【舞台『デジモン』対談vol.3 太一×ヤマト】松本岳、橋本祥平インタビュー

インタビュー
舞台
アニメ/ゲーム
2017.7.19
(左から)松本岳、橋本祥平

(左から)松本岳、橋本祥平

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『デジモンアドベンチャー tri.』を原作とした舞台、超進化ステージ『デジモンアドベンチャー tri.〜8月1日の冒険〜』。SPICEでは、稽古が始まったばかりの“選ばれし子どもたち”8名のインタビューを3回に渡ってお届けしている。ラストとなる第3弾は、八神太一(松本岳)&石田ヤマト(橋本祥平)の対談。幼少の頃より見ていたという『デジモン』への想いや、今回の舞台の見どころを存分に語ってくれた。

――お2人は同い年で、ちょうどリアルタイムでデジモンを見ていた世代だと思うのですが、「無印」と言われている初代の中で好きなシーンや、印象に残っているシーンはありますか?

橋本祥平(以下、橋本):僕のいちばん好きなデジモンは、エンジェモンから進化したホーリーエンジェモンなんです。

松本岳(以下、松本):ヘブンズゲートね。

橋本:そう! ヘブンズゲートで敵であるピエモンをいっぱい“ぐわーっ”て、吸い込みまくるところがもう。

――ヘブンズゲート最強説ありますよね(笑)。

橋本:こいつマジ強いなって思ってて。

松本:無敵だよね(笑)。

橋本:自分で変身するやつあったじゃないですか、バーコードで。

――「フロンティア」でしたっけ。

橋本:神様的な存在のセラフィモンというのが居たんですけど、その進化前がホーリーエンジェモンなんです。パタモンが究極進化したらあんなに強くなるんだ!というところで、自分が演じるヤマトとは関係ないんですけどヘブンズゲートのシーンがたまらないですね。

松本:たしかにあそこはテンション上がるよね。

橋本:「あのピエモンを倒せるの!?」ってなった。

松本:俺は、記憶がすごく曖昧なんですけど、ヤマトが駆けつけてくるシーンがかっこよくて好きです。たしか初代の時ってヤマトが孤立している時期があって。でも敵を倒してくれたりしている部分がかっこいいなと思っていましたね。憧れていました。

手元には『デジタルモンスター』が!

手元には『デジタルモンスター』が!

――先ほど橋本さんは、ホーリーエンジェモンが好きだと仰ってましたが松本さんは?

松本:いっぱいいるんですけど、やっぱり……ゴマモンかなあ(笑)。

橋本:好きだよね(笑)。

松本:俺が相棒にするなら、ゴマモンにするなって。アグモンじゃなくて申し訳ないんですけど(笑)。

橋本:めっちゃ好きやん。

松本:俺とウマが合うんですよね(笑)。

――どういった部分ですか?

松本:やんちゃそうなところとか、冗談を冗談で返すとか、そういうところが。だけど気も遣える。本当にいたらうれしいのがゴマモンです。

橋本:好きだね〜(笑)。

松本岳

松本岳

――橋本さんは誰とパートナーになりたいですか?

橋本:パートナーか〜。選ばれし子どもたちのパートナーの中だと、パルモンが好きです。純粋に声が好きで、「tri.」を見て、やっぱりパルモンって可愛いなと思いました。

――愛嬌もあるし、抜群に可愛いですよね。

橋本:抜群に可愛いです。でも、進化はして欲しくないかな(笑)。サボテンになっちゃうから。

松本:たしかにね(笑)。

――でもそこから進化するとまた一気に可愛くなるという謎の振り幅があるじゃないですか。

松本:そこがいいですよね。

橋本:だからそこを乗り越えれば。

松本:あのサナギ感ね(笑)。

橋本:サナギ感って(笑)。いや、たしかにサボテンから花が咲いてああなるのか!

