【動画あり】吉田鋼太郎・柚希礼音らが子役たちとパフォーマンス披露 『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』

2017.6.14
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レポート
舞台

フォトセッション(手前左から、加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城 力/奥左・吉田鋼太郎、右・柚希礼音) (カメラマン:田中亜紀)


2017年7月にいよいよ日本初演の幕が上がるミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』。開幕がおよそ1か月半後に迫った6月10日、東京都内でパフォーマンスのお披露目会が報道向けに行われた。その様子とお披露目後の会見の様子を、動画や写真と共にお伝えする。

「私たちは日本のパフォーマーの標準の高さに驚いています。そしてみなさんの努力を披露できることを誇りに思います」と話すのは『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』のアソシエイト・ディレクターであるサイモン・ポラード。この日は、サイモンが解説を加えながら、全3場面が披露された。

1曲目は「シャイン(Shine)」。バレエ講師のウィルキンソン先生(柚希礼音)と9人のバレエガールズが、レッスンの様子をパワフルかつコミカルに踊り歌うナンバーだ。レッスンに紛れ込んでしまったビリーを今回は前田晴翔が演じた。柚希のキレのある動きはまさにあのウィルキンソン先生そのもので、貫禄たっぷり。9人のバレエガールズは、レッスンを精一杯受けている様子を表情豊かに演じきっていて、可愛らしかった。

 

シャイン(中央奥・柚希礼音) (カメラマン:田中亜紀)

2曲目は「ソリダリティ(Solidarity)」。ストライキを掲げる炭鉱夫たちと警官の衝突、その一方で子供たちがバレエレッスンに励む様子を巧みに混ぜ合わせた、迫力あるナンバーだ。この楽曲はビリーが練習を重ねてバレエの回転技であるピルエットを回れるようになる様子も同時に描かれており、ビリーにとって大きな見せ場の一つと言っていい。ここでは加藤航世がビリーを演じた。

ソリダリティ(左・柚希礼音、中央・加藤航世、右・吉田鋼太郎) (カメラマン:田中亜紀)

続いて、ビリーの父さん(吉田鋼太郎)が、ビリーが隠れてバレエを習っていたことを知って怒るシーン。吉田は方言を交えるなどの工夫を凝らしながら「頑固な親父」を熱演。ミュージカル出演2回目だが、俳優としての厚みを存分に発揮させていた。

 

父さんにバレる(左・吉田鋼太郎、右・加藤航世) (カメラマン:田中亜紀)

最後に披露されたのは「エクスプレッシング ユアセルフ(Expressing Yourself)」。バレエのオーディションを勧められ悩むビリーを、親友のマイケルが「自分を貫くことが大事さ」と歌と軽快なタップダンスで勇気付けるナンバーだ。今回は特別にビリー役の5人(加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力)とマイケル役の4人(古賀瑠、城野立樹、持田唯颯、山口れん)の計9人全員が一斉にタップダンスを披露。一糸乱れぬステップは、これまでの相当な練習量を思わせた。これからの成長も期待したい。

 

エクスプレッシング・ユアセルフ(5人のビリー&4人のマイケル) (カメラマン:田中亜紀)

パフォーマンス後、ウィルキンソン役の柚希礼音と父さん役の吉田鋼太郎が囲み取材に応じた。

−−パフォーマンスを終えられての感想は。

吉田 子供たちは1年半レッスンを重ねてきたけれども、まだまだ発展途上です。毎日とても厳しいレッスンをしていますが、弱音を吐かず真っ直ぐに取り組んでいます。大変なはずなのに嬉々としてレッスンを重ねている様子にとても心を打たれます。

柚希 子供なのにプロだなと感じることが多いです。芝居、歌、ダンスと毎日のスケジュールがすごいことになっているんですけど、目標もしっかりしていて、本当に尊敬しています。

−−お二人とも、子役たちと一緒にミュージカルなど舞台をやることは今まであまりありませんでしたよね。

吉田 はい。踊りや歌のレッスンというのはある程度時間をかければ、ある程度のところまで行くんでしょうけれども、お芝居の部分の稽古はまだまだ必要かなと思います。芝居というのは人それぞれのセンスもあるでしょうし、どこまでやっていいのかというのを実感として子供たちはまだ分かっていないでしょう。今ご覧いただいた場面でも、「お父さんのわからずや!」と本当に心から思って言っていないかもしれない。お芝居の精度を上げることで、踊り・歌・芝居が三位一体となる。これから頑張っていきたいです。

