劇団EXILE・青柳翔インタビュー 戦わない『たたら侍』の魅力は「正義と正義のぶつかり合い」

2017.5.18
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青柳翔 撮影=岩間辰徳

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5月20日より公開の『たたら侍』は、戦国時代の島根・奥出雲の村を舞台に、生まれた時から伝説の鉄“玉鋼”をつくることを宿命づけられた男・伍介(青柳翔)が、葛藤や挫折を通して真の侍へと成長していく姿を描いた時代劇だ。EXILE HIROが初プロデュースを務めた作品でもある同作は、第40回モントリオール世界映画祭の最優秀芸術賞をはじめ、世界各国で19個の賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得ている。

主演の青柳翔は今作で、これまでの作品とは一線を画す“戦わない侍”を体現している。主演作『渾身 KON-SHIN -』の錦織良成監督と再びタッグを組み、AKIRA(EXILE/EXILE THE SECOND)、小林直己(EXILE/三代目J Soul Brothers)らとともに青柳が打ち出す、真のサムライ像とは何なのか? インタビューで語った。

 

刀を抜かない“たたら侍”のこだわり

青柳翔 撮影=岩間辰徳

――錦織監督は青柳さんと『渾身 KON-SHIN -』でご一緒されていますが、エグゼクティブ・プロデューサーのHIROさんと監督はどうやって出会われたのでしょう?

僕が『渾身 KON-SHIN -』で監督にお世話になって、その作品をご覧になったHIROさんが「監督と食事をしたい」とおっしゃって、食事をされたのがたぶん最初ですね。

――本当に作品が結んだご縁なんですね。『渾身 KON-SHIN -』は『HiGH&LOW』の前ですが、『たたら侍』自体も『HiGH&LOW』より前に企画が立ち上がってるんですよね?

そうですね。『たたら侍』は今から2年ほど前から撮影が始まっていますので。​

――この作品は、いわゆるカッコいい侍が主人公ではなく、「本当の力とは何か」「伝統を守ることの大切さ」ということがテーマの作品ですね。青柳さん演じる伍介はその象徴でもある“戦わない侍”ですが、最初に脚本を読まれたときはどう思われました?

最初に脚本を読ませていただいたときは、伍介が最後にとるある行動に向けて、挫折して、失敗して……ということをどう表現するかに重きを置かなきゃいけないな、と思いました。伍介はスーパーヒーローではなくて、失敗を繰り返して、それでも立ち上がって一歩を踏み出す、みたいなところがあるので。これは色んな人に相談させてもらいつつ、演じなきゃいけないな、と。

――舞台の“たたら村”をまるごと作ったり、巨大な木造船を登場させたりと、全編にわたるこだわりもすごいと思いました。中でも“たたら吹き”(編注:劇中に登場する実在する鉄の精錬法)のシーンがすごく大変そうでしたね。

(たたら吹きの)操業は、1回目に見学、2回目に体験、3回目に実際に操業している中で、というかたちでスケジュールを組んでいただいて、撮影させていたきました。本当の操業のなかで撮影できたのは、すごく助かりましたね。

――すごく熱そうだったのですが、やけどなどしませんでしたか?

熱いです。最初は軽いやけどをすることもありましたが、大きな事故はなかったです。操業については、「大きな火に立ち向かっていくことで“玉鋼”が出来上がっていく」と村下(むらげ)(編注:たたら作業の技術責任者​のこと)の方やスタッフさんに聞いていたので、いいシーンにするべく取り組みました。

――伍介は脚本どおりのキャラクターだったのでしょうか?

脚本どおりだったと思います。セリフの語尾のニュアンスだったり、ちょっとしたこと(アレンジ)は現場でやりましたけど、主は変わってないですね。

青柳翔 撮影=岩間辰徳


――伍介はすごく等身大の人物ですよね。個人的には、AKIRAさん演じる尼子真之介が、暴走する伍介に命がけで道を示す関係が、『HiGH&LOW』の琥珀と九十九の逆パターンなのでグッときました。

ありがうございます(笑)。

――伍介が憧れる真之介や、小林直己さん演じる親友の新平は、立ち回りも多く、わかりやすいカッコよさのあるキャラクターですよね。そばで見ていていかがでしたか?

「僕もアクションやりたいな」とは思ったりはしていました(笑)。ただ、伍介も新平も真之介もいいキャラクターで、それぞれにいいところがあると思うんです。伍介は伍介なりにやるべきことはあったので、歩くシーンや、最後に向けての気持ちの流れを考えながらやらせていただきました。

――伍介が初めて戦場に出て、刀を抜かずに“刀に救われる”シーンが印象的だったのですが、あそこでもアイデアは出されたんでしょうか?

