現代美術の視点から見た『Reborn-Art Festival 2017×ap bank fes』の見どころは

コラム
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2017.6.9
Reborn-Art Festival 2017 × ap bank fes

Reborn-Art Festival 2017 × ap bank fes

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小林武史と桜井和寿(Mr.Children)らBank Bandがホストを務める、『ap bank fes』。2011年の東日本大震災から4年間の休止期間を経て、昨年『Reborn-Art Festival』とのコラボレーションで復活したことは記憶に新しい。

そして今年は、7月28日(金)~ 30日(日)の3日間、宮城県・国営みちのく杜の湖畔公園で『Reborn-Art Festival 2017 × ap bank fes 』が開催される。チケットはいずれも、 7月22日(土)から宮城県石巻市・牡鹿半島を中心に51日間にわたって繰り広げられるアート・音楽・食の総合祭『Reborn-Art Festival 2017』のパスポート付きとなっている。果たしてこの『ap bank fes』と『Reborn-Art Festival』のコラボはどのような意義をもち、そしてどのようなところに見どころがあるのだろうか。

テーマは「東北の再生」

この総合祭のテーマは、一言でいえば「東北の再生」だ。震災で約3,000人が亡くなるなど、甚大な被害を受けた石巻市。その傷跡は、津波のような物理的なダメージとしてはもちろん、多くの人々の心にも生々しく刻みこまれただろう。しかし、そんな東北の地も、震災から6年を経て生まれ変わりつつある。

アートフェスの舞台となるのは、石巻市街地と、牡鹿半島の桃浦・荻浜、そして鮎川の3エリアだ。特に、本芸術祭の中心地となる牡鹿半島には、人の手が加えられていない自然が多く残されている。ここに国内外40組のアーティストが作品を展開するのだが、約8割が屋外展示という、ユニークなスタイルとなっている。

2016年開催の様子

2016年開催の様子

2016年開催の様子

2016年開催の様子

2016年開催の様子

2016年開催の様子

近年では「ベネッセアートサイト直島」を筆頭に、地域とアートを結びつけ、町おこしや文化振興を推進する試みが活発になってきている。また、アート要素が加味されている音楽フェスも珍しくはない。しかし、今回のように、大型フェスがアートイベントと全面的にコラボレーションする例はそれほど多くないだろう。普段はあまりアートに触れる機械のないような音楽ファンが、フェス参加のために東北を訪れ、道すがらアート展示にも足を運ぶ。すると、地域の活性化によって「東北の再生」につながるのみならず、参加者の創造性にも新しい風を吹き込むこととなるのだ。主催の小林武史も、「旅をするということ、旅をして日常とちょっと離れたとこでなにかを体験するということが、その人の価値観を変えることもある」、「旅自体がひとつのアート」と語っている。(参考:Reborn-Art Festival公式サイト

イベントタイトル「Reborn-Art」の「Art」は単純に「アート」のみを示すのではなく、「人が生きる術(Artの語源であるArs)」という意味も含まれている。東北民だけでなく、フェスに訪れる一人ひとりがそれぞれ生きる術を取り戻せればという願いも込められているのだ。

音楽とゆかりのある参加アーティストたち

Reborn-Art Festival2017』には、世界中に名をとどろかせる有名作家から気鋭の新人にいたるまで、さまざまなアーティストが名を連ねている。その中でも、特に音楽とのつながりが色濃いアーティストを紹介したい。

ナムジュン・パイク(1932-2006)

現代美術ファンにとっては説明不要の大御所、ナムジュン・パイク。“ビデオアートの父”と呼ばれる彼は、映像を用いたメディアアートの先駆者だ。また、フライブルグ音楽院で作曲を学んだ経歴もあり、音楽への造詣も深い。本イベントに名を連ねているヨーゼフ・ボイス(1921-1986)とも親交が深く、1960年代からともにフルクサス(1960年代に生じた前衛芸術運動)に身を投じていた。没後の作家のため、今回はおそらく過去作の展示となるだろう。

 

カールステン・ニコライ(1965-)

ドイツ人アーティストのカールステン・ニコライは、「アルヴァ・ノト(Alva Noto)」名義でミュージシャンとしても活動している。過去には、ap bankの発起人の一人である坂本龍一とのコラボレーションのほか、電子音楽家として名高い池田亮司とのユニット「cyclo.」でアルバムリリースも。ap bank fesには比較的ポップなアーティストが多いが、カールステン・ニコライの世界観は非常にミニマルだ。自然科学的な法則に影響を受けて、グリッドやコードといった数学的なパターンを使用した作品は、東北の自然とどのように融合するだろうか。

 

ブルース・ナウマン(1941-)

先ほどのナム・ジュン・パイク同様、ビデオなどの様々なメディアを駆使して作品を手掛けるブルース・ナウマン。奇抜な発想で絶えず社会にメッセージを発信し続けてきた彼は、青年時代から音楽にも親しんでいた。ほぼひたすら音階をなぞるだけの《For beginners》(2010)といった楽譜の作品も制作している。

今後さらなる追加アーティストも

上記で紹介したほかにも、オフィシャルグッズデザインを担当した増田セバスチャン、鈴木康広などにも注目だ。また、今後もさらなる追加アーティストも発表されるとのことで、引き続き注視していきたい。

イベント情報
『Reborn-Art Festival 2017 × ap bank fes』
日程 2017年7月28日(金)、29日(土)、30日(日)
時間 開場 9:00(予定)/開演 12:00(予定)/終演 20:00(予定)/閉園 21:00(予定)
場所 国営みちのく杜の湖畔公園(宮城県柴田郡川崎町大字川内字向原254)
出演 Bank Band      and more…
チケット Reborn-Art Festival 2017 × ap bank fes 入場券(アートパスポート1日券付)
3日券ーーー¥28,000(税込) / 2日券ーーー¥19,500(税込) / 1日券ーーー¥11,000(税込)
※Reborn-Art Festival 2017 × ap bank fes の入場券に
Reborn-Art Festival 2017のアートパスポート1日券がセットになったチケットです。

『Reborn-Art Festival 2017』
日程 2017年7月22日(土)~9月10日(日) / 期間:51日間
会場 宮城県石巻市(牡鹿半島、市内中心部)
提携会場 松島湾(塩竈市、東松島市、松島町)、女川町
主催 Reborn-Art Festival実行委員会 / 一般社団法人APバンク
共催 宮城県 / 石巻市 /塩竈市/東松島市/松島町/女川町/ 株式会社河北新報社 /東日本旅客鉄道株式会社 仙台支社 / ヤフー株式会社
特別協力 日本製紙株式会社
協力 株式会社日本政策投資銀行
協賛 キリン株式会社/ 住友林業株式会社 /  トヨタ自動車株式会社
後援 TBC東北放送/OX仙台放送/ミヤギテレビ/KHB東日本放送/ブリティッシュ・カウンシル / ドイツ連邦共和国大使館 / 在日フランス大使館 アンスティチュ・フランセ日本

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