ロック好きによるロック好きのための年越しライブ『GT2017』を写真とレポで振り返る
BIGMAMA
Livemasters Inc. 5th Anniversary Countdown “GT2017”
2016.12.31〜2017.1.1 Zepp DiverCity Tokyo
初めてこの『GT』のレポートをさせてもらったのは、2015年の大晦日~2016年の元旦に行われた前回の『GT2016』だった。そこですっかり魅了されてしまった筆者は、今年も意気揚々とレポートの申し出をしたのだが、通常フェスのレポでそうするように、一アーティストごとに別個のレポートを書いて一つにまとめる……というスタイルのレポを書いた昨年に対し、今年はイベント全体を通してひとつのレポとして書こうと思う。なにしろ14組も出ているので長くなるが、どうかお付き合いしてほしい。
何故、そのスタイルを選択したのか。それは、去年取材して目の当たりにした『GT』というイベントが、単に順番に14組のライブが行われる……というだけでは決してないことに気づいたからだ。カウントダウンライブ特有のお祭り感はもちろん、餅つきやトークイベントなどアーティストとの距離感の近い企画、年越しをライブハウスのモッシュピットで過ごしてやろうというかなり濃いめの音楽ファン、そして毎年出演するリピーターも相当数含む、その年活躍をみせた出演バンドたち。彼らからにじみ出る“GT愛”。それら全ての要素によって構成されているのが『GT』の空気であり、そこをトータルで書かずして『GT』のレポと言えるのだろうか?……ということを去年学んだわけである。
そんなこんなで2016年末、12月31日の正午過ぎ、Zepp DiverCityへと向かった。2013年から5年連続で『GT』の会場となっているライブハウスだ。通常時のキャパシティはせいぜい2000人ちょっと、長時間開催で入れ替わりがある『GT』でも3000人が限界のハコ。正直、出演者の顔ぶれを見渡すと単独でもこの会場をゆうに埋めるバンドも多数おり、もっと大きな会場で、複数ステージを組んで……という声も聞こえてきそうなところだが、これだけの顔ぶれをこのサイズ感で観られるプレミア感も、『GT』の大きな魅力となっている。どれだけ大きい会場でライブを行うようになっても、ライブハウスで生まれたロックバンドたちが一番生き生きとした姿をみせるのはやはりライブハウス。これだけのメンツを揃えながら、2000人クラスのハコで汗まみれの肉弾戦を繰り広げ、おまけにカウントダウンまでする。最高じゃないか。
もう一つの大きな魅力。それはアーティスト自身が「『GT』で年越しをしたい」と思い、集い、出演していること。今や大小様々なカウントダウンイベントが存在する。幕張では4日間にも及ぶ巨大なフェスをやっているし、都心にも他にいくつもあれば、アーティスト単体でカウントダウンライブを行う選択肢だってある。それらの中で毎年『GT』をチョイスしているアーティストの多いこと。今年カウントダウンの大役を務めたBIGMAMAは皆勤賞だし、BLUE ENCOUNTやグッドモーニングアメリカ、KEYTALK、TOTALFAT、アルカラ、そして夜更けの名物コーナーとなっている細美武士&ホリエアツシなどなど、挙げればキリがない。ライブ制作を行う会社、Livemasters Inc.が主催しているという事実もこれだけのアーティストが揃う要因の一つであることは間違いない。だがそれ以上に、音楽を好きで好きでたまらない人間が作った空間に、音楽を好きで好きでたまらない人間が集まった『GT』は、音楽を好きで好きでたまらないからバンドをやっている彼らにとって、とても居心地が良いのだろう。だからか、「◯◯に出させていただいて……」みたいなマインドで参加しているアーティストはほとんどおらず、「俺たちがGTの一部だ」といったら言い過ぎかもしれないが、そういう当事者意識をしっかりもってライブを繰り広げてくれている。