そうですね。錦織監督が「神聖な村下になる者は人を斬ってはいけない」という思いをお持ちだったので、今回は「刀を抜かない」ということがテーマのひとつなんです。「自ら敵に向かうのではなく、攻められたところでちょっと抜いてしまう」ということを、アクション監督(編注:飯塚吉夫氏。『スーサイド・スクワッド』スタントなどハリウッドを中心に活動)や監督とお話しをして、そこに向けて作っていました。

――一つひとつのアクションにも意味があるんですね。伍介はあまり戦わないのですが、ほかのシーンで何回か美しい太刀筋を披露されていたので、練習はかなりされたんだろうな、と思いました。

木刀なども稽古で教えてもらいつつ、朝、昼と稽古をつけていただきました。時間的には余裕があるなかで撮影させていただいたのがありがたかったです。

――かなり長い期間を使って撮影されているんですよね。

構想と撮影期間をあわせて3年ぐらいは使っています。僕自身は約3ヶ月近くの撮影期間でした。​

 

 

“正義と正義のぶつかり合い”が作品の魅力

青柳翔 撮影=岩間辰徳


――AKIRAさんとは、『HiGH&LOW』『たたら侍』と、かなり近い距離でお芝居をご一緒されていますが、お互いに意識することはあるんでしょうか?

AKIRAさんとは、私生活でも食事などご一緒させていただくことも多いので、作品に対する取り組み方とか、現場での姿勢みたいなものはすごく学ばせていただいています。見習って、自分も現場でいい立ち居振る舞いをしなきゃいけないな、と思いますね。

――小林さんとの初共演はいかがでしたか?

直己さんは、新平が見ていたであろう景色だったり、新平が住んでいたであろう家とかを、なるべく記憶に刻んでいくという姿勢なんです。それは僕自身もよくわかるので、すごく共感していました。

――小林さんが演じる新平は本作の「伝統を守る」というテーマのひとつを象徴する人物です。村を改革しようとする伍介との関係が対照的でした。

そうですね。伍介の「村下になっても周りの人は守れないんじゃないか」という思いも正義ですし、新平の「伝統を守って銃社会を受け入れない」という姿勢も正義だと思うんです。その、正義と正義のぶつかり合いみたいなものが、この映画の魅力なんじゃないかと思っています。

青柳翔 撮影=岩間辰徳


――たたら吹きという伝統がある島根だからこそできたテーマですね。青柳さんは『渾身』から引き続いて島根と接してらっしゃいますが、土地の魅力なんかもかなりわかってきたのでは?

島根県には前作の『渾身 KON-SHIN -​』も含め、とてもお世話になっています。食べ物もおいしいし、景色も奇麗ですし、温かく迎えてくれる島根県民の皆さんには、本当に支えられました。どこもそうだとは思いますが、人が思いやりを持って暖かく接してくれるのが島根県の大きな魅力のひとつだと思います。

――今年は『たたら侍』で国際映画祭に参加して主演男優賞を獲得したり、SABU監督の『Mr Long/ミスター・ロン』ではベルリン映画祭にも参加されましたが、さらなる目標はありますか?

今はまだ何も成せていないので……日本で色んな俳優さんたち、色んな監督さんと出会って、一歩一歩成長していくのが自分の目標かな、と。賞を頂けたのは素直に嬉しいですけど、賞だけがすべてではないので、色んな人に観ていただけるようにこれからも頑張りたいと思います。

映画『たたら侍』は5月20日(土)より、全国公開。

インタビュー・文=藤本洋輔 撮影=岩間辰徳 スタイリスト=松川総(TRON) ヘアメイク=鵜飼雄輔(TRON)

プレゼント情報
青柳翔サイン入り『たたら侍』プレス 1名様に

青柳翔 撮影=岩間辰徳

 
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作品情報
映画『たたら侍』

監督・脚本:錦織良成

エグゼクティヴ・プロデューサー:EXILE HIRO
出演:青柳翔、小林直己、田畑智子、石井杏奈、
高橋長英、甲本雅裕、宮崎美子、品川徹、でんでん、氏家恵、橋爪遼、安部康二郎、
菅田俊、音尾琢真、早乙女太一、中村嘉葎雄、佐野史郎、豊原功補、山本圭、笹野高史、
AKIRA/ 奈良岡朋子 / 津川雅彦
配給:LDH PICTURES
 
【あらすじ】
​1300年の時を経て今日まで伝わる、唯一無二の鉄「玉鋼」を生み出す技「たたら吹き」。伝説の地・奥出雲でその伝統を守ることを宿命づけられた男が、侍にあこがれて旅に出た。のちに人はその若者を「たたら侍」と呼んだ。日本伝統の匠の技と気高い精神を継承することの大切さを、美麗で雄大な映像と共に描き出す。戦乱の世に、ひとりの未熟な青年が過ちを繰り返しながら生きる道を探し続ける物語。
公式サイト:tatara-samurai.jp 

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