柚希 こんなにたくさんの子供たちと一緒にいることは、なかなかないですけど……。子役なのに可愛い子ぶりっこしていないところが好きです(笑)。一人一人すごい顔をしていたり、いい面も悪い面も全部出すから感動するのかなと。『ビリー・エリオット』の作品自体がそういう演出になっている。子供たち一人一人個性があって、その細かいところまで観ていただけたら、より楽しんでいただけるかなと思います。

取材に応じる吉田鋼太郎と柚希礼音

−−休憩時間には子役の皆さんと絡んだりするのでしょうか。

吉田 できる限り絡もうとはしていますが、タイトでハードな稽古スケジュールが組まれているので、あまりプライベートな話をする時間が取れなくて。でも本当は必要なのかなとは思っているんですよ。

−−3ヶ月半というロングラン公演ですが、体調管理は大変なのでは。

吉田 ありがたいことにWキャストなので……だからと言って体調管理しないわけじゃないんですけどね(笑)。ちょっと今日調子悪いから、明日(Wキャストの)益岡徹さんお願いします、なんて言えないですし(笑)。公演全体で約130ステージ。半分ずつに分ければ65ステージくらいを僕自身が演じる。こんなステージ数ってあんまりないんですよ。しかも暑い中ですから。なるべくお酒を控え、睡眠もちゃんととり、体調管理をしっかりしていきたいと思います。

柚希 宝塚歌劇団時代の演目も長い方でしたけど、それでもこんなに長い公演はやったことがないです。Wキャストとはいえ、3か月半本番があるというのは初めてのことなので、しっかり過ごしたいと思います。

取材に応じる柚希礼音

−−海外のクリエイターチームの印象はどうですか。

吉田 本当にプロです。日本人的な「ちょっとここまでにしませんか」というのはなくて、その日に決められた課題は必ずやり切る。なので大変ですね。大変ですけれども、やってることが着実に実になって、次の日は次の段階に行ける。合理的で、すごいなと思いますね。

−−厳しいですか、優しいですか。

吉田:笑いながらも厳しいですね(笑)。

−−何がが飛んできたりとはないですか(笑)。

吉田:それはないです!それはない。最近はそのやり方が懐かしいですけれど(笑)。

−−柚希さんはいかがですか。

柚希 やっぱり世界各国で『ビリー・エリオット』を作ってこられたので、細かいことや時間にもきっちりしていて、とても新鮮です。

−−お二人は共演が初めてだと思うんですが、お二人のお互いの印象は。

吉田 僕は3本ほど舞台を拝見している。なんて華がある人なんだろうと思っていました。しかも可愛い。人気があるのも頷けます。性格もとてもオープンで、初めてお会いした時から10年来の友達のような気分にさせてくれる人です。本当に。大好きです。

取材に応じる吉田鋼太郎

柚希 これが噂の吉田鋼太郎さんだと思いましたが(笑)、とても親しみやすく、お話しさせていただきました。初めてお芝居を合わせた時は、父親が家に来るところのシーンだったのですが、圧倒されて何もできなかったです。演出の人からも「吉田鋼太郎さんにビビらないで、圧倒されないで」と言われるぐらい、あまりの迫力とお芝居に何にもできず、反省しました。なので今日は吉田さんの圧と熱さに負けずにやるぞと思いながら発表会に臨みました(笑)。

−−吉田さんはミュージカル2回目なんですよね。いかがですか。

吉田 1回目よりは心開いていますけどね。まだやっぱりハードルの高いところはたくさんあります。飲みに行く時間もないぐらいハードです。まだ柚希さんとも飲んでいないよね。

柚希 そうなんですよ。ぜひお願いします。

−−最後に一言お願いします。

吉田 世界各国で上演され、たくさんのお客様を動員して、さらにたくさんの賞を獲得したミュージカルですが、稽古をしていると、本当に子供たちの情熱を感じますし、周りの大人たちも子供たちに触発されながらものすごいものを創っているんだなという実感があります。大人も子供も主張を持っていて、それをすごく高いテンションでぶつけ合って、それが歌やダンスやお芝居を通じて劇場を満たして、最終的にはビリーが自分の未来に向かって飛び出していく。観終わった後に「明日から頑張ろう」と必ず思えるお芝居だと思うので、ぜひそれを確かめに劇場に足を運んでいただきたいと思います。ミュージカル嫌いな僕がお勧めする、「絶対俺も観る」と言うミュージカルです(笑)。

