三谷幸喜最新作はサスペンス!PARCO Production『不信~彼女が嘘をつく理由』初日直前会見レポート
(左から)栗原英雄、戸田恵子、段田安則、優香、三谷幸喜
3月7日(火)より東京芸術劇場シアターイーストにてPARCO Production『不信~彼女が嘘をつく理由』が上演される。同日同会場にて初日直前会見&フォトコールが行われ、段田安則、優香、栗原英雄、戸田恵子、脚本・演出の三谷幸喜が登壇した。
本作は日本の名脚本家である三谷幸喜描き下ろしの最新作。狂言、虚言が巻き起こす悲喜劇となっておりサスペンスである。今作のテーマは「嘘」。1つの小さな嘘からさらなる嘘が引き起こり、その嘘はだんだんと暴走をしてしまう。誰も予想できないその結末にも注目したいところ。
三谷幸喜
脚本と演出を務める三谷は今までにやったことない作品をやりたかったと話し、自身にとっても新たな挑戦とのこと。その点では苦労したところも多く「全部で34シーンあって1つ1つのシーンが展開される場所も違うわけですから、普通は転換しなきゃいけないんですよね。時間をかければ転換は出来るんですけど、僕のイメージは映画を見ているようなスピード感で見てほしいなっていうのがあったんです。例えば、映画だったら部屋の中から外に出るっていうのは編集で瞬時に出れるじゃないですか。でも、舞台だと部屋の中から外に出るってなったら、部屋のシーンを全部取っ払って外のシーンのセットを持ち込まないといけない。そのタイムをいかに0にするか、みんなで頭を絞って考えましたね」と語った。
今回の会場は両サイドに客席があるというのもあり、お客さんに囲まれた状態で出演者はお芝居をすることになる。なかなか体験することがない感覚だが、実際にプレビュー公演を経て出演者はそれぞれコメントをくれた。
段田安則
存在感あるお芝居が定評な段田は「何度か円形の舞台などの経験もあります。確かにやりづらいっていうのもあるんですが、だからこそ普段は出来ないことを出来る利点もいっぱいあると思います。なるべく両サイドを意識していますが、見るサイドによって印象も違うのかもしれません。商売人のようでございますが、2度見ていただけるのがいいのかなと思います」とのこと。
優香
三谷作品出演が2度目となる優香は「意識を両方に向けなきゃいけないというのは難しいんですけど、お客さんの声に助けられる部分もたくさんあります。両方から聞こえてくるととても嬉しいですし、気持ちがいいなと思います」と言葉をくれた。
栗原英雄
NHK大河ドラマ「真田丸」に続いて三谷作品出演となる栗原は「1度上手と下手を間違えまして。どっちに向かって座っているかでも風景が違うんですよね。それに慣れるために空いている時間に舞台を使わせてもらって、いろいろな風景や道具を眺めるようにはしてきました」と話した。
戸田恵子
三谷作品ではお馴染みの出演者となる戸田は「両サイドから見られる劇場は初めてではないんですけど、やりやすいかやりにくいと言ったらやりにくいです。やはりお客さんが正面にいる状態でのお芝居の経験が長いので、逆に新鮮に感じます。そう思いながら今はやろうと思っています」とコメント。
三谷は「戸田さんがニヤリと笑う場面があるんですけど、普通はお客さんが入っているのは片側だけなのでそっちに笑えばいいんです。でも、この舞台では両サイドに客席があるので、それをやってしまうともう片側にいるお客さんは戸田さんがどんな表情をしているかわからないじゃないですか。だから、僕がお願いしたのはここでニヤッと笑ったら、もう片側のほうも向いてニヤッと笑ってくれと。それってものすごく不自然なことで普通の感覚ではありえないことなんです。でも、それをきちんとやり遂げてくれるのがここの俳優さんなんです」と太鼓判を押した。
フォトコールでは三谷が述べていた転換の部分がまさしく表現されていた。舞台上の椅子が動く演出を加えたことにより、ステージの場面が一挙に変わり、観客を作品の世界観から逃さない。両サイドに客席があるというのもあり、普段は見ることのできない役者陣の後ろ姿も見ることができる作品だ。
PARCO Production『不信~彼女が嘘をつく理由』は東京芸術劇場シアターイーストにて3月7日(火)~4月30日(日)まで上演される。
取材・文・撮影/鈴木 唯
■作・演出:三谷幸喜
■出演:段田安則、優香、栗原英雄、戸田恵子
※プレビュー公演 3月4日(土)〜6日(月)
■場所:東京芸術劇場シアター・イースト
■料金:9,000円 ※プレビュー公演 7,500円(全席指定・税込)
■発売:2017年1月14日(土)
■企画製作:株式会社パルコ
■お問い合わせ:パルコ 03-3477-5858 http://www.parco-play.com
■公式サイト:http://www.parco-play.com/web/play/fushin/