみかん『僕の居場所』
★広田ゆうみ(このしたやみ)
 コンブリ団『カラカラ』
・藤島えり子(room16)
 room16『沈澱タイ』
・宮田せいじ(劇団スマイルバケーション)
 room16『沈澱タイ』
・もっちゃん(フリー)
 尾張名古屋セニョールズ『渚のザーメンズ~愛と友情と裏切りと~』
★八代将弥(room16)
 room16『沈澱タイ』
・YA-SU(フリー)
 てんぷくプロ『トランジット・ルームⅡ』

受賞した岡本理沙は、七ツ寺共同スタジオプロジェクト「往還Ⅱ~原初の岬から~」の朗読公演に於いて、第一夜の『尿意』に出演。これは名古屋在住の芥川賞作家・諏訪哲史の短編小説集『領土』に収められた1篇で、演出は天野天街(少年王者舘主宰・劇作家・演出家)が担当。朗読公演ながら、開幕と同時に開いていた本を閉じ、その後一切“読む”ことなく言葉に合わせた身振り手振りを随時交えながらひとり芝居を展開する異色の演出で上演された。岡本に対する審査員の講評は、主に以下の通りだ。

・ある日突然、見知らぬ街の小学校に転入した少年の不安感や所在無さのようなものをうまく体現しつつ、中性的な魅力を発揮していた。
・演出家の指示だけでなく、自身も多くの身振り手振りを考案したり、原作の独特な表記(入学=ニューギャク、教科書=キャウカショなど)を澱みなく発声するなど、作品を作り込んでいく作業に大きな努力が見られた。
・この作品に挑む、俳優としての覚悟を感じた。
・諏訪作品の特色と演出家の意図を的確に汲み取り、アウトプットできる“カンの良さ”が俳優の資質として大きな魅力になっていると思う。

尚、【俳優A賞】は今年も6月からエントリー開始予定につき、秋~冬に東海地区で公演を行う予定の団体はふるってご応募を! 

一方、【劇王Ⅺ アジア大会】に出場する東海地区代表をかけて熾烈な闘いを展開した『劇本Ⅱ』のご報告も。こちらは開催告知記事でも触れた通り、「未上演(旧作可)」「ほぼ20分以内」「役者3名まで」の3つの条件を備えた戯曲を劇作家自身が読み上げ、観客投票によって勝者を決めるというイベントだ。

まず、21日(土)に行われた予選Aブロックでは、参加5名の中から長谷川彩の『下校の時間』が決勝に進出。続くBブロックでは、参加5名の中から渡山博崇の『怪盗パン』が勝ち抜いた。そして翌22日(日)に行われた「敗者復活会議」では、敗退者8名が自作について各々熱いプレゼンを展開。司会の東海支部長・平塚直隆と佃典彦の話し合いにより、後藤章大の『ななめ君はななめ』と鏡味富美子の『無伴奏組曲』が復活した。

【俳優A賞】授賞式の後、上記4名で行われた決勝戦の観客投票数は、後藤章大14票、鏡味富美子11票、長谷川彩19票、渡山博崇19票となったため、長谷川VS渡山の一騎打ち再投票に! その結果、わずか1点差の32対33の得票数で渡山博崇(星の女子さん主宰・劇作家・演出家・俳優)が東海地区代表の座を手にしたのだ。

『劇本Ⅱ』優勝、【劇王Ⅺ アジア大会】東海地区代表となった渡山博崇

『劇本Ⅱ』優勝、【劇王Ⅺ アジア大会】東海地区代表となった渡山博崇

これによって【俳優A賞】と【劇王Ⅺ アジア大会】東海地区代表の2つの栄冠を手にした星の女子さん。秋には第12回公演『憧れのハワイ航路(仮)』を予定しているので要注目だ。

尚、【劇王Ⅺ アジア大会】は、全国各地の劇王(札幌、東北、関東、甲信越、東海、関西、中国、四国、九州)&アジア3カ国(韓国、香港、シンガポール)が参戦し、9月15日~17日に「長久手市文化の家」で開催予定。東海代表の渡山はこの激戦を見事勝ち抜き、アジアの頂点に立つことができるか否か、結果はぜひ現場でお確かめを!

■問い合わせ:長久手市文化の家 0561-61-3411
■公式サイト:
日本劇作家協会東海支部 http://jpatokai.php.xdomain.jp
長久手市文化の家 https://www.city.nagakute.lg.jp/bunka/ct_bunka_ie.htm

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