奈良美智による「誓い」の展覧会 『奈良美智 for better or worse』展が開幕
奈良美智《The Girl with the Knife in Her Hand》1991年 ヴィッキ&ケント・ローガン夫妻、サンフランシスコ近代美術館 ©Yoshitomo Nara 1991
『奈良美智 for better or worse』が、2017年7月15日(土)~9月24日(日)にかけて、豊田市美術館にて開催されている。
奈良美智は、1959年生まれ。こちらを見つめる印象的な絵画作品や、木、FRP、陶、ブロンズ、そしてインスタレーョンなどさまざまな素材によってつくられる立体作品で知られる。1990年代半ば以降、その作品は国籍や文化的背景を問わず世界中の多くのオーディエンスをひきつけてきた。
奈良美智《Marshall》2003年 個人蔵©Yoshitomo Nara 2003
奈良美智《Missing in Action - Girl Meets Boy -》2005年 広島市現代美術館©Yoshitomo Nara 2005
奈良美智+graf《Voyage of the Moon (Resting Moon) / Voyage of the Moon》2006年 金沢21世紀美術館©Yoshitomo Nara + graf 2006 撮影:中道淳/ナカサ&パートナーズ
本展は、1987年からの初期作品から最新作まで、絵画を中心に奈良の歩みをたどる内容となる。絵画約50点、ドローイング約50点、FRPや木彫などの立体、大規模な小屋のインスタレーションなどを含め、総計100余点により奈良の多様な表現を紹介。5~6点の新作も発表する予定だ。さらに会場では、奈良が美術を志す前に感性を育んだレコードのジャケットや書籍などもあわせて展示。展示作品とあわせて、奈良のルーツをたどることができる構成となっている。
本展のタイトルにもなっている「for better or worse」とは、「どのような運命になろうとも」という意味。奈良がこれまで描いてきた、そしてこれから描いていくすべての作品へむけた誓いの展覧会となる。なお、本展が開催される豊田市美術館は、奈良が学生時代を過ごした愛知県長久手の丘陵にほど近い場所に位置する。作家によれば、本展は30年越しの「卒業制作」とのこと。奈良美智の過去・現在・未来を通覧することができる本展。気になる方はぜひ足を運ぼう。
奈良美智《Blankey》2012年 個人蔵©Yoshitomo Nara 2012
奈良美智 スタジオ風景:左《Midnight Truth》, 右《Midnight Surprise》(部分)2017年 撮影:森本美絵 Art works: ©Yoshitomo Nara 2017
会場:豊田市美術館
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2017/special/narayoshitomo.html