絵画史上“最も有名な少女”も来日 『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』の見どころは?

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2017.8.24

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『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』が、2018年2月から9月にかけて、東京、福岡、名古屋にて開催される。

本展は、スイスの大実業家エミール=ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)による美術コレクション約60点を展示するもの。開催に先立ち、本展の見どころ3点を紹介する。

見どころ1:至上の印象派コレクション

本展ではドラクロワ、ドガ、マネ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、モネ、セザンヌ、マティス、ピカソなど豪華な作家たちの競演が繰り広げられる。なかでも、絵画史上最も有名な少女ともいわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とセザンