若狭の夜空を炎が焦がす、豪壮な火祭り「スーパー大火勢」 地域の魅力あふれる企画も盛りだくさん
高さ20m、重さ1tの燃え盛る巨大松明を若衆たちが大回転させる、豪壮な火祭り「スーパー大火勢(おおがせ)」。松明が倒れると同時に仕掛け花火が打ち上げられ、イベントのフィナーレを飾るが、見どころは夜だけではなく、昼間から楽しめる企画が満載。イベント全体のおすすめポイントを、スーパー大火勢事務局の村松さんに伺った。
ーー「スーパー大火勢」とはどのようなイベントでしょうか。
まず「大火勢(おおがせ)」という聞きなれない言葉ですが、これはおおい町の各地で現在もお盆の時期に行われている豪壮な火祭りのことです。その歴史は古く300年以上続いており、県の無形民俗文化財に指定されています。その火祭りを現代版にアレンジしたイベントがこの「スーパー大火勢」です。高さ20m、重さ1tの燃え盛る巨大松明を特設ステージにて若衆たちが大回転させる姿は迫力満点で、毎年6万人以上のお客様をお迎えし、現在では若狭地域を代表するイベントとして定着しています。
ーーイベントが始まったきっかけ、およびこれまでの歴史をお知らせください。
昭和30年に佐分利村、本郷村、大島村が合併し、旧大飯町が誕生しました。そして旧大飯町誕生から40周年にあたる平成7年に向け、各地区が一つになれる町のイベントを創造しようと立ち上がったのが平成5年。記念行事を単なる一過性のものでなく町民主体のイベントとし、町民同士の連帯感の醸成を図ろうと実行委員が結成され、約2年の構想を経て第1回目のスーパー大火勢が開催されました。その後、大火勢本体の規格を変えたり、会場を移転したりと進化をしながら、今年で23回目を迎えます。
ーー当日は太鼓の演奏や花火の打ち上げなどもあると伺いました。プログラムを簡単にご説明いただけますでしょうか。
当イベントは正午から始まり、昼間はステージショーやふわふわ遊具の体験など、親子で楽しめる企画を展開しています。また、地元団体によるバザーも開催され、そこでは若狭地方の各種団体が県外からいらっしゃるお客様へ向けて美味しい食を発信します。お客様の胃袋を満たす準備をしていますので、ご期待ください。
夕方から行われるメインイベントは、ヨサコイの乱舞から始まり、悠久の炎を大松明へ運ぶ松明行列、またスーパー大火勢への気運を高める迫力満点の太鼓の演奏を経て、クライマックスであるスーパー大火勢を点火します。総勢60名の勇ましい若衆が掛け声とともに燃え盛る巨大松明を乱舞させる姿は大迫力であること間違いなし。最後に巨大松明が倒れると同時に、会場レイアウトを活かしたワイドな花火が音楽に合わせて一斉に打ち上がる様子は必見です。なお、昨年までは海上の特設ステージにてスーパー大火勢を廻していましたが、今年はもっと近くで迫力をそして熱い風を感じていただきたく、陸上で大火勢を廻す計画をしています。
ーー花火の見どころはどんなところでしょうか。
当イベントは音楽連動型の花火を打ち上げています。老若男女が楽しめる曲に合わせて打ち上げる際、協賛企業名を読み上げることなくスムーズに曲転換を行うので、ストレスなく密度の高い花火をご覧いただけます。また最後の5分間はBGMの無い状況で金銀の花火が次々に打ち上がり、フィナーレを迎えます。
ーー実行委員会を募集されている文言を拝見しました。現在はどのような方々で構成されていらっしゃいますか。
実行委員は20〜70代の町内外の有志で構成されています。メインイベントとなる大火勢の演出や大火勢本体の制作などを中心となって担当する大火勢グループ、広報活動に専念する広報グループ、また会場のレイアウトや様々な企画を検討している総務企画グループ、そして、お客様に安心安全にイベントを楽しんでいただくため会場警備を計画・検討する自主警備グループの4つに分かれています。現在総勢50名程度のスタッフが在籍しており、夜な夜な集まって企画検討会議、また作業を行っています。
ーー県外から行くお客様のために、地域の魅力や観光スポットをご案内ください。
自然豊かなところなので、おおい町はこれからが絶好のシーズンを迎えます。夏はやはりビーチですね。大火勢会場に隣接する長井浜海水浴場は、国道にも隣接していてアクセスが容易です。また600台収容できる大型駐車場を完備しており、そしてシャワーが無料で使用できるサニタリー等(20室)が4棟あるのもおすすめできる点です。
また、おおい町にはキャンプ場が2つあります。一つ目は海を見ながら優雅にキャンプを楽しむことのできる、赤礁崎オートキャンプ場。当施設は一般社団法人日本オートキャンプ協会(JAC)から4つ星認定を受けており、オートキャンプサイトからケビンやログハウスなど施設も充実しています。もう一つは山のキャンプ場である、八ケ峰家族旅行村。こちらは渓流釣りが体験できるほか、今年の目玉としてボルダリングが新設されました。この夏賑わうこと間違いなしの施設です。
海鮮丼(道の駅)
ジェラート(道の駅)
ーーおすすめグルメはなんですか。
大火勢会場内には「道の駅うみんぴあ大飯」があります。フードコーナー「うみ・ぼ〜ず」では、その日水揚げされた新鮮な魚介類をふんだんに盛り付けた海鮮丼をはじめ、地魚定食、わかさ牛の焼肉丼、地場野菜カレー、焼き鯖定食など、様々なメニューを提供しております。また、旬の食材を使ったジェラートもおすすめ。現在はいちごを使ったジェラートを期間限定で出しています。次はびわの予定で、夏にはなつみかんやトマトなどが非常に人気が高く、たくさんの方にお召し上がりいただいております。
特産品の梅をたっぷり使った梅ゼリーも人気。それから、若狭地方の名産「へしこ」はご存知でしょうか。鯖の糠漬けなのですが、お酒のあてにちょうどいい味で、その加工品であるへしこ茶漬け、へしこチップスなどという商品も発売されています。
また、福井県は米どころでもあるため、地酒も豊富。黒龍を筆頭に旨いお酒がたくさんあります。なかでも、おおい町の米を使った地酒「妙政宗(みょうまさむね)」をぜひ味わっていただきたいです。これは、大火勢のお清めとしても用いています。
なお、イベント当日に行われるバザーは「若狭路うまいもん横丁」と名付け、若狭地方の各団体が参加する予定です。ここでも美味しいグルメが堪能できますので、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。お待ちしております。
地酒「妙政宗(みょうまさむね)」
インタビュー・文=ふくだゆみ
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