ライブに目を向けていくと、まず印象的だったのは開幕がグッドモーニングアメリカのライブであったこと。これまではオープニングアクトの枠があったり、期待のニューカマー的存在が1組目に登場することが多かったのだが、経験豊富かつ圧倒的な盛り上げスキルをもった彼らがイベントの火蓋を切ったことで、例年以上のスタートダッシュが実現した。「アブラカタブラ」あたりでは早くもクラウドサーフが頻出。「鉛空のスターゲイザー」「フォトグラフ」といったロックバンド然とした佇まいに回帰した最新アルバムからの楽曲も大きなリアクションで受け止められていたのが印象的だった。そしてグドモが、いや日本のロックシーンが誇るお祭り男・たなしん(Ba)は、このあと16時間後のフィニッシュの瞬間まで大活躍を見せることとなる。
今回が初登場となったのはGLIM SPANKYとサイダーガール、Ivy to Fraudulent Gameの3組。それぞれ掲げるロックのスタイルこそ違えど、今年大きく飛躍した存在だ。
GLIM SPANKYはフェス仕様の装いをみせることなく、いつも通りのライブを貫いた印象。SEから異質な空気を纏わせた2人。松尾レミ(Vo/Gt)は「褒めろよ」等でのハスキーなシャウトも「話をしよう」での優しく語りかけるような歌唱も惜しみなく披露し、亀本寛貴(Gt)もこの日の出演者随一といっていいくらいロックギターを弾きまくった。おそらく初見の人も多い中で、最も認知されているはずの「怒りをくれよ」のイントロをアレンジしてしまうあたり、大胆さにニヤリとしてしまう。二階席がかなり埋まっていた事実からも注目度が高かったのは間違いなく、そこに向けてGLIM SPANKYとは何たるかをしっかり刻みつけた。
サイダーガールのポップで爽やかなギターロックは、『GT』の客層とマッチしているようにも、案外これまで『GT』にいなかったタイプのようにも思える。「GTも初めてなんですけど、年末にカウントダウンライブに出るのも初めて」と初々しい発言もしながらも、「ドラマチック」のような疾走系あり、「スワロウ」のような叙情的な曲あり、ときにはトリッキーな展開ありと巧みなアレンジ力とアグレッシヴなステージングも見せつけて、「みんなが音楽が好きでライブが好きなんだな(中略)みんなで楽しめるイベントが『GT』なんだなって、出て初めてわかりました」との感想と共にライブを終えた。また一組、『GT』を愛するバンドが生まれた瞬間かもしれない。
Ivy to Fraudulent Gameは深夜の時間帯、しかも弾き語りで好き勝手やる細美&ホリエの後というなかなかヘヴィな状況での登場となったが、轟音のディストーションギターとインダストリアルなビートで圧倒したかと思えば、静謐な音の中に激情を押し殺したりと、シューゲイザー、ポストロックの醍醐味を存分に味あわせてくれた。「she see sea」などシリアスで心の内側のささくれた部分やどろっとした部分を描き出す歌詞も秀逸。オーディエンスがみな息を飲むようにステージを凝視していたシーンも印象的だ。満員にできなかったことには悔しさをにじませつつ、「これが今の俺らの実力です。このあと2017年ブレイクしてみせます」と前を向き誓った寺口宣明(Vo/Gt)。それだけの実力は十分備わっていた。
初登場の彼らと同じく、2016年に大きく活躍の場を広げたのが、2年連続の登場となるHalo at 四畳半。フロアの埋まり方、楽曲の浸透度は1年前とは段違いで、王道中を王道を往く清冽なギターロックを真っ向から鳴らしてみせた。弾けだすような「箒星について」、メランコリックな「水槽」など、その歌心が存分に発揮。彼らは踊りたい、モッシュしたい、という層をターゲットとした音楽性では決してないのだが、これだけの支持を得られている要因は、やはり楽曲そのものの普遍的な質の高さ、そして一人一人にしっかりと自分たちの音を届けたいという強い意志だ。「2016年12月31日、あなたの心の一番そばで歌う!」と「シャロン」を届け、ステージを後にした彼ら。2017年に心の一番そばで鳴る音も、彼らのものかもしれない。
