楠本桃子のゲームコラムvol.46 “最悪”の物語を紡ぐ『シノアリス』

コラム
アニメ/ゲーム
2017.6.24
 ※公式サイトより引用

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本日紹介する作品は『シノアリス』!

2017年6月6日にリリースを開始したスマートフォン向けのRPGゲームです。本作は、ドラッグオンドラグーンシリーズやニーアシリーズの生みの親、ヨコオタロウ氏が手掛けた作品。ヨコオタロウ氏が創り出す世界は、スマートフォンアプリになっても健在です。

今回は、そんな“最悪の物語”を紹介します。
 

【絶望?  希望?  唯一無二の童話世界】

本作の目標、それは「自分を生み出した作者を生き返らせる」こと。物語の主人公は童話に出てくるお馴染みのキャラクターで、赤ずきんやシンデレラ、アリスやピノキオなど、皆が知っているキャラクターが勢ぞろいしています。

けれど、私達が知る童話の主人公とは少し違う様子。狂気と闇が支配する世界の中では、主人公達ももちろん“普通”ではありません。

暴力、卑劣、束縛、依存……といったように、物語の各主人公にはテーマが設定されています。

テーマに沿ってストーリーは進み、時にはその残酷さに言葉を失い、時にはその哀しさに涙する……そんな情緒を揺さぶるようなお話が本作にはたくさん用意されています。ストーリーは主人公ごとのオムニバス形式となっており、どのキャラクターからストーリーを始めても大丈夫、という設計。

各主人公により物語の毛色が変化し、最後まで先が気になる展開にドキドキさせられっぱなしとなります。メインストーリーはフルボイスで進むため、残酷な童話を読み聞かせされているような不思議な気分。登場人物はみんなどこかがおかしく、そこがまた大きな魅力となっています。プレイヤーを導く人形、ギシンとアンキの二体も憎めません。

そして物語を彩る音楽も本作の注目ポイントの一つです。岡部啓一氏とMONACAが手掛ける幻想的な楽曲達は、心地よい“絶望感”を演出してくれます。

『シノアリス』の世界はまだまだ明かされていない謎が多く、キャラクター達の運命もわからないまま。最後に待つのは絶望か、それとも希望か……。その結末は是非、実際にプレイをして確かめてみてください。
 

【数多のやりこみ要素の中にはあの“ウェポンストーリー”も】

本作にはやりこみ要素が数多く散りばめられています。

キャラクターひとりにつき数種類のジョブが設定されており、ジョブを強化するごとに全てのキャラクターが強化されていきます。最強キャラを目指すには、全キャラの全ジョブを最高レベルまで育てることが必要となるため、やりこみ派の方にはたまらない骨太な育成システム。また、武器、防具、ナイトメアといった装備品のレベル上げも重要な要素となり、育成の奥深さを感じます。

全ての武器には“ウェポンストーリー”が設定されていて、武器を強化するごとにストーリーが解放されていきます。『シノアリス』の雰囲気にぴったりの少しダークなウェポンストーリーたち。書き下ろされたストーリーを読みたい、というモチベーションにより、果てしなくも思える武器強化も苦になりません。

レベル上げ、進化、限界突破と、ひとつの武器にも3種類の強化法があるため、じっくりコツコツと自身を強化していく楽しさがあります。最強武器を作り出し、悪夢との戦いに備えましょう。

装備枠が多いところも、強化済み装備の無駄を出しにくいポイントです。
 

【ギルドを組んでPvP!  仲間との協力が勝利の鍵】

本作にはスマートフォンゲームではお馴染みの「ギルド」システムが存在します。チャットをしながら同じクエストに挑んだり、ギルド内での順位を上げるために強化に奔走したりと、ゲームを進めていく上での素敵なスパイスとして機能しています。強敵が行方を阻む高難易度クエストも、ギルドメンバーと力を合わせて連携すれば撃破できるかもしれません!

仲間とチームを組み、他チームと競い合う、という「コロシアム」システムは6月19日現在はまだ解放されていませんが、今後のアップデートで追加される予定。ギルド同士の手に汗握るバトルを楽しむことができます。
 

【手のひらで体験できる絶望を貴方に】

『シノアリス』は今までのスマートフォンアプリとは異なり、唯一無二の世界観を持つゲームです。

狂気的でありながらプレイヤーを惹きつけてやまないキャラクター、立ち塞がる強敵、哀しみと絶望ストーリー……。全ての要素が異彩を放っている本作。

ハッピーエンディングはもう見飽きた!
刺激的な体験がしたい!

そんな貴方にぴったりな作品です。ダークでメルヘンな世界を、心ゆくまでお楽しみください。
 

 

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