“Kalafina+1” インタビュー 南流石が語る「もっと広い世界に行けるKalafinaの可能性」

インタビュー
音楽
アニメ/ゲーム
2017.3.9
Kalafinaと南流石 撮影=菊池貴裕

Kalafinaと南流石 撮影=菊池貴裕

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4月15日から開催されるKalafina 9周年コンサートツアー『Kalafina “9+ONE”』。SPICEではこの “9+ONE”にインスパイアを受け、Kalafinaとゆかりのあるもう一人をお呼びするクロストークインタビューを企画した。まず今回はコレオグラファーで演出家でもある南流石氏。Kalafinaライブの演出を手がける南氏をお呼びして、この9周年ライブをどう作ろうと思っているのか、Kalafinaとの関係性などを語ってもらった。Kalafina 3人とのガールズトークも楽しんで貰いたい。

――今回は「Kalafina+1」といういうことで、演出の南流石さんをお呼びしてクロストークです。ツアーが徐々に近づいて来ましたが、改めて先日の9周年ライブを終えて、今は準備に取り掛かっている段階ですかね。

Keiko:そうですね。この間は衣装打ち合わせしたりとか、セットリストの検証だったりとか、各分野でスタートラインにたち出した感じのとこですね。

――改めて南さんにお伺いさせて頂ければと思います、南さんとKalafinaとの出会いはどんな感じだったんですか。

:『Kalafina LIVE THE BEST 2015 “Red Day”』時に、参戦しましたね。

――最初のKalafinaの印象はどうですか。

:私が最初にお話をいただいて、今までのアーカイブを全部見たときの第一印象として、「すごくよくできてる!」だったんですよ。彼女たちがすごく意思を持ってるのが見えたんですよね、その意味で私が呼ばれた意味を深く考えてね。私はできてるものに対してダメ出しをするのが役割ではなく、できていることに、まだプラスワンがあるということを彼女たちに促していく役。さらにすごいことができるグループであるということ、まだ開けてない引き出しを開けていく役割だということを理解して参戦しました。

――Kalafinaの皆さんから見た南さんの最初の印象は。

Hikaru:とても緊張しました。すごいオーラがあって、最初は会議室みたいなところでお会いしたんですけど、流石先生が入ってきたときに、一気に緊張が増す感覚がありました。でも話始めると流石先生ってすごくフレンドリーな方だったので、雰囲気や見た目とは違うっていう印象でした。

:あ、そう。私フレンドリーが売りだから!(笑)

Hikaru:“フレンドリー”の印象で間違ってなかったですね!(笑)

Wakana:部屋の中に、大輪の花みたいな方がいらっしゃると思って、すごいびっくりしました。まず、メガネがすごく印象的で、いろんなメガネをかけられるじゃないですか。そのとき、うわっ!すごいかっこいい人だな、早く話したいと思って。私もHikaruと一緒で、すごくフレンドリーに私たちに話しかけてくれるから、話を聞いてくれるし、ご自分の話もしてくださる方なんだなと思って、嬉しかったです。初めてあった日からワクワクしました。

Keiko:みんな固まっていたのを覚えてる(笑)。すごい、業界の人来た、みたいな。みんな石にされた感じ。

:本当にそうなのよ!誰も私の目を見ない(笑)。

Wakana:喋れない(笑)。

Hikaru:どう接したら失礼にならないんだろうっていうぐらい、ちょっとみんな戸惑っちゃって、どういうふうにお話をしたらいいんだろうって思ってました。

――緊張と戸惑いから始まった関係性なんですね。

:そうそう、こっちだけフレンドリー。だから、どうやって私の心意気を伝えようかと最初思いましたね。

――ライブの演出担当としては、最初のアプローチはどういう感じだったんですか?

:最初の武道館の時は、もうすでに内容もほぼ決まってるタイミングからだったんですよ、私は本人たちがどうしたいかを優先したいので、やりたいことを引き出すことだけに専念した武道館でしたね。結果的には、それはとっかかりであって、全てを完成させることができなかったと思ってるんです。だから長い時間かけて彼女たちとモノを作り上げていくことを自分の中で望みましたね。

――一回だけの関係ではなく、継続的な関係性を望んだと。

:その通りです。お互いにそう思い始めているような気がしたし、私にとってはそここそが一番重要なんです。だから私の最優先アーティストになりましたね。

――正直、南さんが入られることって、マッチングとしては驚きがあったと思っています。「ここが一緒にやるの?」という感じだった気がします。

:それこそが、私の待ってましたなわけよ!

