女性向けアプリ+VRに新しい流行の兆しアリ! アプリ体験レポ&開発者インタビュー
VR:Virtual Reality(バーチャルリアリティ)=仮想現実、といえば人間の感覚器官に働きかけ、現実ではないが実質的に現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術のことを指します。
昨年10月に発売されたPlayStation®VRは発売前より大きな話題となり、メディアでも多数取り上げられていましたが、2017年1月現在でも購入が困難な状態が続いています。
『ダウト~嘘つきオトコは誰?~』のテレビCMでもおなじみのボルテージが2016年12月15日にリリースしたのが『椅子ドンVR~一ノ宮英介編~』。タイトルを聞いて、ライターの私がまず思ったのが「椅子ドンって、壁ドンの派生!?」というところ。「座ってたら迫られちゃうのかな?」というところから始まり、「VRってすごく魅惑的な響きだなぁ。」とイケメンに何をされるか妄想するまでに……。
新しい流行の風を感じた企画に興味をそそられ、実際に『椅子ドンVR』を体験しに行ってきました! 前半は私のアプリ体験レポート、後半は開発の方へのインタビューです! それでは、どうぞ!
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『椅子ドンVR~一ノ宮英介編~』アプリ体験レポート!
まずはスマートフォンにインストールされたアプリを起動。最初に見えるのは壁と床と天井で、「ああ、部屋にいるんだな」と認識できました。自分を中心にスマホを動かすと、360度の映像空間が広がり、手の動きと同じスピードで画面も動いていきます。そのうち足音が聞こえてきたので、音がする方に画面を動かすと冷酷オレ様大富豪、一ノ宮英介が登場!
頭から足まで全身が映る位置に立っていたので「背が高くて顔小さいなぁ。美形男子だなぁ。」と思っていたら、椅子の脇に立たれてちょっと恥ずかしいセリフをしゃべってくれました。きゃー、ドキドキ♪
しかもこのアプリはここからが真骨頂! 広報の方が持ってきてくださったのは「ハコスコ」と名付けられた両手ほどの大きさの箱。
アプリをゴーグルモードに切り替え、スマホを溝にセットして横の2ツ穴を覗くと、すでに最初の画面から変化が! 部屋に奥行きが出て、英介も立体的に!! 椅子の脇まで近づいてきた彼は、顔がとても近くて、私は自然とのけぞるような姿勢に。
イケメンにじっと凝視されているのはなんとなく居心地が悪くなって、ふと視線を下に向けるとシャツは第一ボタンが外れていて鎖骨がチラリ……。色気の使い方をわかっていらっしゃる!! この時点で「えっ、どこを見たらいいかわからないし、照れる!」と少し混乱してきました。
英介様(※イケメン度合と圧倒的な俺様感に思わず“様”付け。)を演じるのは人気声優の近藤孝行さん。低い声も最高です。本当にありがとうございます。
広報の方や編集さんがこの場にいなければ、私は顔を近づけてキスしに行っていたかもしれません。顔面吸引力のあるお方でした……。
最後に英介様からは手を差し伸べられるのですが、すごく誘惑されるというか握りたくなるといいますか! 手を伸ばしたところで虚空を掴むだけと頭ではわかっていても、何度か右手を持ち上げそうになっていました。
――と、体験はここで終了。
かざしモードとゴーグルモードを比べると違いは一目瞭然でした。VR独特の没入感を味わえただけではなく、イケメンが近くにいるという距離感もすごく生々しくて、同じシーンでも何度か繰り返し見てみたいというのが今回の体験の印象です。
なお、英介様の『椅子ドンVR公式ゴーグル』は、全国のアニメイト(及びアニメイトオンライン)で限定販売中とのこと(税込1200円)。安価で手軽にVRを楽しめるのは大きな利点だし、もっとVRという空間で女性の心を鷲掴みにするようなコンテンツがこれから生まれてくるのかなと可能性を感じました。
そんな明るい未来が早く来てくれますように~!
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アプリ開発者インタビュー
インタビューに答えてくださったのはアプリシステム開発本部 本部長の玉井謙介氏。
――まずは開発にいたった経緯を教えてください。
2016年の夏前くらいに、PlayStationⓇVRの体験をさせてもらえる機会がありまして、初めての経験だったので「VRの世界ってすごい!」という話から、「何かうちでもできないか」と盛り上がったのがキッカケです。ちょうど3か月くらい先に東京ゲームショウもあったので、そこで何か出せないかとなり……トントンとトップランで決まったというのが正直なところであります。
――アプリでこだわった部分はありますか?
特に「距離感」ですね。「没入感」はVRの基本ですが、加えてVRならではの体験がどうできるかというところで、英介との「距離感」や「ドキドキ感」をどのように伝えるかはすごく工夫しましたね。
――女性向け作品で「距離感」は特に大事ですよね。キスするまでの近さというか。
そうなんですよね。どれだけリアルを感じられるかというところなので、今回、モーションキャプチャーで動きを撮ったのですが、実際に男性社員を座らせてキスをするギリギリまで……もうちょっと、もうちょっと! ってやりました。モーションキャプチャーの演者さんも男性で大変だったんですけど(笑)。でもその結果、ああいう形になれたのかなと思いました。
――こちらがのけぞってしまうくらいまで近づいてきたので驚きました! しかしなぜ「椅子ドン」だったんですか?