松本:当時アニメを見ていた時に、ミミとトゲモンのコンビが似合わないなってずっと思っていたんです。けど、後々進化したらすごいキレイになって「あ、ミミっぽいな」と思ったのを覚えています。

――そこまでの過程がすごいですよね。

松本:ちゃんとプロセスがある。やっぱり深いですよね、デジモンって。

橋本祥平

橋本祥平

――それぞれ演じられているキャラクターと自分に共通点や、似ているところはあると思いますか?

橋本:普段からヤマトみたいにクールなわけではないんですけど、ヤマトって結構他人のことで何かあったら自分が熱くなる部分を持っていて。自分も、なんなら怒ったことがないくらい温厚な方だと思っているんですけど、自分じゃない誰かに何かがあった時に熱くなる部分というのはすごく共感できる部分だと思っています。今回、台本を読んで実際に役に近づけてわかったことです。

松本:そうだな〜。俺は太一ほど明るくないので、あんまり似ていないと思っています。でも太一って考え過ぎてしまう部分があるなと思って、そこはちょっと自分に似ているかなと。自分も不安があったり、考えすぎちゃって寝れないことが結構あるんですよ。でも「tri.」の太一は似ているところがあるかもしれないです。初代の頃はそういう印象はなかったんですけど、「tri.」を見て「ぽいな」「ちょっと似ているかも」と思いました。

――今回がお二人は初共演ということですが、お互いの印象は?

橋本:太一って、選ばれし子どもたちの中でもリーダー的な感じじゃないですか。岳も、この間みんなのLINEを聞いてグループを作ってくれたんです。そういう部分を率先してするところは素敵だなって思いました。

松本:やらなきゃいけないかなって考えた末に……。

橋本:助かっています(笑)。

松本:普段だったら、俺は任せる派なんです(笑)。祥平くんは、同い年だからというのも大きいんですけど、接しやすさがすごくあって喋りやすいです。ヤマトだから、ということを抜きにしても、このカンパニーの中でもいちばんコミュニケーションが取りやすい。こういう部分は、太一とヤマトの関係に似ているのかなと思ったりもしますね。

(左から)松本岳、橋本祥平

(左から)松本岳、橋本祥平

――今回はメインのキャストが全体的に歳が近いと思うのですが、どんな話をしているんですか?

松本:不毛な会話とかしてますよ(笑)。

橋本:休憩の時とかも個人的な話をしたりだとか。

松本:それがいいんだと思います。自然にコミュニケーションが取れている、みたいなのが。いいじゃないですか。

――これは、みなさんに欠かさず聞いているんですが、勇気・友情・愛情・知識・純真・誠実・希望・光という8つの紋章の中で、自分が持っているであろうとか、持っていたいなというものってありますか?

橋本:紋章か〜。

松本:なんだろう。……怠惰とかにします?(笑) 多分スカモンとかにしかなれないですけど(笑)。

橋本:退化してる感じある(笑)。

松本:この中だったら、“勇気”かな。

橋本:大事。

松本:持ちたいですね、勇気は。勇気があればなんでもできますもん、正直言うと。そんな気がしていて。だから俺は“勇気”を持ちたいな。

橋本:いやでも、冷静に見たら、“知識”かな(笑)。知識ですね、やっぱり。物知りに越したことはないし。

松本:知識は卑怯だね。

橋本:間違いないね。

――“知識”は人気ですね。

松本:知識、あればいいですよね。

橋本:他のももちろん大事ですけどね。

松本:ミミって“純真”だったんだ。

橋本:すごくキャラに合っているよね。懐かしいな。

(左から)橋本祥平、松本岳

(左から)橋本祥平、松本岳

――そういえばさっき、待ち時間でハーモニカを吹かれていましたよね?

橋本:舞台で実際に吹くんですけど、今回初めてハーモニカというものに触ったんですよ。だからめちゃめちゃ焦ってます(笑)。

松本:期待しています!

