光るロープと女性の美が織りなす幻想世界 『ロープアート2 アメージング企画展2017』をレポート
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「ロープアート」とは、ブラックライトで発光するネオンロープを用いて女性の美を追求するアート表現だ。このロープアートをテーマにした展覧会『ロープアート2 アメージング企画展2017 イリュミネーション&イリュージョン』がgallery2549で開催された(会期:2017年4月28日~5月8日)。主催は、ライト&ロープアーティストで写真家のDaiが代表を務めるアメージング企画。Daiが撮影した写真の展示に加えて、モデルを呼んでのライブパフォーマンスも行われた。本レポートでは、本展の紹介を通じてロープアートの魅力をお伝えしたい。
女性の美を追求するロープアート
Daiのロープアート作品
Daiのボディペイント作品
Daiは、ロープで女性の体形を整えて身体のラインを強調し、シルエットを出すことにこだわる。そこには、「女性の美しさを引き出したい」というDaiの強い思いがあるのだ。作品制作においては、Dai自身はあくまでも黒子であり、主人公は女性なのである。
Daiがアートに関心を持ったきっかけは、会社員時代に扱ったレーザー蛍光顕微鏡だ。細胞を光らせるこの装置からヒントを得たDaiは、生花を染色して光らせる実験をしたり、蛍光塗料を用いたボディペイントを行ったりしてきた。こうした試行錯誤の中で、ロープアートのパイオニアであるHajime Kinokoの作品と出会い、自らもロープアートの世界へと足を踏み入れたという。
ブラックライトを当てると発光する作品
プロジェクションマッピングとのコラボ
背面合掌と阿修羅像プロジェクションマッピング
アメージング企画として3回目の企画展となる『ロープアート2』では、背景に映像を映し出すプロジェクションマッピングとロープアートのコラボを実現した。会場では、1日2回のライブパフォーマンスが行なわれ、新たなアイデアを基にした作品がいくつも誕生した。たとえば、背面合掌したモデルに阿修羅像を映す試みは世界初である。
ロープアート体験の光景
Daiの作品は、男性だけでなく女性ファンをも魅了し、作品のモデルになることを自ら志願する女性も多い。取材時には、ロープアート体験を希望する女性が会場を訪れた。ロープを施された彼女は、美しいプロジェクションマッピングを背景に輝きを放つ。Daiは彼女の姿を撮影しながら、さらにロープを増やし、作品を完成させていく。
彼女は、ロープアート作品となった自分の写真を見せられて、「自分ではない自分になったみたいで楽しいです」と感想を述べた。Daiはロープアートを通して非日常を演出し、モデルが抱いている変身願望を充足させる。Daiの情熱とモデルの思いが共鳴したとき、美しい作品が生まれるのだ。
ロープを施すDai
女性が空を舞う、エアリアルロープアートへ
ベリーダンス
ロープドレス
アメージング企画は、企画展を開催するごとに進化している。さまざまなジャンルを取り入れながら、アートとしての可能性を模索しているからだ。『ロープアート2』では、ベリーダンサーのGayaをモデルに採用し、ベリーダンスとロープアートの共演を披露した。
ワイヤークラフトで型を作ってロープを編んでいく「ロープドレス」も、『ロープアート2』における新たな挑戦だ。ワイヤークラフトを飾り付けることによって、モデルの背中に羽を生やすなど、ロープだけでは実現し得ない表現が可能となる。ロープドレスは視覚的インパクトが強く、大規模なインスタレーションにも応用できるのが魅力だ。
妖精
エアリアルロープアート
「アメージング企画」代表のDai
Daiは、映画などの撮影で利用されるワイヤーアクションの要素をロープアートに取り入れたいと考えている。これは、ロープを纏った女性が空中でダンスする「エアリアルロープアート」の構想へとつながる。美しく空を舞う女性の姿を見られる日は近いだろう。
「今回の企画展ではコンテンツがかなり良くなりつつありますが、まだまだ一般の方々に認知してもらえていないのが現状です。そのため、今後は知名度を高めることに力を入れたいと思います。また、さらなるコンテンツの充実を目指して、さまざまな要素をロープアートに加えていくつもりです。パフォーマーやミュージシャンの方々とのコラボも考えています」とDaiは語る。ロープアートを追求する、アメージング企画の今後の展開に期待したい。
日時:2017年4月28日(金)~5月8日(月)
会場:Gallery2549
住所:東京都 新宿区中野区上高田2-54-9
http://amazing.x.fc2.com/ropeart2/