――なるほど。

:それで新しい世界が作り上げられたら、いい意味で懸念を裏切ると言うか。そのためには最初に多少の反対があってもいいんですよね。

――最初にマイナスから始まった。

:マイナスから始まるのが大好き!

Keiko:流石さんに「あなたたちのスタイルはそのままでいいと思っているから、他をどうしたい?」と言う問いかけを頂く所から始まったんですよね。いろいろな見せ方をライブやツアーの趣旨に合わせてやっていこうかと言う感じだったので。「ベースはできてるじゃん!」って言われたんですよ。

:そうだよね。いいじゃんみたいな。

Keiko:そう言う演出家さんとの出逢いがこれまで無かったので、流石さんとの出会いを運命だと思った瞬間でしたね。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――最近のライブを見るとすごく演劇的な作りをされている曲があったりしますが、意識しているものってあるんですか。

:自分の中の心情なんですが、すべてのお客様が私たちの中では最も大事にしなければならないものなんです。その人たちが、こういうのもありだよね!こんなKalafinaは想像してなかったけど、素敵だね!とか。全てをプラスに感じてもらうにはどうするかは物凄く考えるんですけど。Kalafinaは楽曲の世界観がとてもあるので、そこに寄り添いつつも、寄り添い過ぎないって言うのも意識してますね。

――曲そのものになりすぎないって言うことでしょうか。

:って言うところも意識するかな。寄り添うけど寄り添いすぎない。優先するけど優先させすぎない。全員にとって新しい扉にしたいんだよね。だって、今まで通りでいいじゃないで終わったらダメじゃん。今までのKalafinaはいい。だけどまだ見たことのないKalafinaがあるように提示していきたいから。

――ああ、それは見ていてとても感じますね。

:完璧だったわけですよ。Kalafinaは。実は、関わる前に他のイベントとかで見ていたんです、本当に何人かのスタッフしか知らないけれど、関係者にKalafinaやりたいっていったんですよ。

Keiko:そうだったんですか?知らなかった!

:出会う何年か前から知っていたんですよ。だけどそれきり、接点がなくて、具体化しなかったから正直言うと「きたっ!」みたいな。

Wakana:あははは(笑)。

:遅いよ!みたいな感じでした(笑)。見たのはちゃんと出会う2年前ぐらいかな。武道館。

Keiko:だとしたら……2013年にやった『リスアニ!LIVE-3』かな?

:うん、私はその時違うアーティストを担当していて、本番見てたら、「なにこれ!この人たち誰!?」ってなって(笑)。ある時私がやってみたい!って話した関係者の人がふっと思い出したんだよね。南流石、確かKalafinaやりたいなっていっていたな、みたいな。

――逆にこれだけのラブコールを受けて。

Wakana:嬉しいですよね。最初から3人のことを面白いって言ってくれたことも嬉しい。バンドスタイルだけじゃなく、アコースティックライブも恒例になりつつあるというか、色んな場所でさせてもらえるようになったり、それも先生が私たちにいろんな扉を叩かせてくれたからこそ、新しい景色が見られるようになったと思うので。最初に自分たちのやってきたことを肯定してくれたことが嬉しかったんですよね。

:歌えて、動ける子たちだし、プロデューサーの梶浦由記さんも凄い。私も何百人もアーティストを担当してきたけど、もっと広い世界に行ける!っていうワクワク感があるの、Kalafinaには。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――では三人それぞれの印象をお聞かせ頂ければ。

:これ言いづらくない? 

――そこは演出家として(笑)。

:本人たちがどう思っているか知らないけれど、相当いいバランスなんですよ。それぞれ足りてるところと、足りてないところが明確にあるわけ。よくぞこの三人になったなって言うバランスをしているわけなんですよ。その中でもKeikoは、いつも言ってるんだけど、私の中から産まれたんじゃない?みたいな(笑)。

――娘みたいな。

:て言うか分身っていうか弟っていうか、

Keiko:弟?(笑)

:妹じゃない、弟なの。なんかねちょっと怖いぐらい感覚が似ているところがあるよね。

Keiko:はい(笑)。

:この間打ち合わせがあったわけ。みんなに差し入れ持ってきたんだけど、Keikoが同じもの買ってきてね。

Keiko:ええー!うそー!

