作・演出:倉持裕が仕掛けるは田辺誠一&木村佳乃、片桐仁&倉科カナ 2組の夫婦が繰り広げるコメディ
誰か席について チラシ
倉持裕が作・演出する夫婦を題材にした新作オリジナルコメディ『誰か席に着いて』がシアタークリエにて2017年11月・12月に上演することが決定した。
物事をシニカルな視点で切り取り、しっかりとしたストーリー展開を保ちながら、絶妙な台詞の応酬と間で観客を引きつけることが得意な倉持裕が今回挑戦するのは、テンポ感のある会話で大人が楽しめるコメディだそうだ。
<ストーリー>
織江と珠子の祖父は資産家で、生前は会社経営の傍ら芸術全般を愛し、財団を立ち上げ、多くの芸術家たちを支援してきた。祖父の死後も財団の運営は続き、助成の対象となる芸術家の選定には、織江や珠子たち小原家が関わっている。今年も来年度の助成対象者を決定するシーズンになり、織江と哲朗の家に妹の珠子と夫の奏平がやってきて、選考会が始まった。4人共、ジャンルは違えど芸術への愛情は深かった。利益を追求せず、本物の芸術家を支援していきたいと理想を語り合う。しかし、選考会が進むにつれ、それぞれの隠していた秘密が徐々に明るみになっていく――。
次々と明るみになる各々の隠し事に、果たして四人が迎える顛末とは――?
2組の夫婦役を演じるのは田辺誠一&木村佳乃、片桐仁&倉科カナという豪華な顔触れ。
元TV局員で都内に大きな一軒家を購入するほどの甲斐性を持ち、一念発起して映画制作会社を立ち上げてから企画に当たらず妻・織江に頼っている有園哲朗役を田辺誠一が、哲朗の妻でテレビドラマの売れっ子脚本家である有園織江役を木村佳乃が演じる。
対して、元プロダンサーで妊娠後の復帰舞台で怪我をして以来、専業主婦になった織江の妹・染田珠子役を倉科カナが、珠子の夫でギタリスト・作曲家の染田奏平役を片桐仁が務める。
誰か席に着いて 出演者
出演者&倉持裕 コメント
田辺誠一
僕もイラストやキャンバス画を描くので少しは芸術方面に触れさせて頂いているのですが、今回の舞台では芸術を絡めた、どんな人間模様が描かれるのかとても楽しみにしています。倉持さんのユーモアのある深い人間描写、ふわっと楽しめて、でも心に何かがじわっと残る、そんな舞台になるように、個性的で魅力的な出演者の方々と作品を練り上げていきたいです。
木村佳乃
とにかく脚本が面白い倉持作品。倉持さんの台詞を言えると思うととにかく楽しみです。田辺誠一さんと夫婦役ということですので、お互い刺激しあいながら役を創っていきたいと思っています。今回が久々の舞台になりますが、皆様にお会いできる事、楽しみにしています!
片桐 仁
倉持作品のシリアスなシーンなのに、ふとしたことで滑稽に見えてしまう、紙一重の瞬間が大好きです! 今回は、夫婦をめぐる大人のコメディの雰囲気にドキドキしております!!
倉科カナ
倉持さんの作品に参加出来るとお聞きした時は、頭より心が先に返事をしていました。倉持さんの穏やかさの中に的確な演出と遊び心に演出家としても、人としてもとても魅力を感じます。また、夫役の片桐仁さんは初めて一緒にお芝居をした、いわば初体験の方なので、今回また再共演出来て嬉しく楽しみな反面、自分が成長しているだろうか……と、仁さんの前に立つ事に緊張感があります。とにかく今エネルギーが有り余っていて、稽古含め色んな方向から試しながら、倉持さんの色に染まって行きたいと思います!
倉持 裕(作・演出)
この作品のコンセプトは“知的な会話が繰り広げられる一方、衝動による過ちをいくつも犯してしまう“大人たちの喜劇”です。テーブルを囲んで理性的に会議を進める一方、それぞれがプライベートな問題に頭を悩ませている、というシチュエーションの芝居なわけですが、今回の出演者ならば、皆、役の外面と内面の移り変わり、そのギャップを滑稽に演じて下さると期待しています。作品としては、テンポの良い会話による、大人が楽しめるコメディにしたいと思っています。
インテリでクリエイティブで自分大好きな人々が、“芸術の未来”という社会の利益について考え、話し合うものの、やっぱり頭の中は個人的問題でいっぱい。しかし社会はそもそも利己的な振る舞いの集合体であり、個人の問題解決が社会の問題解決につながるのでは? そんな大人だからこそ理解できる独特の倉持ワールドを出演者4人がどう演じるのか……期待は高まるばかりだ。
■会場:日比谷・シアタークリエ(03-3591-2400)