橋本:やめてくれ〜! 太一はサッカーのシーンがあるので、岳はずっと楽屋でリフティングをしてます。

松本:俺も触ったことないんで。

橋本:いや、嘘つけよ(笑)。高校とかいいとこまでいったんでしょ?

松本:いった。

橋本:ずるいわ〜。同じゼロからのスタートにしてくれよ。

松本:俺もゼロからだから!(笑)

橋本:でも、リフティング余裕で100回できる人じゃん。

松本:余裕だな〜(笑)。

(左から)橋本祥平、松本岳

(左から)橋本祥平、松本岳

――太一とヤマトの関係性や各々の性格も舞台の見どころになってきますね。

橋本:そうですね。そういう部分はちゃんとやらないと。

松本:どれだけ近づけられるか。近づけるというか、この間「tri.」で太一の声優をされていた花江夏樹さんと対談をしたんですけど。「無理に寄せなくていいよ」って言ってくださって。花江さんも、花江さんなりの太一を作っていたから「松本くんも、松本くんなりの太一を作ればいいんじゃない」と言ってくれて、ちょっとホッとしたんです。もちろん近づけようとは頑張るんですけど、その中にも俺が思った太一を出せればいいかなと今は思っています。

――舞台の良さってやっぱりあると思うんです。“舞台ならではの良さ”として何を見せていきたいですか?

橋本:バトルシーンだったり、見せどころはいっぱいあると思います。でも強いて言えば、僕ら“選ばれし子どもたち”が高校生になって、キャンプに行く。今回の脚本はオリジナル作品になるんですが、「意外にこの2人はこういう感じだったんだな」という部分で発見があると思うので、そういうところを見て欲しいなと思いますね。これから僕らもいっぱいディスカッションをして、決めていったりする部分もあると思うんですけど、今から楽しみです。

松本:僕も全く同意見ですね。やっぱり、中・高を経て、子どもの時の8人とは、もちろん身体も心も成長しているので、ずっとあのままという感じではないと思うんです。だから少しでも、大人になっていくにつれて、いろんなことを知っていった“今”の8人の人間関係だったり、デジモンたちとの関係を舞台で良い感じに表現できればいいなと。そうなれば「そうだよな」と言ってくれる人もいるだろうから。そこは俺自身、いちばん楽しみです。だからこそ頑張って表現していきたいですね。

――子供とデジモンのパートナー同士だけではない、いろんな組み合わせが『デジモン』にはあると思います。好きな組み合わせはありますか?

橋本:今、本を読んでいて面白いなと思うのは、ミミと光子郎のやりとり。アニメでもこの2人はちょっと「アレレレレ?」って感じで描かれているんですけど(笑)。ミミの強さと、光子郎がアワアワしている様子が好きです。

松本:俺は丈ですかね。丈が絡んでくるところが結構好きです。今回、丈だけが将来の夢というか目標を持っている。まだ将来に悩んでいるほかの7人と丈のやりとりがすごく素敵だなって。

――さきほど好きなデジモンをお聞きしましたが、8人の選ばれし子どもたちの中では誰が好きですか?

橋本:う~ん、ヤマトですかね。やっぱり子どもの時からかっこいいなって思っていたし、成長してもかっこよさは全然変わっていないと思う。

松本:俺は太一かな。自分が役をやっているからとかじゃなくて、多分自分と遠い存在だから憧れるというか、うらやましいというか。気になる存在です。

(左から)松本岳、橋本祥平

(左から)松本岳、橋本祥平

――好きなデジモン、好きなキャラクター、好きになる要素は沢山あると思いますが『デジモン』のどういうところが、お2人の胸を熱くしたのでしょう。

橋本:僕らがアニメを見ていた子どもの頃は、デジモンが進化するところだったり、進化の曲が流れるだけで「うお〜! キタキタ〜!」ってなってたんです。それが、「tri.」を見て同じ曲が流れたのを聞いた時に、その気持ちが全然変わっていなくて。