そんな若手たちが躍動する中、百戦錬磨のライブ巧者たち、今年のあらゆるフェスで入場規制をかけまくってきた猛者たちも次々と登場するのが『GT』である。中でもクラウドサーフが続出するほど激しいライブをみせたのがTOTALFAT、そしてBLUE ENCOUNTだ。
TOTALFATの登場をいきなり大合唱で出迎えるオーディエンス。まっすぐなメッセージを全身に浴びながら繰り広げられる肉弾戦ともいえるライブの中に、すさまじい一体感と極上の楽しさが浮かび上がっていた。「それぞれの今年の思い、全てここでぶちまけていけよ!」との煽りに一層激しさを増したのは「Room45」、「夏のトカゲ」では無数のタオルがうち振られ、こういう鉄板のライブアンセムをいくつも持ったTOTALFATの強さを改めて実感させられる。「ONE FOR THE DREAMS」のシンガロングで輝かしい光景を生み出した後は、Jose(Vo/Gt)の「来年、もっとみんなと音楽を楽しむ準備、俺らはもう出来てるからよ!!」という宣言から「PARTY PARTY」で締め。どうやら新作も到着しそうな新年にありったけの期待感を抱かせてくれた。
BLUE ENCOUNTはリハーサルからガンガンに攻めまくっていたのだが、田邊駿一(Vo/Gt)の「もうやっちゃっていいよね? やっちゃうよー!」の一言をきっかけに突入した「KICKASS」からが正式なセットリスト。「一年で一番楽しみにしてる日だから、お前らもみんなで来てくれよ!」と『GT』への愛がだだ漏れのメッセージを投げかけて新曲「LAST HERO」「ロストジンクス」などを立て続けに投下した中盤戦。怒涛の展開が続いたせいか、彼らにしては珍しく時間が巻いたということで急遽「NEVER ENDING STORY」を披露する一幕もありながら、「HANDS」まで全9曲の大ボリュームで終えたブルエン。客席から投げかけられる声も特に多く、彼らとオーディエンスの間の距離の近さ、共有する空気のあたたかさも感じさせてくれるひとときであった。
前述の2組のパンキッシュでエモーショナルなステージとはちょっと違った方向に場内のエネルギーを爆発させたのは、KEYTALKだ。前年は『GT』でカウントダウンを担当しており、お祭り感の演出においては右に出る者のいない無二の存在と呼んで良いだろう。出会い頭の「YURAMEKI SUMMER」から、爽やかでちょっぴり切ないメロディが効いた「Love me」、ひときわ激しい「夕映えの街、今」といきなりアクセル全開。もちろん、小野武正(Gt)による軽妙な煽りやトーク、巨匠(寺中友将・Vo/Gt)のビール注入(この日は2本)など、エンタメ魂も忘れない。「MATSURI BAYASHI」「MONSTER DANCE」という締めくくりも言うまでもなく最高で、よく考えたら総キラーチューン状態のセトリであった。盆や正月をお祭り気分で過ごしたい日本人のDNAがある以上、『GT』のステージにKEYTALKが立つのは最早必然なのかもしれない。
前年と比べてパフォーマンスの洗練度、演奏のクオリティなど各面において飛躍的に向上したと感じたのは、THE ORAL CIGARETTESとフレデリックのレーベルメイト2組だった。いずれもロックシーンにおいて進境著しい存在なのだが、実は音楽的には王道からは外れたアプローチをしていたりする。
オーラルは山中拓也(Vo/Gt)が俺様っぷりと妖艶さを全面に押し出したかと思えば、「一緒に年越しするんよなあ? 年越し一緒にするって結構特別な関係やんなぁ?」と距離の近い発言を繰り出したりと客席を翻弄。HIP-HOP的エッセンスをテクニカルな演奏で料理した「DIP-BAP」を皮切りに新旧織り交ぜながらキラーチューンを連続投下。重々しくヘイトを吐き出す「嫌い」、ヘヴィネスの中に美メロが映える最新シングル「5150」などフロアを縦横無尽に攻め立てるステージをみせた。
