片岡愛之助が語る『明治座 五月花形歌舞伎』 初心者でなくてもイヤホンガイドを借りるべし!【プレゼント企画あり】
片岡愛之助『五月花形歌舞伎』インタビュー
近年、歌舞伎だけにとどまらず、テレビやミュージカルなどさまざまな場で活躍する片岡愛之助。2年ぶりの出演となる『明治座 五月花形歌舞伎』(5月3日~5月27日開催)に向けて、公演の見どころや意気込みなどを聞いてみた。
明治座は思い出深い場所
――2年ぶりの明治座での公演はいかがですか?
明治座が新装した際のこけら落とし公演にも出演させていただいているので、明治座はとても思い出深い場所ですね。久しぶりに花形歌舞伎に出させていただけるので、非常に嬉しいです。明治座は、舞台と楽屋がとても使いやすく、劇場自体も好きです。劇場に行くまでの道のりに色々なご飯屋さんやお土産屋さんもあって楽しいので、そういう意味でも好きですね(笑)。
――明治座周辺でおすすめのお店があれば教えてください。
「玉ひで」が好きです。そして、焼き肉屋の「にくがとう」。「がとう」は、うちの叔父(片岡我當)と同じ名前だなと思って行ってみたのですが、とても美味しかったんです。人形焼など色々なお店も並んでいるので、歩いてこられたら本当に楽しいと思いますよ。
片岡愛之助
いずれも歌舞伎初心者にも分かりやすい3演目
――座頭として迎える公演の意気込みは?
そんなに気負いはありません。(中村)鴈治郎兄さんにも出ていただいていますし。若手の皆が楽しく、それぞれのお役を膨らませて作っていけるような環境にするのが、自分の座頭としての役目ではないかなと思っています。
――今回の演目は、どれも歌舞伎初心者でも分かりやすい作品ですよね。
お昼の『月形半平太』は、セリフも非常に分かりやすくなっています。初めてご覧になる方は、「歌舞伎ってこんなにセリフが分かりやすいの?」「テレビで見る時代劇と同じ」と、思うはずです。幕末が舞台なので、坂本龍馬や新選組など皆さんが知っている歴史上の人物もたくさん出てきたり、大立ち廻りもあったりと、大スペクタクルな時代劇になっています。さらに、これは初めて歌舞伎になる作品です。歌舞伎になる、歴史的瞬間を是非見ていただきたいですね。これが、100年、150年経ったら、古典になっているわけですから。
昼の部二幕目が『三人連獅子』。よく知られているものでは、『連獅子』というと父と子の獅子しか出てこないのですが、楳茂都流の『三人連獅子』では母獅子も出てきます。セリフはないのですが、舞踊こそ分かりやすいんですよね。長唄の歌詞を聞いてほしいです。そこで唄っていることを僕らが舞っているんですよ。極端に言うと、パントマイムみたいなことです。唄がそのまま舞踊の動きになっていて、親獅子や子獅子の心情を唄っています。
また、一般的な『連獅子』では松羽目という、大きな松の絵が描いてある背景で踊るのですが、今回の背景は石橋(しゃっきょう)という、石の橋なんです。立体的に作ってあり、それが回ったり、上がったり、下がったりしますので、視覚的にも楽しんでいただけると思います。
片岡愛之助
――夜の部の『南総里見八犬伝』はいかがですか?
今回の『南総里見八犬伝』は通し狂言ですから、物語の最初から最後まで上演しますので、初めてご覧になる方にも非常に分かりやすいはずです。普段、演じられないような場面も少し加わったりしています。
――愛之助さんご自身が演じるのが楽しみな場面はありますか?
それはやはり、『月形半平太』の「春雨じゃ。濡れてまいろう」というところです。早く言ってみたいですね(笑)。
片岡愛之助
初心者でなくてもイヤホンガイドを!
――初めて見る方に向けて、具体的にここが見どころというポイントはありますか?