:それで私は出さなかったの。ウェハースね。

Wakana:やばい(笑)。

Keiko:感覚が似てるんですよね。

:私がこれ伝えようと思うと、同じ内容で「私はこう思うんですけど」っていうのが一日に一個あるわけ。稽古をやっても、私とKeikoが感覚的に感じたことを二人に伝えたりとか、そういう風に進んできたことが多いんですよ。そういうことを含めても、Keikoはリスクを背負うのを美学としてるね。大変なことをあえて突っ込んでいく。そこが好き。

――確かに体育会系の印象はありますね。

:私も体育系だから似てるのよ。彼女はグループのためになること、自分のためになること、今後のKalafinaのためになること、そういうこと全部想像を逆算して皆を導くことができる、すごくクレバーな子だと思っていますね。

――Keikoさん、いかがでしょうか。

Keiko:なんというか、Kalafinaに関しては流石さんに全てさらけ出しているんです。恥ずかしさを通り越して見せ合ってきているから、分析されたりするとドギマギします(笑)。流石さんに言われると、私も同じ気持ちがたくさんあるなと感じました。まだまだ足りてなくてやるべきことがいっぱいある中で、そこにトライしていきたいと思っているので、まだまだです。

――では、Hikaruさんは?

:Hikaruっていうのは、一番冷静。ちょっと俯瞰で見てるんですよね。私とかKeikoはテンションと感情と想像、それに夢と理想を現実に落とし込むっていうタイプなんだけど、Hikaruは私達が力づくで押し出した、ものすごく蛇行しているものをまっすぐに矯正しているような感じがする。蛇行してても行くんだけど、Hikaruがいることでちょっと冷静になれたりするんですよ。あとね、ちょっと資料がないなーって思っていると、それをちゃんと手書きで書いて、すっと渡してきたりとかするの。なにその親切!(笑)

Hikaru:親切(笑)。

:これなかなかアーティストってできないんですよ。スタッフの仕事なんだよ。これが出来るのはすごいの。

Keiko:秘書みたいですよね。私とか流石さんがわーって話してるとポイントを隣で静かにまとめているんです。

:そうそう。しかも字が綺麗!

Keiko:記憶力半端ないし。

Wakana:超覚えてる!

Keiko:2年前のライブとか鮮明に覚えてくれていて、あの時Keikoさんこうしてましたよねとか。すごいと思う。

:でもね、アーティストとしての素材は、Hikaruが一番未開拓なところが多いと思ってるんだよ。だから私にとっては美味しい素材。可能性が凄いあるところを、私がまだ引き出せてないところがいっぱいあるの。化ける要素がすごくある。

――いかがですかご本人。

Hikaru:ありがとうございます。新しいアイデアの提案が苦手なタイプだから、皆が出すアイデアを覚えていたり。一般的な意見を発信する担当みたいな立ち位置にいようと思っていて。私は意見をぐいぐい出さないぶん知識だけでも貯めとこうと思ってるんです。みんなが提案したものを、実現するためにはどうしたらいいのか。ファーストアイデアは私からあまり提案出来ないからこそ、そこから発展して行くものを考えるようにしているんです。

:自己分析もちゃんとできるんだよね。

――では、最後にWakanaさん。

:Wakanaは彼女自身が持っているクリエイティブな面とか、想像力が凄いあるの。でもそれを本人だけが分かっているってことが多いのね。説明が下手なのね(笑)。Wakanaとしゃべっていると、ほおー!と思うことがいっぱいあるんですよ。絵を描いたりとか、得意なこともいっぱいあるんですよ。私はWakanaの秘めてる、世の中に公になってない、そう言う才能が今後Kalafinaにとって、すごく重要なものになっていると考えてます。でも、Wakanaが最近意見を出すようになったの。一言で言うと面白いんですよね、この子。