一方のフレデリックは、アンサンブルが飛躍的に向上していることにまず驚かされた。「オワラセナイト」から「オンリーワンダー」までの全7曲、クールな音とアレンジを有機的なグルーヴで奏で出し、容赦なく揺らす。間違いなくキャッチーでダンサブルではあるのだが、一般的な“踊れる邦楽ロック”とは明らかに質感の異なる、引き出しの豊富さと洒落たニュアンスがハイセンス。中でも「真っ赤なCAR」のアーバンソウルな心地よさは図抜けていた。「去年の出演時より間違いなくたくさんの人に知ってもらえてる」(三原健司・Vo/Gt)と手応えを口にして放った「オドループ」では大合唱。ステージ上もフロアもたくさんの笑顔に満ちた美しい光景が彼らの充実ぶりを示していた。「2016年、最高!」の言葉は本心から出たものだろう。
そんなボルテージの最高到達点を次々と更新する名演が続く中、エントランス付近ではアーティスト参加の出し物も行われていた。これまた『GT』を語る上で触れないわけにはいかないポイントである。今年はアルカラの稲村太佑(Vo/Gt/Vn)とグドモ・たなしんの仕切りによる餅つき(他アーティストも次々登場)や、BIGMAMA、アルカラと抽選に当たったファンが一緒に記念撮影ができる試み、その両バンドのフロントマンによるトークショーが行われ、いずれも大盛況! トークショーに至っては事前の進行から大きく外れ、他メンバーも登場したり弾き語り形式のミニライブで謎のオリジナルソング(?)が飛び出したりと、まさにここでしか観られないアーティストの一面を存分に堪能できた。また、一音楽ファンとして嬉しかったのは、2016年に逝去したBOOM BOOM SATELLITESの川島道行さんを偲び、「Kick It Out」の映像が流れたこと、そしてそれに大きな拍手が起きたことだった。そこは記しておきたい。
話をライブに戻す。『GT』がカウントダウンライブである以上、花形はやはり0時をまたいで行われるカウントダウンのアクトだ。今年は唯一の皆勤賞でもあるBIGMAMAが満を持してその大役を担うこととなった。ステージの両脇にはデジタル時計が登場して、一気に年越しムードとなり、形容しがたい興奮に包まれる中、荘厳なSEが鳴ると一斉にクラップが起きる。「みなさん準備はいいですか!!」「GT!最高の年越しにしようぜ」とのっけから全開、「CPX」などクラウドサーフ続出の超攻撃的ナンバーで、2017年まで体力を残させないとばかりに攻め立てていく。「GTでの年越しを選んだ、最っ高に素敵なセンスの皆さん」と金井政人(Vo/Gt)の気障な呼びかけから「No.9」へ。考えてみれば、年末といえば第9。この上なくカウントダウンライブ向けなレパートリーではないか。「Sweet Dreams」では、2016年にコラボアルバムとツアーで進行を深めたHYの新里英之(Vo/Gt)と_名嘉俊(Dr/Vo)が「はいさーい、みんな元気ー?」と陽性の空気をまとって登場し、「ここにいる全員が2017年、良い夢をみれますように」という願いとともに演奏された。そしてついにその時。「No.9」をショートバージョンにして「Sweet Dreams」へ繋ぐという絶妙なタイムキープ術をみせたこともあって、曲終わりにはちょうど2016年も残り10秒を切っており、即座にカウントダウンコールが巻き起こり、フロアからは一斉にクラッカー、ステージからは金テープが発射された。祝福の中投下された、2017のオープニングナンバーは「MUTOPIA」だ。そのまま新曲「Merry-Go-Round」「Swan Song」「荒狂曲“シンセカイ”」と一気に駆け抜け、見事、最高にスタイリッシュな年越しライブを完遂した。
年を越した『GT』に待ち受ける、ある種のハイライト。それは細美武士とホリエアツシによる弾き語りライブだ。時間もたっぷり1時間設けられており、ロックシーンの偉大な先輩である2人がお酒を飲みながらひたすらグダグダするという(念のため言っておくと、ちゃんと演奏もします)、人気企画である。いきなりブルエンの田邊イジりから幕を開け、長渕剛の「乾杯」カバー(モノマネ)、「ROCKSTEADY」までを2人で、その後ホリエ一人がステージに残り、entの新曲「悲しみが生まれた場所」やbucknumberの「ヒロイン」カバーを披露。