西村雅彦、飯島直子らが出演の抱腹絶倒コメディ、Doris&Orega『COASTER2017』観劇レポート

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撮影=刑部アツシ

撮影=刑部アツシ


Doris&Orega+水戸芸術館PRESENTS『COASTER2017』が、2月18日(土)、水戸芸術館ACM劇場で幕を開けた。「Doris&Orega」は、俳優の西村雅彦が自ら企画・キャスティング・出演を務めるプロデュース公演。2002年にスタートして12回目を迎えるが、今回は、その中でも評判を取った公演『コースター』を、『COASTER2017』として10年ぶりに復活させたのである。といっても、単なる再演ではない。脚本を大幅にモデルチェンジ。目指すのはさらなる抱腹絶倒だ。果たしてその目論見は、初日から見事に当たった。

美術品ばかりを狙う大泥棒(西村)が、とあるバーに忍び込むところから物語は始まる。そこに飾られているのは、フェルメールなどの名画たち。が、いつものように手際よく仕事を片付けようとターゲットに手を伸ばした瞬間、バーのオーナー(飯島直子)とマスター(浅利陽介)が入ってきた。とっさに「新任のバーテンダーです」と嘘をつくが、流行作家(本多力)、謎のカップル(MEGUMI、鴈龍太郎)、オネエの警官(デビット伊東)と、ひとクセもふたクセもある人物が次々に現れ、大泥棒は窮地に陥ることに。しかも、どんどん逃げ出せない状況に追い込まれる中、ほかの登場人物の中にも疑惑が浮上して、追い詰められる者が入れ替わり立ち替わりしていくのである。「みんないったい何者なのか!?」と引き込まれずにはいられない。

撮影=刑部アツシ

撮影=刑部アツシ

冒頭、薔薇を一輪口にくわえて登場する西村は、その姿だけでもチャーミング。さらに、バーテンダーのフリをして悪戦苦闘する様や、昨年の大河ドラマ『真田丸』で話題となった「黙れ、こわっぱ」の台詞で客席を笑わせる。最年少の浅利は素朴さの裏に潜ませるものを熱演。過剰なほどデキる女をユーモラスに見せるMEGUMIと、何かと英語を発する空気の読めない男・鴈のカップルは、そのアンバランスさが絶妙だ。オネエぶりがあまりにも自然すぎるデビット、作家のわがままを貫き通すマイペースすぎる本多も抜群のスパイスに。そして、天真爛漫な飯島が、舞台上の攻防戦をやさしく温かく包む。

撮影=刑部アツシ

撮影=刑部アツシ

その攻防戦に、演劇的な手法がふんだんに盛り込まれているのも見どころのひとつだろう。中でも、全員が歌って踊るミュージカルシーンは見逃せない。それも突然歌い出すわけではなく無理なく織り込まれていて、客席からも自然に拍手が起こる。ストップモーションを利用して謎が解ける瞬間もある。舞台ならではの楽しさがそこには待っている。

面白いのは、ようやく解決したと思いきや、意外な結末が待っていることだ。大いに笑いながら、真実と嘘について考えさせられたりもする。

撮影=刑部アツシ

撮影=刑部アツシ

文/大内弓子
 

公演情報
Doris&Orega​+水戸芸術館PRESENTS『COASTER2017』
 
◆原案:金子茂樹
◆脚本:桜川康和
◆演出:大江祥彦
◆出演:西村雅彦、浅利陽介、MEGUMI、本多力(ヨーロッパ企画)、鴈龍太郎、デビット伊東、飯島直子
◆公式HP:http://www.coaster2017.jp/ 
◆公式ツイッター: @coaster2017

【水戸公演】
2017年2月18日(土)・19日(日)※終了
水戸芸術館ACM劇場

【大阪公演】
2017年3月24日(金)・25日(土)
サンケイホールブリーゼ

【東京公演】
2017年3月30日(木)~4月9日(日) 
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

他、全国11か所にて上演

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