――面白さは感じてますね。

:この「面白い」って言う要素はKalafinaにとって重要なんですよ。どうしてかと言うと面白さとかは必要ないって思われがちなグループじゃないですか。

――それはそうかもしれません。

:だけどね、やっぱり人が誰かを好きになったり、追いかけるって事は凄いことで、その時アーティストは全部を見られてるんですよ。ルックスだけでもない、作品だけでもない、人間味も見られるの。Wakanaはそこがずば抜けているんですよ。どこに入っていっても大丈夫な人なんですよ。初めて会ったおじちゃん、おばちゃん相手でもこのままで居られる人。それはすごい才能だと思っていて、それを良さとして還元してほしいんですね。しかも、その中にキラッと光るアイデアを持っていたりとかするし。KalafinaではKeikoの才能は充分に出てるんですよ。しかも日々向上中。Hikaruの中にはまだ秘めている部分がある。Wakanaの世に出ていない才能を公にする。私の今の課題としてはこの二人をどうやって促せていけるかですね。

――確かにライブを見ていると感じるところではあるかもしれませんね。Hikaruさんのポテンシャルと、Wakanaさんの覚醒。

:三人とも最初に出会った時から素晴しいんですよ。でも本人が求める完成形にはまだ力不足だと思うの。私がもうちょっと引き出しを開けないといけないなって言う課題ですよ。

Wakana:私インプットは得意だけど、アウトプットするのは苦手なんですよ。でも長電話で7時間とか喋ることもあって。特定の人にしか言えないんですよね。家に電話して、お母さんと2時間、お父さんと3時間喋ったりとか。そう言うタイプなんですね。だから私、自分でも私のできることが分かってないから、整理したいですね。

:いっぱいあると思うよ。

Wakana:なんかね、やれって言われたらやるんですよ。それでやって見たら、理解するというか。私の中で気づいてないことがいっぱいあるんだなって、それをもっと探していきたいなと思いました。

撮影=菊池貴裕

撮影=菊池貴裕

――さて、改めてツアー『Kalafina “9+ONE”』の話もしなければならないので。先生の中でイメージだったりとかこういう風にしたいと思っているとか。

:あるんですけど、最初に本人たちに聞こうか、違ってるとカッコ悪いから(笑)。

Keiko:この『Kalafina “9+ONE”』は前回9周年の時にして頂いたインタビューの時に「お客様の声を出来る限り聞くツアーにしたい」って話したんですけど、それから一ヶ月ぐらいたった今。それだけではダメだと思ってるんです。お客様の声を聞いて、お客様の理想とするもの、イメージするものだけを見せるだけではサプライズ感とか、エンターテインメントの部分で私たちの目指すステージには達さないんじゃないかと思っていて。根本はお客さまの為のステージでありたいんです。でもお客様のためだからこそ、思いつかないようなことも、やっぱりやりたくて……。この所みんなでずっと考えていますね。

:うん、横道に逸れて忘れてはいけないことは、お客様のためにあることだけは忘れないようにしようと。ただ、お客さんの想像を超えていくことはやりたい、それが、奇しくも望んでいることだったら嬉しい。そうやって深く考えて作っていかなくちゃいけないと思っているんですね。しかも10周年っていう素晴らしい節目も来るわけですよね。

――そうですね。

:10周年を最大のものにしたいからこそ、9周年に重きを置きたいんですよ。そうすることで10周年をさらに重いものにすることができるっていう風に思っているから、この9周年で全てを出しきりたいですね。いい意味でこのツアーでお腹いっぱいになってほしいんですよ。でも、私たちはお腹いっぱいになった人が、また食べたいものをかすかに匂わせて終わらないといけない。お腹いっぱいだからKalafinaバイバイ!って思われないように、もの凄い意気込みで作ってますね。

――10周年はもちろんですけど。9っていうところに力を入れるっていうのは面白いなって思って。

:面白いことやらなきゃ私がいる意味がない。Kalafina南流石のマッチングを疑問に思う人もいるかもしれないけど。彼女たちには大きな野心と自信と想像力がある。だから意見が一致して、そこに向かおうとしてるんですよ。今回SPICEさんにお話をいただけたから、丁寧に作り上げているっていうことを知ってもらえるいい機会だなと思って。ファンの皆さんには、みんなで話し合って作品創りをしてることを伝えたい。私たちが自信を持ってやることを、みなさんに「そうか!こういう表現があるのか!凄い!」って思ってもらえるかのチャレンジなんですよ。Kalafinaの9年の集大成、私にとっては関わって2年だけど、ここで一回整理したいんだよね。そうしたら10周年は想像もしない展開が待っているかもしれないじゃない?ワクワクしてほしいな。大きいこと言っちゃってまずいな(笑)。

Keiko:大丈夫ですよ!