……と、ここで突然アコースティックライブには全く似つかわしくないレーザー照射の演出が。実は「ROCKSTEADY」の段階で、細美が照明スタッフに「俺たちのステージにもレーザーが欲しい」旨をステージ上から直談判しており、それが実現したのだが、よりによってバラード曲のタイミングで照射されたレーザーにホリエが笑ってしまうという一幕も。なんとも和やかな時間である。してやったり顔の細美がステージに戻り、レーザーが派手さを増す中、「知ってる連中は歌おうよ、知らない奴は……なんとなくニャニャニャでみんなで歌え」とELLEGARDENの「金星」「Make A Wish」などを弾き語り。アンコールでは2人でゆずの「夏色」をカバー……するはずがほぼ全てをホリエに任せ、細美はひたすら「ウォーッオー!」という合いの手に専念。これには場内も大ウケで、2000人の「ウォーッオー!」が何度も何度も、夜更けのZeppにこだましたのであった。
さて、時刻は午前3時をまわり、前日の昼から続くライブもいよいよ大詰め。ある意味もっともハードな条件下ともいえるトリ前のステージに登場したのはtricotだ。すでに体力的にも精神的にもフワフワしてくるこの時間帯に、彼女たちがさらなるカオスを生み出す。「2017年、聞こえてますか?かかってこいや!」(中嶋イッキュウ・Vo/Gt)と「99.974℃」から暴走開始。ときに激しく、ときにセクシーに、そして奔放に展開されるパフォーマンスで圧倒していく。「爆裂パニエさん」「庭」と繋いだ後半には、その混沌はより色濃くなり、3人で即興の組体操・“富士山からの初日の出”まで飛び出した。ラストの「MATSURI」ではイッキュウが客席に突入するなど完全にやりたい放題。全員がステージに寝そべった状態でフィニッシュを迎えると、「明けましたー!」と告げ、ステージをあとにした。
やりたい放題でいえばこちらも負けてはいない。そう、大トリを務めるロック界の奇行師・アルカラだ。明け方にこれだけのハイテンションで、しかも観る側のテンションも半強制的にブチあげることができるのは、ロック界広しといえども稲村くらいではないだろうか。しかもこの男、午後には会場入りしてずっと飲んでいる。言動はなかなかに支離滅裂だったが、歌唱と演奏はキレッキレで、「キャッチーを科学する」「サイケデリンジャー2」などライブ映えする激しい楽曲を次々に打ち込んでいく。複雑怪奇な展開もなんなく乗りこなす演奏力、感嘆してしまうほどの迫力のハイトーンボイス……どこを切り取っても、常識的に考えてこれは明け方の光景ではない。メンバー全員によるアカペラの「春の海」など遊び心満点の試みや、MCでこの日の出演バンドに対する、笑いありイジりあり、そして愛のこもった稲村からの寸評もあった。1日を思い返しながら思いっきり笑ったあとは、フロアを完全燃焼させんばかりに「半径30cmの中を知らない」でフィニッシュ。「今年の『GT』、トドメを刺しに来たぞ!」との発言どおり、まさにクリティカルヒットでライブを締めくくった。アンコールではレーザー照射にくだけねこ風船、くだけねこ着ぐるみも登場、お祭り感満点の中、最後は2階席に現れた、16時間前のトップバッター・たなしんによる「ファイヤー!」で『GT2017』を締めくくった。
と、本当のエンディングはこのあとバスに乗って向かう初日の出ツアー。年をまたいでひたすら音楽を浴びまくり、最後はご来光を身いっぱいに浴びて新年を迎えるという、音楽好きにとって至高の贅沢だ。
さて、2017年は音楽シーンで何が起きるだろうか。新たな注目株も登場するだろうし、この日出演していた各バンドもきっとそれぞれに精力的に活動しながら、新境地や魅力的な姿を見せてくれるに違いない。音楽ファンたちもまた、様々な音源を聴き、ライブやフェスに足を運ぶだろう。新しい出会いもたくさんあるはずだ。それぞれの生活を送ったアーティストとファンが、また1年後には大晦日のお台場に集まって再会し、成長した姿を披露し、騒ぎ倒す。ステージとフロアの垣根を越えた、年に一度の同窓会にして忘年会、そして新年会だ。
