結成20周年を迎えさらなる進化を遂げたRIZE、ツアー前半戦・横浜公演に見たRIZERとの深く強い絆
RIZE 撮影=Masahiro Mizuguchi
RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK” 春季爆雷
2017.6.23(Fri) Yokohama Bay Hall
結成20周年を迎え、再び猛スピードで走り始めたRIZEは、現在『RIZE IS BACK』を掲げ、全40公演に及ぶロングツアーを行っているが、『春季爆雷』と題したその前半戦が6月24日の柏公演で終了した。4月20日の下北沢公演からスタートして、北海道から九州まで回った今回のツアーが行く先々で熱狂的なRIZER達に大歓迎されたことは想像に難くない。そして、バンドもそれに応える熱演で、“RIZEここに在り!”という特大のインパクトを残してきたに違いない。
ここではその柏公演の前日に行われた横浜公演の熱演をレポートしたいと思うが、その5日前、幕張メッセで開催された『SATANIC CARNIVAL'17』でRIZEの熱演に“RIZEここに在り!”を実感した筆者が、この日ライブを見ながら感じたのは、我々ロック・ファンには絶対RIZEが必要だという、ある意味、飢餓感と興奮が入り混じる思いだった。
ライブは20周年イヤーに突入した16年10月に配信限定でリリースしたシングル「ONE SHOT」でスタートした。グルーヴィーな演奏と軽やかなJESSE(Vo/G)のラップ調のボーカルが絡み合うRIZEらしいミクスチャー・ロック・ナンバーだ。金子ノブアキ(Dr)がテクニックとパワーを合わせ持つ絶妙のプレイで演奏を支える上で、KenKen(B)がベースをバキバキと鳴らし、サポート・メンバーのRioがギターをかき鳴らす。
「ヨコハマ! Everybody! Jump! Jump!」というJESSEの呼びかけに応え、「Hi! Hi! Hi!」と手を挙げながら観客が飛び跳ね、早速フロアが波を打ち始めると、その光景を見ながらJESSEが破顔一笑。そして雄叫びを上げた。「始まっちまったぞ!」
そこからたたみかけるように、バンドはアップテンポの曲を連打していった。5曲目の「Get the Mic」では、「行くぞ!」というJESSEの合図とともに、それまでクラウド・サーフィンしたりヘッドバンギングしたり、大暴れしていた観客が一緒にシンガロング。演奏が始まってからぐんぐん上昇を続けていた会場内の気温は、そこから跳ね上がるように、さらに上がり始めた――。
RIZE 撮影=Masahiro Mizuguchi
この日、バンドは新旧の代表曲の数々を、アンコールも含め計20曲、1時間半にわたって演奏した。中盤のパートでは自分達のホームタウンである東京に対する思いを込めたニューアルバムからのリードトラック、世界最速レーサー・バレンティーロッシとのコラボ映像も話題の新曲「うしろの少年」と立て続けに披露。ダンサブルかつアンセミックな要素を強調した前者、スカっぽいビートが観客にツーステップを踏ませた後者。客席の反応からは新曲にもかかわらず、その2曲がすっかりファンの間に浸透していることが窺えたが、ともにリズム・アプローチの広がりがその2曲が収録される7年ぶりのオリジナル・アルバム――9月6日にリリースする『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』において、バンドが成し遂げた進化を大いに期待させた。
オリジナル・アルバムのリリースが7年空いた理由を、NAKA(G)が抜けた後イチからグルーヴを作るには最短でもそれだけの時間が必要だった。その間もずっと曲を作り続けてきたと説明したJESSEは、「(だからって)そんなことであきらめてもらっちゃ困るぜ。とは言いつつ、待っててくれてありがとうございます」とやんちゃ坊主がそのまま大人になったような彼らしい言い方でファンに対する感謝を語る。続けて、RIZERを代表して歌詞を書いている自分にとって、ファンから聞かせてもらった話が歌詞の題材やインスピレーションになることに言及。「いろいろな歌詞を書かせてくれたRIZER達に感謝」と再び感謝の気持ちを述べた。
