奥菜恵が丸尾丸一郎(鹿殺し)の激辛コメディで2年ぶり舞台主演、33歳厄年の花嫁役で毒を吐く!?『親愛ならざる人へ My Dear Lady』

インタビュー
舞台
2017.2.21
『親愛ならざる人へ』取材会より主演の奥菜恵(撮影/石橋法子)

『親愛ならざる人へ』取材会より主演の奥菜恵(撮影/石橋法子)


劇団鹿殺しが歌手のCoccoや鳥肌実ら、毎回様々なフィールドで活躍するアーティストを迎え、まだ演劇を観たことのない”未来の観客”にまでアプローチする「オフィス鹿プロデュース公演」。シリーズ最新作『親愛ならざる人へ』は、座付き作家の丸尾丸一郎が初めて挑んだコメディだ。2014年に書き下ろしたラジオドラマを舞台版として初演する。「お父さん、お母さんの娘で良かったよ……(良かったかぁ??)」という壮大な疑問符から始まる、30代の厄年女の本音に迫る激辛コメディで主演の花嫁・華を演じるのが奥菜恵。「台本が面白くて!」とオファーを快諾した彼女が、大阪で取材会を開き意気込みを語った。

「本音や建前をすっ飛ばして、ゲラゲラ笑ってスカッとなれる全編コメディです!」

ーー舞台は2年ぶりのご出演ですね。

舞台は好きなんですけど時間が空いてしまいました。今回は読ませていただいた台本が面白くて「これは絶対にやらせていただきたい!」と同時に、体現するプレッシャーも感じました。華はある意味、自分を捨てなければ演じられない役。振り切って捨て身でやる覚悟が必要だろうという気持ちでいます。全編コメディということで、お客様も巻き込む演出になるとも聞いているので、楽しみにしております。

奥菜恵

奥菜恵

ーー面白さについて、もう少しご説明いただくと?

はじめから最後まで、本を読んでいて「こんなに笑ったことがあったかな?」というぐらい、ゲラゲラ笑いながら読んでいました。会話の面白さや、華の性格上の設定の面白さだったり。声を出して読みながら、どんどん自分もその世界に入り込んでいきました。

ーー劇団鹿殺しの舞台は2011年ぐらいからご覧になっているそうですね。丸尾さんが描かれる作品の魅力とは。

すごく自分のツボにはまるというか、面白さの中にもどこか哀愁を感じさせる香りがあって。そんな音楽と空間が合間って、寂しくも懐かしい気持ちにさせられる。すごい世界観という印象なので、機会があれば丸尾さんの作品に出演できればと思っていました。

奥菜恵

奥菜恵

ーー今回捨て身で挑む華役については、現時点でどんな印象をお持ちですか。

良いことも悪いことも全部言葉に出てしまう。本人は毒づいているつもりもなく、本音でぶーぶー言っているだけなので、たくさん共感できました。女性なら本当に色んな部分で共感できるんじゃないかな。

奥菜恵

奥菜恵

ーー普段言えないことを代弁してもらえる、そんな面白さがありそうですね。

本当にスカッとします。本音や建前をすっ飛ばして、自分の披露宴が無茶苦茶になるくらい、ある意味潔いので(笑)。お話としても気持ちの良い流れになっています。観てくれた方にもゲラゲラと笑って、スカッとした気持ちで帰っていただけるような舞台になればと思います。結婚を控えた方の参考に? なる……とは、言えませんが(笑)。コメディは観るもの好きで、ずっとやりたかったので、本当に楽しみです。

ーー華は「33歳、厄年」であることに執拗にとらわれていますが、役との共通点をお感じになりますか。

私は厄年とか大殺界とか、あんまり考えてなくて。悪いことが起こったとしても、その年に限らず悪いことはありますし。あまりとらわれないようにしているのかもしれません。ただ、そんなつもりもなく心の声が漏れ出ていることは、あるかもしれません(笑)。普段も失敗ばかりしているので、娘にもしょっちゅう怒られますね。毎日衣装としてウエディングドレスを着ることですか? それは……あまり意識していなかったかも(笑)。お役として頑張りたいです。丸尾さんとは、これから色々とお話させていただこうと思います。あと、オレノグラフィティさんの音楽も大好きなので、共演を含め楽しみなことのひとつですね。

奥菜恵

奥菜恵

ーー最後に、奥菜さんが惹かれる舞台の魅力とは。

やっぱり映像ではなかなかできないような経験ができますので、自分が役者としてやっていくために必要なものを叩き込まれるというか、成長させてもらえる場です。あとは、お客様とその瞬間にしか生まれない時間や空間を共有できる、ということに尽きると思います。今回は一体感を感じやすい劇場ですし、お客様も参加型なのでとくに密な時間を楽しんで頂けると思います。


制作スタッフの話によれば「物語は大きく二つに分けて、前半が両親への手紙を書いている華の苦悩と葛藤を描いた結婚式前夜、後半が翌日の披露宴の場面になります。お客様には、後半の披露宴の場面で具体的に参加していただこうかと。客席も舞台を挟む形で組むので、後半になるとより舞台と客席が入り乱れて、お客様がある意味出演者ともとれるような演出を考えております。なので、当日は結婚式に参列するようなイメージでご来場いただけると、より楽しんで頂ける作品だと思います。ドレスコードはありませんが、受付陣はみんなスーツです」とのこと。観客参加型の趣向が楽しみだ。

(取材・文・撮影:石橋法子)

公演情報
日本劇作家協会プログラム春の劇場32
OFFICE SHIKA PRODUCE『親愛ならざる人へ My Dear Lady』

■作・演出:丸尾丸一郎
■音楽:オレノグラフィティ
■出演:奥菜恵、佐伯大地、オレノグラフィティ、鷺沼恵美子、椙山さと美、木村さそり、矢尻真温、浅野康之、丸尾丸一郎、久世星佳

 
<東京公演>
2017年3月2日(木)~12日(日)
■会場:座・高円寺1


 
<大阪公演>
2017年3月17日(金)~20日(月・祝)
■会場:ABCホール


■公式サイト:http://shika564.com/shinai/
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