山本涼介にインタビュー! 『Little Voice リトル・ヴォイス』ビリー役で新境地に挑戦

2017.5.3
インタビュー
舞台

山本涼介 (写真撮影=中原義史)


1992年にロンドン・ナショナルシアターにて、サム・メンデスの演出で初演され、のちに映画化もされた『Little Voice リトル・ヴォイス』。英国北部の田舎町を舞台に、無口な少女が天才的な歌声の持ち主だったことから、その人生を切り拓いていくというドラマティックな物語だ。待望の日本版の舞台では、リトル・ヴォイス役に舞台初主演の大原櫻子が扮し、劇団チョコレートケーキの日澤雄介が演出を手がけることでも注目を集めている。大原のほか、安蘭けい、池谷のぶえ、鳥山昌克、高橋和也といった個性派が揃うキャスト陣の中で、映画版(1998年製作)ではユアン・マクレガーが演じていた、リトル・ヴォイスに恋する電話会社の従業員・ビリー役を演じるのは山本涼介。映像作品への出演だけにとどまらず、舞台俳優としても成長著しい山本に作品への想い、意気込みなどを語ってもらった。

■共演者が個性的な方ばかり

――『Little Voice リトル・ヴォイス』への出演の話をお聞きになった時は、まずどんなことを思われましたか。

初めて聞いた時はこの作品のことを知らなかったので、タイトルのイメージから「もしかして、歌うのかな?」と思って、まずはマネージャーさんに「僕は歌うんですか?」と確認しました(笑)。そうしたら歌わないということだったので、内心ホッとしました。

――歌わないんですか?(笑)

共演者の皆さんが素晴らしい方々ばかりなので、その中で歌うにはちょっと…(笑)。でも、ビリーのことを詳しく聞いたら、とても魅力的だし、やりがいのある役だと感じました​。リトル・ヴォイスを支えて、輝かせるというか、ちょっと背中を押してあげるような役回りで。今まで、こういう役はあまりやったことがなかったので、これはきっと自分の成長につながるんじゃないかな、ということは強く感じましたね。

――今回は出演者も少ないですし、とても重要な役ですよね。

リトル・ヴォイスの唯一の心が休まる場所でもありますからね。作品自体のテンポはすごく早いんですが、ビリーとリトル・ヴォイスの二人だけのシーンは急に時間がゆっくり流れるような気がします。本読みをしていても、ここは作品にとって、とても大事な場面だなあ、と感じました。

――本読みをされた際の感想は?

キャストのみなさんが、本当に個性的でエネルギッシュな方ばかりで。その中に入ってもビリーがちゃんと輝けるかどうかは自分次第なので、なんとかして負けないようにしなければ!と改めて思いました。

――あのキャスト陣に負けないためには、相当がんばらないと、ですね。

みなさん相当、パワーが強い方々ですからね。そのパワフルさとはまた違う方向、カラーを出して、僕にしかできないビリーを演じたいです。

■納得の演出

――リトル・ヴォイスを演じる大原櫻子さんの印象はいかがですか。

すごく、お茶目なところがあって。今朝も僕が、マネージャーさんと駅で待ち合わせをしていたんですが、大原さんが後ろから急に走って来て、いきなり僕の視界に飛び込んできたんです。「うわあ!」ってものすごくビックリして、おかげですっかり目が覚めました(笑)。

――他のキャストも、まさに百戦錬磨の方々ばかりですね。

みなさん大先輩の方々なので稽古を見ているだけでも勉強になりますし、いろいろなお話を聞かせていただきたいです。ビリーの場合は圧倒的にリトル・ヴォイスと二人のシーンが多いので、他の方と一緒にお芝居ができるシーンはあまり多くないんですが、同じ舞台に立てるだけでもすごくありがたいことなので。見て、感じて、勉強できたらなと思っています。

――演出の日澤さんには、どんな印象をお持ちですか。

こうやってほしいというような、俳優へのリクエストの伝え方がわかりやすくて、すぐにこちらも納得できるような演出をしてくださるんですよね。たとえば、ビリーがリトル・ヴォイスと初めて会った後で、もう一度彼女の家に行ってドアをノックする場面があるんですが。その時ビリーはたぶんお母さんが出てくるんだろうと思っているんだけど、いきなりリトル・ヴォイス本人が出て来ちゃうんですね。そこでは「そんな時、自分が一目惚れした人だからきっとすぐには言葉とか出ないでしょ? だからもう少し、間を使ってみてもいいよ」と言ってくださったり。

