パリの展示レポート:2千人のアーティストが参加する、フランス最大のアート展示会『ART CAPITAL』
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2月に入って春の気配が感じられるようになったパリですが、油断すると風邪をひきそうな寒さが続いています。そんな今月の14日、フランス最大のアート展示会である『ART CAPITAL』のレセプションに参加してきました。
この展示会は2006年から毎年開催されているもので、今年で11年目。参加アーティストの数は2000人、訪問者は4万人も達するという大規模なものです。 4つのアート団体が一堂に会し、アーティストはフランスに限らずあらゆる国籍の参加者がいます。この展示会は、アーティストとギャラリーと一般人との接点を持つことで、アート作品の購買を促進するだけでなく、今のアートシーンの状況を把握できるようにさせるということを目的にしています。
レセプションであるこの日は招待状を持っていないと会場入りできないはずなのに、会場の正面入り口には数十メートルに及ぶ一般の方による長蛇の列。この展示会の注目度がうかがえます。
ようやく会場入り口で荷物検査をすませて会場「グランパレ」に入ると、1900年に建てられたアールヌーボー調の巨大な天井に思わず息を飲んでしまいます。そして、すでに展示されたアート作品がとぎれなく陳列されているのが目に入ってきます。
筆者は事前に日本人アーティストの展示コーナーがあると聞いていました。迷子になりそうな広い会場を5分ほど歩きまわると、30平方ほどのスペースに日本人がちらほらといる目的の場所へ到着。
そして今回、このブースに展示されている稲葉猛氏にお話を伺うことができました。
在仏日本人アーティスト稲葉猛(Takeshi Inaba)氏
稲葉氏:この日本人のアーティスト展示コーナーでは今年は17人の参加者が展示をしています。どのアーティストも、この広い展示会場に合わせて規定の大きなサイズで作品を作ってくるんですよ。私はここ25年近く、空き缶を素材に使った作品を作り続けています。最初は色がキレイでいいなと思って始めたのがキッカケです。意外と素材としては繊細なので、丁寧に素材を扱わなければいけないんです。
そう説明してくれた稲葉氏の作品は、他の日本人アーティストの作品の中でもひときわカラフルで目立っていました。今年で6回目の参加という稲葉氏は、これまでデンマークやノルウェーを経てフランスへ移住し、50年近く欧州で制作を活動されているのだそうです。
会場には絵画だけでなく、オブジェや彫刻も展示されていました。
とにかく会場が広く、2000人近くものアーティストの作品が一堂に会しているので、全てを見て回るのも大変な展示会です。しかし、こうして自分と同じ日本人の方がパリに根を張り、数十年近くも作品を作り続けていることを知る良い契機となりました。
なお、稲葉氏は来月3月には東京の表参道で個展を予定されているとのこと。ご本人もこれに合わせて日本に行かれるそうなので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
日時:2017年3月27日(月)~4月2日(日) 13時〜18時30(最終日17時まで)
場所:ギャルリー412
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目12 東京都渋谷区神宮前4丁目12−10 表参道ヒルズ同潤館302
Tel/fax : 03-5410-0388
オフィシャルサイト:http://galerie412.com/access/index.html