轟音とともに叩きつけたバンドの闘志――9mm Parabellum Bullet ホールツアー緒戦

レポート
音楽
2017.6.15
9mm Parabellum Bullet 撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)

9mm Parabellum Bullet 撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)

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9mm Parabellum Bullet “TOUR OF BABEL” 2017.6.11 神奈川県民ホール 大ホール

ステージと客席の間に幕を下ろしたまま、演奏がスタート。1曲目は『BABEL』からの「ロング・グッドバイ」。演奏するメンバーのシルエットを、幕に浮かび上がらせたまま、「ロング・グッドバイ」を演奏しきった刹那、幕が切って落とされた時のインパクトと言ったらもう!

9mm Parabellum Bullet 撮影=西槇太一

9mm Parabellum Bullet 撮影=西槇太一

今回のツアーは、菅原卓郎(Vo, G)を中心に上手にかみじょうちひろ(Dr)、下手に中村和彦(B)が横一列に並んだ後ろにサポート・ギタリストである武田将幸(HERE)と為川裕也(folca)の2人という立ち位置になることは、あらかじめ聞いてはいたものの、まさかこういうステージになっていたとは(それはできるかぎり、自分の目で確かめていただきたい)。予想もしていなかった光景がいきなり目の前に広がったものだから、おおっと思わず身を乗り出してしまったが、演奏が始まってから幕を切って落とすという演出は、まずはそこで驚かせたかったからに違いない。

9mm Parabellum Bullet・菅原卓郎 撮影=西槇太一

9mm Parabellum Bullet菅原卓郎 撮影=西槇太一

ライブ活動を休んでいる滝 善充(G)の穴を埋めるのではなく、そんな状況を逆手に取って、“9mm愛”にあふれた2人のサポートギタリストによるアンサンブルを見せることも今回のツアーの見どころの一つだったことを考えれば、そんな2人の姿がちゃんと見えるようにステージセットを立体的に作ったのは当たり前と言えば当たり前。惜しむらくはギターをプレイする2人の手元を見るには照明が暗すぎたか。いや、それは言いがかり以外の何物でもない。

9mm Parabellum Bullet・中村和彦 撮影=西槇太一

9mm Parabellum Bullet・中村和彦 撮影=西槇太一

ともあれ、MCも挟まずに2曲目、3曲目とたたみかけたところで、大半の観客がピンと来ていたはずだが、バンドはこの日、『BABEL』の全10曲を曲順通りに披露。「眠り姫」他で為川がアコースティック・ギターを弾いたり、ツイン・リードをハモらせたり、ギター3本で轟かせた爆音で観客の度肝を抜いたりしながら、『BABEL』 で印象づけたバンドの健在ぶりを、今一度、アピールしてみせた。

9mm Parabellum Bullet・かみじょうちひろ 撮影=西槇太一

9mm Parabellum Bullet・かみじょうちひろ 撮影=西槇太一

「傍から見たら、アルバムを作れんのか?という状況で、『BABEL』のような(完成度の高い)作品を作れたことを誇りに思う」と、この日、菅原は語ったが、その『BABEL』を音源とはまた違う形で再現する今回の挑戦を、ホールでじっくりと聴いてほしいという想いは、1曲目から総立ちになりながらもどこか固唾を呑んでいるようにも感じられた客席を見るかぎり、しっかりと伝わっていたんじゃないか。それとも、不屈の闘志を歌った「火の鳥」でレッドゾーンに振りきった鬼気迫る菅原のボーカルをはじめ、バンドの気迫に気圧された?!