――そうやって登場人物の心情や状況を説明してくださると、やりやすいかもしれないですね。

そうなんです。そこからさらに一歩先に進めるので、とてもありがたいです。

■自分にとって大きな挑戦

――本格的な舞台出演は今回が4本目になりますね。映像とは違う、舞台の仕事ならではの面白さはどんなところに感じられますか。

いつも感じることは、やはりお客さんの反応がすぐに返ってくるところですね。それは映像の仕事では味わえないことなので。毎回同じお芝居をやっていても、日によってお客さんのリアクションが全然違うというのも面白いです。このセリフ、今日はちょっとだけコミカルに言ってみようと思ったら、逆にシーンとなっちゃったりとか(笑)。同じセリフでも間を変えたり、言い方ひとつで全然違うリアクションになってくる。そういったことを学べるのも、まさに舞台ならではだと思います。

――また今回は特に、いろいろなことが学べそうですね。

そうですよね。銀河劇場のステージに立つのは2回目ですが、今回のように少人数の舞台で出させていただくのは初めてです。前回は大人数の中のひとりみたいな感じでしたが、今回は作品のテイストもかなり違うので見える景色も違ってくると思います。どういう空気感の舞台になるのか、お客さんは果たしてどういうリアクションを返してくれるのか、とても楽しみです。

――現時点ではビリーという役柄を、どう演じようと思われていますか。

ビリーは不器用で口下手なんですけど、まっすぐで行動力のある青年。そして、とても繊細なところがあるんです。その繊細な部分というのは、キャパの大きい劇場であればあるほど、表現するのは難しいと感じます。​繊細だからといって小さくお芝居していたら、後ろのほうの席のお客様には伝わらないかもしれないですし。かといって大きくやるとわざとらしくなって変だろうから、そこはうまい具合にお芝居のテクニックで、ビリーというキャラクターを演じつつ、意識していかないといけないところなのかもしれません。

――そう考えると、とても難しそうですね!

今までやったことがないキャラクターでもあるので、自分にとって大きな挑戦でもあります。だからこそ、やりがいにもつながっています。この役を演じることでまた成長したいですし、この作品が終わって次の現場に行った時にビリーから学んだことが使えたら、改めて「やって良かったな」と思えるでしょうし。とにかく今回はいろいろなことにチャレンジしていきたい。遠慮していても自分の成長にはつながらないので、大先輩たちに囲まれても負けずにどんどんぶつかっていったら、きっと何かが見えてくるはずだと信じてがんばります。

――では、最後に山本さんからお客様へ向けて、お誘いのメッセージをいただけますか。

全体としてはとてもエネルギッシュでパワフルなのですが、ビリーが出てくるシーンは急に落ち着いた雰囲気に変わる、そんな強弱がハッキリしていてとても観やすい作品だと思います。大原さんの歌はもちろんのこと、とてもエンターテインメント性が高くて、その上、人間の欲の部分と美しい部分とが両方描かれているので見応えもありますし。この作品の素敵な世界観を、ぜひ劇場に来て感じ取っていただけたらうれしいです​。

取材・文=田中里津子  写真撮影=中原義史

公演情報
『Little Voice(リトル・ヴォイス)』

■作:ジム・カートライト
■演出:日澤雄介(劇団チョコレートケーキ) 
■配役:
リトル・ヴォイス:大原櫻子
マリー・ホフ:安蘭けい
ビリー:山本涼介
セイディ:池谷のぶえ
ミスター・ブー/電話会社職員:鳥山昌克
レイ・セイ:高橋和也
 
■スタッフ:
翻訳:谷 賢一/音楽監督:扇谷研人/美術:原田 愛/照明:原田 保/音響:山本浩一/
衣裳:藤田 友/ヘアメイク:宮内宏明/振付:川崎悦子/歌唱指導:花れん/ 演出助手:和田沙緒理/舞台監督:齋藤英明、八木 智
 
<東京公演>
■日程:5月15日(月)~5月28日(日)
■会場:天王洲 銀河劇場
■主催:ホリプロ/フジパシフィックミュージック 企画制作:ホリプロ
問合せ:ホリプロセンター 03-3490-4949 (平日10:00~18:00/土10:00~13:00/日祝 休)
 
<富山公演>
■日程:6月3日(土) 18:30 、6月4日(日) 13:00
■会場:富山県民会館 大ホール
■主催:イッセイプランニング/富山テレビ放送
■問合せ:イッセイプランニング 076-444-6666 (平日 10:00-18:00)
 
<北九州公演>
■日程:6月24日(土) 12:00 /17:00
■会場:北九州ソレイユホール
■主催:RKB 毎日放送/キョードー西日本
■問合せ:キョードー西日本 092-714-0159
 
■公式ホームページ http://hpot.jp/stage/lv
 
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