もともと、流行語になった「壁ドン」の次は「椅子ドン」だ! というキーワードがあって。VRは座って体験する形を想定してましたし、ちょうど原作(※一ノ宮英介が登場する、恋愛ドラマアプリ「スイートルームで悪戯なキス」)の世界観にも合っていたので「椅子ドン」になりました。
――原作の話が出てきましたが、一ノ宮英介をVRに起用した理由はありますか。
国内だけでなく、海外でも人気があり、そして俺様という特徴的なキャラクターであるという点が決め手になりました。
――リリースしてからの反響はいかがでしょうか。それと今後入れたい機能や新キャラ等があったら教えてください。
ユーザー様に遊んでいただいて、「もっと先も!」「続きが見たい」というような良いご報告をいただいていますね。これからの展開は言えない部分もあるんですが、今のものをカスタマイズするというよりもキャラを増やすかシチュエーションを増やすか違う形で作るか……ユーザー様により楽しんでいただけるよう、色々考えております。
――VRで女性向け市場はどう変わるでしょうか? またはどのような可能性を持っていると思いますか。
女性市場では、VRゴーグル(ハード)を入手することの障壁が大きく、一見VRは広がりにくいなという印象ですが、ゴーグルが広がるのが遅いだけでVR自体が広がらないわけではないと思っています。最近はアミューズメント施設などでもVR体験などが増えてきてますし。流行に敏感な女性やカップルの方はそういうところで最初のVR体験をすると思うので、女性の市場自体は今後増えていくと考えてます。ですので、VRの持つポテンシャルは結構高いのかなと思います。ただ最初はどうしてもモバイルではなくてアミューズメントなどの体験になってしまうのかなと。
――VRゴーグルは価格が高かったり、入手困難だったりしますが、これ(ハコスコ)だったら入手もしやすいしVRの世界に入りやすいんじゃないかなと思いました。
一回体験していただかないとVRは何もわからないので。やってみると「あっ、すごいな!」って誰もが思うんですけどね。なかなか体験にまで踏み込むのはすごく大変なので、そういう機会を増やしていければと思います。
――『椅子ドンVR』を含め今後イベントに出展するなどの予定はありますか?
やりたいですね。体験をしてもらわないと購入意欲、購買契機にならないので。地方行脚しながら体験してもらうとかそういう形のイベントをしてみたいなと思ってます。実現できるか、ニーズがあるかはわかりませんが……。
――3月にイベントがあるんですね。
そうですね。VRの体験イベントではないのですが、「椅子ドンVR公式ゴーグル」をご購入いただいた方をご招待して、声優さんのトークイベントを予定しております。(※「椅子ドンVR」新発売キャンペーンのこと。一ノ宮英介役、近藤孝之さんを迎えたトークイベントが3月18日(土)に開催される。応募締め切りは2月19日(日)。詳細はコチラから)
――今後自由に展開できるとしたら、どういうものを作っていきたいですか? 無理かもしれないけどやってみたいものってありますか?
作りたいものっていう意味ですと、今出てるものの延長に答えはない気がしています。インタラクティブ性の高いゲームには「酔い」の問題もあるし、レッドオーシャンなので中々難しいかなと思うんですよね。なのでボルテージの強みを活かしたストーリー性のあるものがやはり相性が合うんですが、そこも想像ついてしまって……。みんなが体験するっていう意味では、自分のイメージでは「ゲームウォーズ」(※2018年3月全米公開予定スティーブン・スピルバーグ監督の映画作品)っていう作品の世界観はすごくあるなと思っています。「サマーウォーズ」(※2009年細田守監督によるアニメ作品)のVR版でしょ? っていうイメージの世界の中でいろんなものが体験できる風になっていくと、そこに出すコンテンツは魅力的になっていく。ただ、ああいう下地ができるのはもっと先でしょうし、SNSのマーケットを作りたいかというとそうでもないんです。そのマーケットの上にコンテンツを作っていけたらいいのかなと思ってますね。
――今回アプリとしての展開ですが、家庭用ハードでの展開は機会があればという感じですか?
男性向けはありかと思いますが、女性はハードを持っていない方が多いと思うので……女性向けにはモバイルの方が早いかなって思います。
――『椅子ドンVR』を体験させていただいて、映画の4DXを思い出しました。4DXには香りとかも再現されてますし、この箱からも一ノ宮さんの香水の香りがするとかあったらぞわっと鳥肌たちそうだなと思いました。
4DXはやりたいなと思ってました。企画の段階でも「本当に椅子が動いたらいいのにね」とか、「ゴーグルを取った瞬間に本当にイケメン男性がいたらいいのにね」とか考えていたんですが、時間とコストの関係上で残念ながら断念しました。VRの空間だけじゃなくて本当にイケメンが近くにいたんだ!ってなったら面白かったのですが……(笑)。
――今年の東京ゲームショーではひょっとしたらあるかもしれないですかね!?
出来るかなぁ?ちょっと検討してみます(笑)。
――開発は今後も続けていく感じですか?
開発もしつつ、海外も含めて市場を見ておきたいですね。勝負できそうなプラットホームに先行投資しながらやっていきたいなって思ってます。
――最後に持ってらっしゃる方、興味を持ってる方へ一言お願いします。
VRは実際プレイしていただくとイメージとは全然違う世界を体験できるので、少しでも興味がある方はぜひぜひ一度手に取って遊んでいただきたいなと! きっと損はないかなと思います!
©ボルテージ
価格:480円(税込)
発売開始日:2016年12月15日
対応プラットフォーム:App store / Google Play
※機種によりご利用いただけない場合がございます。