日本初演30周年記念作品ミュージカル『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

2017年5月25日（木）、東京・帝国劇場にてミュージカル『レ・ミゼラブル』本公演初日の幕が開いた。同日同会場にて初日会見が行われ、出演の福井晶一、吉原光夫、知念里奈、昆夏美、生田絵梨花（乃木坂46）、森公美子が出席した。

原作を書いたのはフランス文学の巨匠ヴィクトル・ユゴー。自身の体験を基に、19世紀初頭のフランスの動乱を描いた作品である。1985年にイギリスにて初上演、日本では1987年に帝国劇場にて初上演。それ以降も上演を重ね、2015年9月時点では東宝演劇史上最多の3,006回という上演回数を誇る。全世界での観客数も6,500万人を動員しており、演劇史を代表する作品。今作は日本初演30周年記念公演となる。

1815年ツーロン。19年間牢獄されていたジャン・バルジャン（福井）は、ジャベール（吉原）から仮出所を命じられる。刑務所に戻ることなく、教会で銀の食器を盗もうとしたバルジャンは、司教に人のあり方を諭され、過去を捨てて生きようと決意。8年後、バルジャンはマドレーヌと名前を変えて市長として生きていた。そして、その街にジャベールがやってきた……。

初日囲み会見では出演者が意気込みについて語った。

ジャン・バルジャン役を演じる福井は「いよいよ今日『レ・ミゼラブル』の幕が上がります。今年は日本初演30周年ということで、日本のみなさんにこれだけ愛され続けてきた作品と思うと嬉しく思っております。先輩方が築き上げてきたもの、繋いできたバトンをしっかりと守っていきたいと思います」と話す。

ジャベール役を演じる吉原は「30周年ということで、改めて感動しますし感慨深いなと思います。30年間たくさんのキャストやお客さん、いろいろな方々が携わってくれて、ここまで築き上げてくれたものに負けないように、でも意識はしすぎないように、冷静に淡々とやっていきたいと思います」と気を引き締めていた。

ファンテーヌ役を演じる知念は「『レ・ミゼラブル』日本初演30周年記念公演です。ファンの方々、歴代の作品を繋いでくださったキャストのみなさんへ、お祝いと喜びの気持ちでいっぱいです。特別な想いで演じていきたいと思います」と話した。

エポニーヌ役を演じる昆は「日本だけではなく世界中で愛されている作品で、上演されるたびに新しい演出や表現方法が増えていて常に進化を止めない作品だと思っております。30周年という先輩方が築き上げてきた歴史と、2017年の『レ・ミゼラブル』。両方の『レ・ミゼラブル』を楽しんでいただけたらなと思います」と語った。

マダム・テナルディエ役を演じる森は「30年間同じことを同じ音楽で見せるのですが、愛がテーマの作品をますます育んでいけるように、30周年に向かって素晴らしい作品になっています。30周年の『レ・ミゼラブル』にぜひ触れていただきたいと思います」。とコメント。

コゼット役を演じる生田は「30周年という歴史ある作品に参加させていただけることを本当に幸せだと思っております。先輩方が築き上げてくださったものをしっかり受け継ぎながらも、新しい空気感を出していけるように頑張れたらと思います」と挨拶。

乃木坂46でもある生田は現役のアイドル。キスシーンについては「ファンの方々も作品にのめり込んでくれると思うので、心配はしていません」とコメントした。

また乃木坂のメンバー仲間について「既にプレビュー公演を何人も見に来てくれてすごく感動してくれていました。今までミュージカルを観たことがなかったり、『レ・ミゼラブル』を観劇しようと思ったけどきっかけがつかめなかったという方々が（私を観るために）来てくださっているので、すごく嬉しいです」とのこと。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』は5月25日（木）～7月17日（月・祝）まで東京・帝国劇場にて上演される。

取材・文・撮影／鈴木 唯