松本:たしかに。

橋本:あれはテンション上がる。

松本:鳥肌立つもんね、懐かしくて。

橋本:あの曲と進化は、うわ〜って熱くなりますね。

松本:子どもたちだけで冒険している姿がすごく印象深い。自分が見ていたのがやっぱり子どもの頃だったので、本当に憧れていました。デジモンとか出てきて欲しいなって思っていたし、俺、山育ちなんですけど、友達と山の中に行って冒険っぽいことをしていましたね。秘密基地を作ったりして。

橋本:憧れるよね。

松本:そういうところは『デジモン』の影響がすごくある。あの時の自分の理想が『デジモン』でした。

(左から)橋本祥平、松本岳

(左から)橋本祥平、松本岳

――原作ファンの方だけでなく、『デジモン』を知らない人も舞台を見にくると思うのですが、舞台を通してどんなことを伝えたいですか?

松本:『デジモン』は、大人になっても「いい作品だな」って思えるんです。8人にも1人ひとりにしっかりとした設定、バックボーンがあるからすごく魅力がある。今回も舞台でそれぞれが思い描いている心の中をみんなで考えて演じています。“心情”まで伝わる舞台になると思うので、『デジモン』を見ていない人にも、この舞台を見て欲しいですね。「見てみようかな」と思ってもらえる舞台にします。

橋本:『デジモン』と言ったら男の子の方が好きな人が多いというイメージなんですけど、周りの女の子の友達も『デジモン』を見ていたし、すごく面白いと思ってくれているらしいんです。だから、今回初めて舞台で『デジモン』を知って、そこで「パルモンかわいい」とか、「ガルルモンかっこいい」とか、そういうちょっとしたところから「見てみようかな」って始まって、だんだん『デジモン』を好きになってくれたら何よりだなと思います。今回の舞台も面白い要素がたくさん入っているので、見てくれたら好きになってもらえること間違いなしだと思います。

――最後に今回の舞台への意気込みをお願いします。

橋本:すごく派手な演出になると思います。脚本と演出を担当される谷さんの独特の演劇の空間に、舞台の世界のなかで最先端と言われているプロジェクションマッピングがプラスされる。デジモンをパペットのように動かしたりするんですが、そういった様々な組み合わせが、ものすごいものになるんじゃないかって。僕の中でも、今回の作品は今後色んな人に話せるような作品になると思っていますし、「超進化ステージ」を踏んで、僕自身も何か1つ進化できたらと思いますので、そういった姿をみなさまに見ていただけたら嬉しいです。

松本:今回の舞台は、『デジモン』の舞台化ということで期待されている方が多くいらっしゃると思います。いろんな要素が入っている舞台ですので、期待してくださった方たちに「見てよかった」と思っていただけるように、良いところをみんな凝縮していきたいです。谷さんやみんなとちゃんと擦り合わせをして、より良い太一で舞台に立ちたいです。他の7人とパートナーデジモンたちも、動きやセリフ、心情的なところまで細部にこだわってやっていくと思います。後悔させないような舞台にできると思うので、ぜひぜひ見に来て欲しいです!

(左から)八神太一役:松本岳、石田ヤマト役:橋本祥平

(左から)八神太一役:松本岳、石田ヤマト役:橋本祥平


インタビュー・文=菊地真由 撮影=高橋定敬

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公演情報
超進化ステージ「デジモンアドベンチャー tri. ~8月1日の冒険~」

公演日程:2017年8月5日(土)~8月13日(日)
会場:Zepp ブルーシアター六本木
 
制作: ポリゴンマジック
主催:舞台「デジモンアドベンチャー tri.」製作委員会
(東映アニメーション、ポリゴンマジック、イープラス)

情報>
一般発売:7月2日(日)10:00~
価格:¥7,800(税込/全席指定)
※未就学児童入場不可

舞台公式サイト:http://digimon-stage.com
舞台公式 Twitter:@digi_stage

 
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