星野源がアニメ『夜は短し歩けよ乙女』の魅力を独自のセンスで力説 花澤香菜は「視点がマニアックすぎる」と指摘
左から、秋山竜次、花澤香菜、星野源、神谷浩史、湯浅政明監督
3月9日、東京・TOHOシネマズ六本木にて、アニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』の完成披露上映会が行われ、声優を務めた星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次(ロバート)、メガホンをとった湯浅政明監督が登壇した。
『夜は短し歩けよ乙女』は累計発行部数130万部を超える作家・森見登美彦氏の同名小説が原作。京都を舞台にしたファンタジックな青春恋愛物語を、『四畳半神話大系』の湯浅氏が監督、ヨーロッパ企画の上田誠氏が脚本、中村佑介氏がキャラクター原案を手掛けてアニメーション映画化した作品だ。主人公の‟先輩”を星野が、先輩に思いを寄せるヒロイン“黒髪の乙女”を花澤が、先輩の学友“学園祭事務局長”を神谷が、先輩の学友“パンツ総番長”を秋山が演じている。
主演の星野は大きな拍手の中、先輩役を意識したメガネ姿で登壇。客席を見まわし「本当に素敵な笑顔で。ありがとうございます」と笑顔であいさつした。本作への出演は監督から「先輩役をやってほしい」と直筆の手紙をもらったことがきっかけだが、星野も湯浅監督の映画『マインドゲーム』から監督の作品を追いかけていたという。星野が「断れなかった」と本音を明かすと、湯浅監督は「正直な気持ちを書いた。星野さんの名前が出たときに、盛り上がりすぎて……盛り上がった様子を伝えて『星野さんがやると面白くなるんですけど』と書いて送った」と熱い思いを明かす。すると星野は「たしかに、ちょっと脅迫っぽかった。初めてのやり取りが脅迫文」とコメントし、会場から笑いを誘った。
左から、秋山竜次、花澤香菜、星野源、神谷浩史、湯浅政明監督
ヒロイン・黒髪の乙女を演じた花澤は「大学時代に本を読んでいて、先輩みたいな人が身近にいる」「理想の乙女像がいるので、重要な役だと思っていた」などとコメント。事務局長を演じた神谷は、キャスティング候補の段階で原作を読んで準備をしていたため、出演について「本当にうれしかった」と語る。一方で、同じく湯浅監督、森見登美彦原作の『四畳半神話大系』のオーディションに落ちていたことを告白し、「いつか監督とやる機会があればと思っていた」と秘めた思いを明かした。
秋山竜次
パンツ先輩を演じた秋山は、最初は「なんだこれは?」と思っていたという。一方で「素敵な役。願いが叶うまでパンツをはきかえない」とキャラクターの魅力を解説しつつ、「僕も今日はヒット祈願で履き替えてないです。歯も磨かず……」と爆弾発言。すると隣にいた花澤が「でも、ちゃんといい匂いがしますけど」とボケ殺し(?)なフォローをする場面もあり、キャスト陣は息の合ったところを見せていた。
左から、花澤香菜、星野源、神谷浩史
また、同作のアフレコは、花澤から順に星野まで、バラバラに収録を行ったとのこと。花澤は「天真爛漫でフワフワ」したイメージで収録に臨んだが、湯浅監督が「武士道を叩き込まれた役なので、もう少し武士のように」とアドバイス。その結果、花澤の役は落ち着いたキャラクターになったという。つづいて、花澤の声が画に入った状態で収録に臨んだ神谷は「乙女とは、ほとんど会話していないので無音で孤独でした」と述懐。さらに声の入った状態で収録した秋山は、「このテンションできたら!と負けないように頑張った」と語った。
星野源
最後に収録を行った星野は、映画の後半で20キャラ以上の声色を使い分けることになったという。星野は「心の中にいろいろな先輩がいる。すごく楽しくて『もう1回やらせてください』と夜遅くまでやった」と振り返る。また、星野は自身の好きな作品『四畳半神話大系』と同作を比較し、「雰囲気も含め似たイメージかと思ったら違う。『四畳半神話大系』は静かに淡々と進むけれど、今回は大騒ぎしながら進む」と解説。さらに「『もっと感情を出してテンション高く』と言われた」と湯浅監督の演出を明かした。
左から、秋山竜次、花澤香菜、星野源、神谷浩史
そんな星野の好きなシーンは、神谷が演じた女装癖を持つ事務局長の場面だという。「事務局長が女の子になるシーンは、かわいくてぐーっとくる」と明かし、そのほかにも「総番長が熱が出ているのにコーラを持って立っているシーン。あと乙女はずっと好き」と次々とお気に入りのシーンを挙げる。さらに、星野は、“先輩がアイスクリームを股間につけてしまうシーン”のあとに、‟乙女がラムネを飲むシーン”が差し込まれていることを指摘。星野は「あれはすごい変態な人が(脚本を)書いた。意図的に書いている!」と力説したが、花澤に「視点がマニアックすぎる」と指摘されていた。
左から、秋山竜次、花澤香菜、星野源、神谷浩史、湯浅政明監督
最後に星野は自身の役どころを「大騒ぎしているのが、最後風邪をひいておとなしくなる。でも心の中は大騒ぎになるという、ずっと騒いでいるキャラクターです」と説明。一方で「でも、1から10まですごい真面目な男で、自問自答を繰り返している。まっすぐな気持ちが出ていたら嬉しい」と語った。さらに「見ているだけで脳みそが気持ちいい、人の頭の中に入って独創的な感じになれる、そんなすごい作品だと思います」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。
最後はキャノン砲で締めくくる 左から、秋山竜次、花澤香菜、星野源、神谷浩史、湯浅政明監督
アニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』は4月7日(金)より全国公開。
アニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』
【キャスト】星野 源、花澤香奈、神谷浩史、秋山竜次(ロバート)、中井和哉、甲斐田裕子、吉野裕行、 新妻聖子、諏訪部順一、悠木 碧、檜山修之、山路和弘、麦人
【スタッフ】
原作:森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫刊)
監督:湯浅政明
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
キャラクター原案:中村佑介
音楽:大島ミチル 主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION
制作:サイエンス SARU
製作:ナカメの会
配給:東宝映像事業部
公式サイト kurokaminootome.com
(C)森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会