そして、「これからも同じことを言うかもしれないけど、言わなきゃいけないから言うわけで、それがRIZEのスタンスだ!」と改めて所信を表明。メッセージ色濃い「heiwa」と「CRY」の2曲をじっくり聴かせると、もう1曲、正義を題材にした正調ラップ・ロックの新曲を演奏する前に「客席の後ろまでしっかり見えている」とJESSEが語ったのは、そこにいる全員にメッセージを受け取ってもらいたかったからだろう。
今思えば、それがラストスパートの合図だった。「PARTY HOUSE」から「カミナリ」まで、終盤はまさに必殺の5曲。今年の12月20日に日本武道館公演を開催することに触れ、「RIZEが武道館でやることはどうだっていい。RIZERで埋め尽くした武道館でやることに意味がある。日本のロックをもう一回やらせてほしい。力を貸してくれ!」と言ったJESSEの言葉に刺激され、スタンディングのフロアはあっという間にモッシュ状態に。肩車されながらステージに少しでも近づこうと手を伸ばす観客達に応え、JESSEはモッシュの上に身を乗り出しながら歌った。
<腐った世の中だからって何だかんだ言ったって、RIZE IS BACK!! こんな時代だからRIZE IS BACK!!>
バキバキと轟かせたKenKenのスラップベースとJESSEの「ヨコハマ!」という雄叫びに、「ウォー!!」という怒号が響いた最後の「カミナリ」では、演奏の途中で「横浜出身の奴いるか?」と手を挙げさせると、いつものように男性ファンを一人ステージに上げ、歌わせた。ステージに上げたファンがしっかりと歌いあげ、それを観客全員が「Oi!Oi!Oi!Oi!」と支える光景に毎回、びっくりさせられるが、そこにはRIZEとRIZER達の絆の強さが窺える。そして、男性ファンに歌を任せたJESSEはこの日もギターを持ったまま客席にダイブ!!!!
その後、鳴りやまない“RIZE IS BACK!!”のコールに応え、「今日がどんなにBad DayでもJESSEがGood Dayだったと言ってやれ」とポジティブなリリックとメロディが印象的な新曲、そして「NAME」の2曲を披露。ドドンカドンという祭りのビートに観客が「Oi! Oi!」と声を上げた「NAME」では、レゲエっぽいゆったりとしたノリとともにピースフルな空気が生まれた。それも単に激しいとか、ラウドとかという言葉では語りきれないRIZEの持ち味だ。
RIZE 撮影=Masahiro Mizuguchi
前述したように『RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK”』の前半戦は終わったが、『秋季爆雷』と題した後半戦が9月23日の新潟公演からスタートする。7年ぶりのオリジナル・アルバムをリリースした後だ。セットリストもがらっと変わるかもしれないし、12月20日の日本武道館公演に向けて、バンドのパフォーマンスはどんどん密度の濃いものになるかもしれない。
JESSEも言っていたように矛盾、理不尽、不条理が罷り通るこんな腐った世の中だから、こんな時代だからこそ、ガツンとした音を鳴らして、言うべきこと言うロック・バンドが我々には必要だ。はっきり言って、自分達がいかにつらい思いをしてきたかステージで語って、共感を求めるようなバンドは、これ以上は要らない。
しかも、この日、RIZEとRIZER達の絆の強さが物語っていたようにRIZEは我々が信じれば信じた分だけ応えてくれる。歌詞の作り方の話やファンをステージ上げラップさせる粋な計らいに加え、客席に見覚えのある顔を見つけた時のJESSEの反応からも、このバンドがファンとどういうふうに向き合っているかが窺えた。もちろん、応えるまでに時間がかかることもあるだろう。しかし、彼らはやる時はやってくれる。それが今回のロングツアーであり、7年ぶりのオリジナル・アルバムであり、12月の日本武道館公演であるわけだが……この日演奏した新曲から想像すると、後半戦は前半戦以上に20周年を迎え、新たなスタートを切ったRIZEの姿をアピールするものになりそうな予感がする。
