宮崎市二つの公共劇場(宮崎県立芸術劇場、宮崎市民プラザ)が、2月に競演

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左から本田誠人、立山ひろみ(宮崎県立芸術劇場演劇ディレクター)、土田英生、永山智行 提供:宮崎県立芸術劇場

左から本田誠人、立山ひろみ(宮崎県立芸術劇場演劇ディレクター)、土田英生、永山智行 提供:宮崎県立芸術劇場

この2月、宮崎県宮崎市の演劇はワクワク、ドキドキだ。

 宮崎県宮崎市には二つの公共劇場がある。ひとつは、ニグリノーダ主宰で東京と宮崎を行き来して奮闘している立山ひろみが演劇ディレクターを務める宮崎県立芸術劇場、もうひとつは、「集い、学び、交流する」というコンセプトのもとさまざまなニーズで利用されている宮崎市民プラザ。その二つの施設で、この2月、「宮崎」を描いたオリジナル戯曲による演劇が競演しちゃうのだ。

 劇場勤めをしていたころ、全く違うプロジェクトで偶然、演劇界のメインストリームに立つメンバーが時期を同じくして東京から離れた地に同じく滞在して作品制作をしている状況があると、ボキャブラリーが少なくて情けないが、本当に「ワクワク、ドキドキ」したものだ。しかも、その地のことを題材に描いた作品となれば、うれしくて仕方がない。きっと両劇場のスタッフもそんなふうに思っているのではないだろうか。そして、負けずにいい作品を作るぞ!と。

「山」と「海」、二つの視点から描く「宮崎」

 宮崎県立芸術劇場で上演される『板子乗降臨』は、京都を拠点に全国区で活躍する土田英生が書き下ろし、立山の前に宮崎県立芸術劇場の演劇ディレクターを務めていた、宮崎の人気劇団こふく劇場主宰の永山智行が演出を手がける。それにしても「かぼちゃといもがら物語」とはなんぞや。宮崎の方言で、しっかり者の女性を「ひゅうがかぼちゃ」、頼りなくお人好しの男性を「いもがらぼくと」というらしい。そこに引っ掛けて宮崎を舞台に今を生きる人々の営みを通して、日本の今を見つめた新しい物語をつむいでいくシリーズをスタートさせるのだそう。古民家カフェを舞台に地元の人々とドラマを紡ぐNHKの番組で各地をめぐる(うちの近所の長野県下諏訪町にもやってきた)若手俳優・渡部豪太、立山がこの人のおかげで演劇の道に進んだという宮崎県立芸術劇場初代演劇ディレクターの実広健士らが出演する。

 舞台は宮崎市から車で1時間ほどのところにある樅ノ町。山の上の樅の巨木と無農薬野菜以外これといった特徴もない町に、県外から一人のサーファーが移住してくる。地元製薬会社が計画する研究施設建設への反対運動を盛り上げようと奮闘するが、彼の存在がきっかけとなって地元住民の関係性が少しずつ崩れていく……。

「板子乗降臨」稽古場より

「板子乗降臨」稽古場より

 宮崎市民プラザの『カントリーのロード~青島に続く道~』は、「市民が主役の文化芸術活動の推進」及び「特性を活かした地域文化の振興」のミッションのもと、宮崎県出身の脚本・演出家・俳優、ペテカンの本田誠人が脚本と演出を担当。ペテカンから参加する四條久美子、濱田龍司をのぞいてはオーデョションで選ばれた宮崎の役者陣30名ほどが出演する。宮崎のテレビやラジオで活躍する人気パーソナリティ、木村つづくが主演。

 こちらの舞台は海辺の町、青島にある民宿&カフェ「ブルームーン」。この店は、生真面目で仕事一筋だったが些細なミスを気にして仕事をやめて引きこもった村島亮平と、宮崎出身で夫を励まし宮崎で暮らそうと誘った妻・さちが親戚のおじさんから引き継いで運営している。人生最後の小説を書きに来た作家、旦那とけんかし家出同然で訪れた主婦、彼氏にドタキャンされてやけくそで一人旅する女子などなど、さまざまな事情を抱えてやってくるお客さんたちを優しく見守りながら、亮平とさちは次への一歩を模索する……。

「カントリーのロード」稽古場より

「カントリーのロード」稽古場より

 土田と本田は、宮崎県立芸術劇場の広報誌で「サーファーがブルームーンでバイトしていた設定にしたら」「サーファーを登場させたいんですよ」と、意気投合。もしかしたら、二つの作品はちょっぴりリンクしているかも。それは両方も作品を観劇する予定のお楽しみだ。また、こふく劇場の看板女優二人が両作品に分かれて出演するあたりも、気になる話題。いずれにしても、他所から来た人々を受け入れることを厭わない、あたたかな宮崎人気質が感じられる作品になりそうな予感。

公演情報
宮崎県立芸術劇場プロデュース「新 かぼちゃといもがら物語」#1
『板子乗降臨(いたこのりこうりん)』


■日時:2017年2月15日(水)〜2月19日(日)
■会場:メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)イベントホール
■作:土田英生 演出:永山智行
■出演:渡部豪太 熊川ふみ 実広健士 日高啓介 河内哲二郎 あべゆう 酒瀬川真世 大迫紗佑里
■料金:全席自由・税込 一般4,000円、U25割2,000円/ペア割7,000円(前売のみ)
■開演時間:15日〜17日19:00、18日・19日14:00
■問合せ:宮崎県立芸術劇場 Tel.0985-28-3208
■公式サイト 
https://www.miyazaki-ac.jp/
 
公演情報
宮崎市民プラザ自主事業 ユニット「あんてな」プロデュース vol.11
『カントリーのロード〜青島に続く道〜』


■日時:2017年2月25日(土)・2月26日(日)
■会場:宮崎市民プラザ  オルブライトホール
■脚本・演出:本田誠人
■出演:木村つづく かみもと千春 四條久美子 濱田龍司 濱田明良 吉丸裕美 樋口千穂 本田誠人 ほか
■料金:全席自由・税込 一般2,000円/大学生以下1,000円
■開演時間:25日19:00、26日14:00
■問合せ:宮崎市民プラザ Tel.0985-86-7777
■公式サイト: http://www.siminplaza.com/
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