柚希:本当に日本で『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』が上演できるということはすごいことです。ビリーの5人が、それぞれに良さがあります。どのビリーも絶対観ていただきたいので、5回は観ないといけないんじゃないかなと思います(笑)。皆様、ぜひ楽しみにいらしてください。

 

取材・文=五月女菜穂

公演情報
ダイワハウスpresents ミュージカル 『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』
 
<プレビュー公演>
■公演期間:2017年7月19日(水)~7月23日(日)
■会場:TBS赤坂ACTシアター
■料金(全席指定、消費税込):S席12,500円、A席8,500円
 
<東京公演>
■公演期間:2017年7月25日(火)~10月1日(日) 全100回(プレビュー公演含む)
■■会場:TBS赤坂ACTシアター
料金(全席指定、消費税込):S席13,500円、A席9,500円
 
<大阪公演>
■公演期間:2017年10月15日(日)~11月4日(土) 全26回
■会場:梅田芸術劇場 メインホール
■料金(全席指定、消費税込):S席13,500円、A席9,500円、B席5,500円
 
の問い合わせ>
ホリプロセンター   03-3490-4949(平日10am~6pm/土10am~1pm/日祝・休)
 
<キャスト>
加藤航世 木村咲哉 前田晴翔 未来和樹 山城力/吉田鋼太郎 益岡徹/柚希礼音 島田歌穂
久野綾希子 根岸季衣/藤岡正明 中河内雅貴/小林正寛/栗山廉(Kバレエ カンパニー) 大貫勇輔
 
森山大輔 家塚敦子 大塚たかし 加賀谷真聡 北村 毅 佐々木誠 高橋卓士 辰巳智秋 橋本好弘 羽鳥翔太 原慎一郎 丸山泰右 横沢健司 木村晶子 小島亜莉沙 竹内晶美 三木麻衣子 秋山綾香 井上花菜 出口稚子
 
古賀 瑠 城野立樹 持田唯颯 山口れん 香好 佐々木琴花 夏川あさひ
遠藤美緒 大久保妃織 小野梓 久保井まい子 佐々木佳音 高畠美野 近貞月乃 並木月渚 新里藍那 堀越友里愛 小溝 凪 笹川幹太 山城 力 岡野凜音 菊井凜人 桜井 宙
 
<ロンドンオリジナルスタッフ>
■脚本・歌詞:リー・ホール
■演出:スティーヴン・ダルドリー
■音楽:エルトン・ジョン
■振付:ピーター・ダーリング
■美術:イアン・マックニール
■演出助手:ジュリアン・ウェバー
■衣裳:ニッキー・ジリブランド
■照明:リック・フィッシャー
■音響:ポール・アルディッティ
■オーケストレーション:マーティン・コック
 
<日本公演スタッフ>
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
演出補:甲斐マサヒロ
振付補:前田清実
音楽監督補:鎮守めぐみ
歌唱指導:山川高風
照明補:大島祐夫
音響補:山本浩一
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク:前田節子
擬闘:栗原直樹
演出助手:西祐子、伴・眞里子
舞台監督:徳永泰子
技術監督:小林清隆
プロダクション・マネージャー:金井勇一郎
 
<コーチ協力>
バレエコーチ:K-BALLET SCHOOL
タップコーチ:Higuchi Dance Studio
アクロバットコーチ:コナミスポーツクラブ
 
■主催:TBS / ホリプロ/ 梅田芸術劇場 /WOWOW/MBS(大阪公演のみ)
■Billy Elliot the Musical worldwide is produced worldwide by Universal Stage Productions, Working Title Films and Old Vic Productions and is based on the Universal Pictures/Studio Canal film.
■特別協賛:大和ハウス工業株式会社
■協賛:Obagiイープラス 極東証券 こだま印刷 ジェイワールドトラベル

 
■日本公演公式サイト:http://www.billyjapan.com/
■日本公演公式ツイッター https://twitter.com/Billy_Japan
■日本公演公式フェイスブック https://www.facebook.com/BillyJapan
 
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