武田将幸(HERE) 撮影=西槇太一

武田将幸(HERE) 撮影=西槇太一

しかし、「OUTSIDE OF BABEL」と題した第二部では、そんなムードが一変。菅原曰く“『BABEL』とつながりを感じた”という新旧の代表曲の数々を次々に繰り出すバンドの熱演に観客は狂喜乱舞。体を激しく揺らしながら、手を振り、手を叩き、ステップを踏み、声を上げ、一緒に歌いながら、ライブハウスと変わらない盛り上がりを作り上げた。

為川裕也(folca) 撮影=西槇太一

為川裕也(folca) 撮影=西槇太一

この日、菅原は「『BABEL』がみんなに力を与えるアルバムになったらいいと思う」と言ったが、バンドの熱演もさることながら、その一言を聞けたことがもしかしたらこの日一番の収穫だったかもしれない。『BABEL』は、9mm史上最大の危機に直面しながら、自分達がいかに戦い抜くかということを歌ったアルバムだったわけだが、それをライブで再現したいま、自分達がファンの力になれると思えたということは、9mm Parabellum Bulletは大丈夫だと確信できたということだろう。

9mm Parabellum Bullet 撮影=西槇太一

9mm Parabellum Bullet 撮影=西槇太一

「露骨にがんばれとは言わないけど、心の底からみんなを応援しています。(日々の暮らしの中で)挫けそうになったら(9mmの)ライブに来てください」と客席に語り掛けた菅原の言葉は、これからも戦いつづける自分達と一緒に戦いつづけよう。自分達がまずそれを見せるから、というメッセージにも思えた。

「LIVE OF BABEL(第一部)」「「OUTSIDE OF BABEL(第二部)」と題した二部構成のライブは、バンドの健在をアピールした『BABEL』の再現だけに止まらず、バンドの未来も提示してみせたのだった。


取材・文=山口智男 撮影=西槇太一、橋本塁(SOUND SHOOTER)

9mm Parabellum Bullet 撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)

9mm Parabellum Bullet 撮影=橋本塁(SOUND SHOOTER)

ツアー情報
9mm Parabellum Bullet "TOUR OF BABEL" 
※終了分は割愛
6月18日(日) 神戸国際会館こくさいホール [神戸]
6月25日(日) 日本特殊陶業市民会館(ビレッジホール)  [名古屋]
【横浜/神戸/名古屋公演】
全席指定5,800円(税込)
チケット発売中

オフィシャルモバイサイト[9mm MOBILE]会員限定ライブ
9mm Parabellum Bullet"TOUR OF BABEL Ⅱ"

7月2日 (日) 昭和女子大学人見記念講堂 [東京]
※チケットSOLD OUT 

 

リリース情報
7th Album『BABEL』
発売中
『BABEL』

『BABEL』

[CD]
1.ロング・グッドバイ
2.Story of Glory 
3.I.C.R.A 
4.ガラスの街のアリス 
5.眠り姫 
6.火の鳥 
7.Everyone is fighting on this stage of lonely 
8.バベルのこどもたち 
9.ホワイトアウト
10.それから
[DVD]
・「TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”」 16.11.05 At 豊洲PIT
1.太陽が欲しいだけ
2.Discommunication
3.モーニングベル
4.インフェルノ
5.ロンリーボーイ
6.スタンドバイミー
7.反逆のマーチ
8.Lost!!
9.The Revolutionary
10.生命のワルツ
11.Talking Machine
 ・ボーナストラック「BABEL」レコーディングドキュメンタリー

[スコアブック]
メンバー監修「BABEL」バンドスコア
【初回限定盤 Special Edition】CD+DVD+スコアブック/COZP-1326~8/¥6,481+税
【初回限定盤】CD+DVD/COZP-1308~9/¥3,333+税
【通常盤】CDのみ/COCP-39909/¥2,593+税
【アナログ盤】LP+ダウンロードカード/COZA-1320~1/¥3,333+税
※収録内容はCDと同様
■「BABEL」スペシャルサイト
http://9mm.jp/7th_album

9th Single「サクリファイス」
発売中
「サクリファイス」

「サクリファイス」

[収録曲]
1.サクリファイス(TVアニメ「ベルセルク」第2期オープニングテーマ)
2.午後の鳥籠
3.インフェルノ Live Track From TOUR 2016 ”太陽が欲しいだけ”16.10.30 at Zepp Namba
CD:GNCA-0498 ¥1,500+税
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