楠本桃子のゲームコラムvol.38 RPG×ミュージカルを味わう『天使のプレゼント マール王国物語』
※製品紹介サイトより引用
本日紹介するゲームは『天使のプレゼント マール王国物語』。
2000年12月21日に、日本一ソフトウェアよりPlayStation2用ゲームとして発売されました。『ラ・ラ・ランド』や『美女と野獣』など、ミュージカル映画が話題の今、“ミュージカルRPG”というゲームジャンルがあることをご存知ですか?
以前コラムでも紹介した『リトルプリンセス マール王国の人形姫2』は、『天使のプレゼント マール王国物語』の前作にあたるものです。続編である本作ももちろん、ジャンルはミュージカルRPGです。
ゲーム中にキャラクターが歌って踊る、とても楽しいRPGとなっています。普段ゲームをしない、という女性の方にもオススメできる、とても可愛いRPGなのでぜひ手にとってみてください!
【ゲームの中で展開するミュージカルの魅力】
※公式サイトより引用
本作最大の魅力といえば、可愛らしいキャラが歌って踊るミュージカルシーン! PS2にプラットフォームをうつした本作は、前作と比べ演出面もパワーアップしています。2Dで描かれたキャラはくるくると表情を変えながら歌い、踊ります。
演出面はもちろん、曲自体のクオリティも高く、気付いたら口ずさんでしまうような曲がたくさん! 特にマージョリー一家が歌う「サバト」は、カッコよくもどこか微笑ましいオススメの一曲です。
ミュージカル自体の曲数も多いので、お気に入りの一曲を見つけられるはず。シェリーが歌う「歩いていこう〜シェリーの愛〜」は、シリーズを通して人気の高い一曲です。
【最大16人の仲間と共に! バトルシーンも大盛り上がり!】
※製品紹介サイトより引用
本作はキラキラしたミュージカルシーンがメインとなっているため、ライトゲーマー向けのゲームと思われがちですが、バトルシーンはじっくりと楽しむことができます。
オーソドックスなコマンド入力形式のバトルでありながら、最大で16人もの仲間と共に戦うことができるため、戦略も自由自在に練ることが可能。新しいキャラを仲間にすると、パーティー編成に悩んで数時間経過……ということもしばしば。
好みのキャラで固めるも良し、最強キャラで固めるも良し、弱いキャラをきさとことん鍛え上げるも良し。やり込み要素としてモンスター合成も存在するため、育成マニアの方も大満足のボリュームとなっています。
敵味方が大人数で入り乱れるバトルは、とてもスピーディーで賑やか。超強力な隠しボスも存在するため、最強パーティーを鍛え上げて撃破を目指してみてください!
【全6話のオムニバス形式で進むストーリー】
※製品紹介サイトより引用
本作はひとつひとつの話が独立しているオムニバス形式でストーリーが進みます。
前々作『マール王国の人形姫』、前作『リトルプリンセス』の過去、未来のストーリーも描かれているため、本作以前のシリーズをプレイしていればより感情移入ができるストーリーとなっています。
簡単に、各ストーリーを紹介します。
第1話「母を訪ねて…」
シリーズ一作目『マール王国の人形姫』の主人公、コルネットがメインのお話。森で迷子になっていた女の子をお家まで送り届けるため、小さな冒険がはじまります。
第2話「かぼちゃパンツは愛の試練を乗り越えられるか?」
シリーズ二作目『リトルプリンセス』の主人公、クルルがメインのお話。結婚を認めてもらうため、ミス・マール王国コンテストに出場を決意するクルルでしたが、そこにはたくさんの試練が潜んでいました!
第3話「ニャンコが消えた日」
敵キャラであるマージョリー一家がメインのお話。家来であるニャンコ達が一斉に失踪!? 事件の真相を暴くべく、ニャンコの捜索に出かけます。
第4話「愛ゆえにネコは戦う」
シリーズのマスコットキャラ、ニャンシーのペコニャンがメインのお話。アクージョ一家に仕える身でありながら、敵対するマージョリー一家のニャンコを好きになってしまったペコニャンの運命とは!?
第5話「天使がくれた物語」
前々作の主人公コルネットの母であり、前作の主人公クルルの祖母にあたるシェリーがメインのお話。哀しくも優しい、古代文明の物語。母の愛を感じられる感動ストーリー。
第6話「マールだヨ! 全員集合!」
マール王国シリーズ二作目出演したキャラクター達が勢揃い。おまけシナリオ的立ち位置で、最強クラスのボスとのバトルも楽しめます。
上記のように、バリエーションに富んだ笑いあり涙ありのストーリーが繰り広げられます。中でも「天使がくれた物語」は、涙なしでは語れない名ストーリー。ハンカチをお手元に置いてのプレイを推奨します!
【音楽が大好きなあなたに贈りたい物語】
※公式サイトより引用
シリーズを通してミュージカル部分に重きを置いたゲームは珍しく、本作はその最高峰! ミュージカルシーンは何度体験してもワクワクするため、そのために何度も周回プレイを行なってしまいます。映画や舞台で観るミュージカルも良いですが、ゲームで観るミュージカルも最高です。
複雑なシステムや操作もないため、ゲームを普段プレイしない女性にも優しい設計となっています。RPGの入門編としてもオススメですよ。春らしく、あたたかなストーリーを楽しんでみてください!