ポイントというか、おすすめなのですが、“イヤホンガイド”を借りてほしいですね。普段から歌舞伎をご覧になられている方でも、初めての演目は借りられた方がより楽しめると僕は思います。かつらの説明や衣裳の意味合い、難しい歌舞伎用語などをセリフの合間に説明してくれるんです。例えば、僕のことをテレビでしか見たことがない方は、僕が白塗りで出てきたら、それが僕だと分からないかもしれません。ですが、イヤホンガイドがあれば、僕が出てきたら「愛之助」と教えてくれるんです。
さらに、今回の『明治座 五月花形歌舞伎』のイヤホンガイドは、特別に僕の声で制作している箇所もありますので、休憩の合間にもインタビューなどを聞くことができます。
――役者さんがイヤホンガイドの声を務めるのは珍しいですよね?
普段は、役者さんが喋るというのはないですよ。ですから、そこもポイントです。お手洗いの間も、お弁当を食べている間も、ずっと楽しめます(笑)。
片岡愛之助
突き詰めると、役づくりは舞台も映像も同じ
――歌舞伎以外のものに出演して経験を積む中で、何か変化はありましたか?
やはり人のお芝居をよく見るようになったことですね。常々、教わって学ぶこともありますが、「いい芝居は盗め」とよく言われます。芝居はいくら盗んでも罪にはならないから、盗みなさいと。
――古典と新作の両方をやられるわけですが、役づくりに違いはありますか?
心意気については同じですね。役を作っていくことは、古典も新作も、映像も舞台も、現代劇も時代劇も同じ。例えば、テレビのお仕事ですと、声の大きさや動きの大きさが歌舞伎ほど大きくない。その匙加減が難しくて、これは舞台と映像の演技は全く別物だなと思いました。ですが、それから演技の勉強をしなおしていくと、結局行きつく先は同じなんですよね。役を演じるということには変わりない。まずはその役を好きにならなくては、務まらないんですよね。演技法は違ったりもしますが、役を形成していく過程においては、どれも同じなんです。
――今回、イープラスにて貸し切り公演がありますが、演者側として貸し切り公演の客席の雰囲気はどうですか?
僕らが子役のころは、寝ている方も多かったですし、座席も歯抜けが多い印象でした。ですが、近年の貸し切り公演は、本当に見たい方がいらしてくださるので、とても強く、お客様からの熱を感じます。「ああ、こんなに一生懸命見てくれている」と、貸し切り公演のイメージは30年前とはガラッと変わっています。本当にありがたいです。どれくらい期待されていらしているのかと思うとドキドキしますが、嬉しいことですね。出演者の皆が感動していますよ。今回の貸し切り公演も楽しみにしています。
片岡愛之助
『明治座 五月花形歌舞伎』は明治座にて2017年5月3日~5月27日まで上演。イープラス貸し切り公演は、5月20日(土)夜の部となっているので、是非この機会に足を運んでほしい。
取材・文=岩本恵美 撮影=岩間辰徳
■会場:明治座
■公演日程:2017年5月3日(水・祝)~5月27日(土)
■開演時間:昼の部 11時/夜の部 16時
■出演:
片岡愛之助、中村萬太郎、中村壱太郎、
坂東新悟、中村種之助、中村米吉、
中村隼人、中村橋之助、中村福之助、
上村吉弥、片岡亀蔵、中村鴈治郎ほか
■公式サイト:
http://www.meijiza.co.jp/lineup/2017_05/
【応募方法】
現在受付中の「明治座 五月花形歌舞伎」<e+貸切公演>をご購入いただき、下記の応募フォームよりご応募いただいた方の中から抽選で合計3名様に片岡愛之助さん直筆サイン色紙をプレゼントいたします。
※ご応募いただく際には、応募フォーム内の注意事項を必ずお読みください
≫≫応募フォーム≪≪
【応募締切】
2017年5月14日(日)23:59まで
【当選発表】
当選された方にのみ、5月17日(水)メールにてご連絡いたします