取材・文=山口智男 撮影=Masahiro Mizuguchi
2017.6.23(Fri) Yokohama Bay Hall
2. LOVE HATE
3. NOTORIOUS
4. KAMI
5. Get the Mic
6. ZERO
7. LADY LOVE
8. MUPPET
9. 新曲
10. うしろの少年
11. SILVER
12. heiwa
13. CRY
14. 新曲
15. PARTY HOUSE
16. 日本刀
17. Gun Shot
18. カミナリ
[ENCORE]
19. 新曲
20. NAME
2017年9月6日(水)発売
特設サイト:http://rize20.com/thunderbolt/
【初回生産限定盤】(CD+Blu-ray)
ESCL-4890~1 4,630円(税抜)
[Blu-ray] RIZE TOUR 2016 “RIZE IS BACK” TOUR FINAL at Zepp DiverCity TOKYO 2016.11.27+ BACKSTAGE
【通常盤】(CD)
ESCL-4892 2,778円(税抜)
【完全生産限定盤/アナログ盤】(2LP)
ESJL-3091~2 3,333円(税抜)
9/23(祝土)新潟 LOTS
9/24(日) 金沢 EIGHT HALL
9/26(火) 富山 MAIRO
9/28(木) 長野 CLUB JUNK BOX
9/30(土) 群馬 高崎club FLEEZ
10/5(木) 栃木 宇都宮VJ-2
10/7(土) 福島 郡山HIP-SHOT JAPAN
10/9(祝月) 秋田 秋田Club SWINDLE
10/11(水) 青森 青森Quarter
10/12(木) 岩手 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
10/14(土) 宮城 仙台Rensa
10/29(日) 愛知 名古屋DIAMOND HALL
10/31(火) 岡山 CRAZYMAMA KINGDAM
11/2(木) 福岡 DRUM LOGOS
11/4(土) 鹿児島 キャパルボホール
11/5(日) 宮崎 SR BOX
11/7(火) 大分 DRUM Be-0
11/9(木) 愛媛 松山Wstudio RED
11/11(土) 高知 X-pt
11/15(水) 山梨 CONVICTION
11/16(木) 静岡 LiveHouse浜松窓枠
11/18(土) 大阪 なんばHatch
◇
料金:スタンディング 前売り4,800円(税込) ドリンク代別途必要
YOUTH割 :18歳以下の方には当日会場にて1,000円キャッシュバック(要身分証)
*未就学児以下は入場不可
RIZE TOUR 2017 ”RIZE IS BACK" [秋季爆雷]:一般発売開始日
(9/23新潟~10/14仙台分)2017年7月8日(土)
(10/29名古屋~11/18大阪分)2017年8月19日(土)
『RIZE TOUR 2017 "RIZE IS BACK"』
2017年12月20日(水)東京・日本武道館
OPEN 17:30 / START 18:30
◇(前売):
Exclusive Pack GOLD (Arena Standing )¥10,800(税込/送料別)*限定500個(FCのみの販売)
Exclusive Pack SILVER(1F Center Seat )¥10,800(税込/送料別)*限定500個(FCのみの販売)
*Exclusive Pack 内容:20年間のレプリカPASS、武道館公演PASS(公開RH用)、フラッグ、メモリアル
アリーナスタンディング¥5,400(税込)
1Fスタンド指定席¥5,400(税込)
2Fスタンド指定席¥5,400(税込)
※YOUTH割:18歳の以下の方は1,000円キャッシュバック(当日要身分証明書)
※未就学児以下は入場不可
一般発売:2017年9月16日(土)~