2年連続2度目の参加にして自信を持って言える。『GT』とはそういうイベントである。
取材=風間大洋 / まにょ 文=風間大洋 撮影=佐藤広理、高田梓、西槇太一
2016.12.31~2017.1.1 Zepp DiverCity Tokyo
■グッドモーニングアメリカ
1. コピペ
2. Beep! Beep!
3. アブラカタブラ
4. 鉛空のスターゲイザー
5. 未来へのスパイラル
6. フォトグラフ
7. 拝啓、ツラツストラ
8. また会えるよね
9. 空ばかり見ていた
1. NEXT ONE
2. 褒めろよ
3. Gypsy
4. 話をしよう
5. リアル鬼ごっこ
6. 怒りをくれよ
7. 大人になったら
8. ワイルド・サイドを行け
1. ドラマチック
2. 空にこぼれる
3. アイヴィー
4. オーバードライブ
5. スワロウ
6. ストロボ
7. ベッドルームアンドシープ
8. No.2
1. Place to Try
2. 宴の合図
3. Room45
4. 夏のトカゲ
5. 新曲
6. ONE FOR THE DREAMS
7. PARTY PARTY!
1. DIP-BAP
2. 狂乱 Hey Kids!!
3. 嫌い
4. Mr.ファントム
5. カンタンナコト
6. 5150
7. LIPS
1. モールス
2. アメイジア
3. 箒星について
4. 春が終わる前に
5. 水槽
6. リバース・デイ
7. シャロン
1. YURAMEKI SUMMER
2. Love me
3. 夕映えの街、今
4. a picture book
5. ASTRO
6. MATSURI BAYASHI
7. MONTER DANCE
1. オワラセナイト
2. KITAKU BEATS
3. 真っ赤なCAR
4. ナイトステップ
5. リリリピート
6. オドループ
7. オンリーワンダー
1. KICKASS
2. SLUGGER
3. 声
4. LAST HERO
5. THANKS
6. ロストジンクス
7. ONE
8. NEVER ENDING STORY
9. HANDS
1. I Don't Need a Time Machine
2. CPX
3. No.9
4. Sweet Dreams
[COUNT DOWN]
5. MUTOPIA
6. Merry-Go-Round
7. Swan Song
8. 荒狂曲“シンセカイ”
1. 乾杯
2. ROCKSTEADY
3. 彩雲
4. 悲しみが生まれた場所
5. ヒロイン
6. シーグラス
7. 金星
8. Let it Be
9. Run Run
10. My Instant Song
11. Radio
12. Make A Wish
[ENCORE]
13. 夏色
1. 青写真
2. アイドル
3. she see sea
4. 傾き者
5. 劣等
6. 青二才
1. 99.974℃
2. POOL
3. おもてなし
4. ポークジンジャー
5. 節約家
6. 爆裂パニエさん
7. 庭
8. MATSURI
1. 開脚宣言
2. キャッチーを科学する
3. サイケデリンジャー2
4. 夢見る少女でいたい
5. 癇癪玉のお宮ちゃん
6. 春の海(アカペラ)
7. LET・IT・DIE
8. 半径30cmの中を知らない
[ENCORE]
9. 交差点