――手応えとかはありますか。

Keiko:明確に違うのはとにかく楽しくって。流石さんと出会ってからライブに向かう私たちのモチベーションが高くなっていく実感があるんです。Kalafinaは3人だからいろいろな部分で寄せ合わないといけないという思いが、3人それぞれにあって。

――寄せ合う、ですか。

Keiko:はい。Kalafinaのイメージがこうだから、そうしなきゃいけないって、いつもKalafina像がいい意味でも私たちにのしかかっていたんですよね。そのKalafina像を自分たちでも作れたら……と思わせてくれたのが流石さんとの出会いで。例えばクラシカルな要素、KalafinaってWakanaの声があったからこそできたグループって言われるくらいだから、その魅力や表現はもっと出していきたい。Wakanaが歌で表現するものに、私とHikaruも寄りそいたいんですよ、それは「Kalafina」って枠に寄りたいんじゃないくて、Wakanaの表現に寄りたい。Hikaruもずっと小っちゃい頃からお芝居をやっていたので、自分の中で曲の世界を作り上げるのが得意だから、入れ替わり立ち代りボーカルが変わっていく、Kalafinaの曲を歌うに当たって、昔は自分一人の世界に入り込んでしまう時期もあって。その時、きっとHikaruは悩んでいただろうなと思って。だからこそ今は、そのHikaruがこう表現したい、観せたいっていうものに私とWakanaも寄せたい。

――なるほど……。

Keiko:曲によって見える世界は違うからこそ、いろんな表現にトライしたいんです。難しさであり、私たちが目をつぶってきた部分でもあって。それをちょっとずつだけど、開拓して、自分たちのKalafina像を作り出すことができたのも、流石さんと出会ってからなんですよね。

――アリーナツアーの前はすごく印象的でした。稽古でも見させていただけましたけど、こうなるのか!って感じでしたね。

:「Magia」なんかはまさにHikaruの特色を、最大限にしたものを作り上げたっていう感じでしたね。その前の「red moon」だったら、Wakanaの歌声だけに集中して、Wakanaは微動だにしなくていいよみたいな。そしてKeikoのオープニングでのアカペラ。アリーナツアーは、それぞれの魅力をピックアップしてできたものなんですよね。

――今回のツアーでは、それにお客さんの想像を超えるものを加味していく。

:そうね!打ち合わせすればするほど、ここ抜けてたね、もっとできたんじゃないみたいなことがある。それを家帰って考えて、また次の形にして発表していくっていう作業はすごく楽しい。創る時間って最高におもしろい時間なんですよ。ずっと演出とか振り付けとか、ものづくりをやってて、自分のやりたいグループでできるってことは、すごい喜びで幸せなんですよ。稽古も辛くもないし、これだけ心が寄り添えていることはなかなか奇跡的なことなので。Kalafinaにとっても、私にとっても、厳しい意見もいい意見も聞けるチャンスがあるから、それはチャレンジすればアップできる約束ができているんで。トライすることは大変だけど、それ以上に楽しいよ。私は全員の気持ちをひとつにしたいんですよ。お客様もメンバーもスタッフも、全員に「We are as one」一丸になろうと思って欲しくて。誰一人かけてもダメなことをわかってもらいたい。いいチームになりたいんですよ。それぞれが、まだ開けてない扉がありまっせ!それをKalafinaのために見せてほしい!って感じですね。それができれば世界挑戦も近いって思いますよ。マジで!

インタビュー・文:加東岳史 撮影=菊池貴裕

公演情報
『Kalafina “9+ONE”』​

[千葉公演] 2017年4月15日(土)・16日(日) 森のホール21
[北海道公演] 2017年4月23日(日) わくわくホリデーホール
[愛知公演] 2017年4月30日(日) 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
[大阪公演] 2017年5月2日(火)・3日(水・祝) フェスティバルホール
[神奈川公演] 2017年5月7日(日) 神奈川県民ホール 大ホール
[埼玉公演] 2017年5月13日(土) 大宮ソニックシティ 大ホール
[富山公演] 2017年5月14日(日) オーバード・ホール
[東京公演] 2017年6月3日(土)・4日(日) 東京国際フォーラム ホールA
[宮城公演] 2017年6月10日(土) 仙台サンプラザホール
[福岡公演] 2017年6月17日(土) アルモニーサンク 北九州ソレイユ

LIVE情報はこちらへ
http://www.kalafinalive.com/

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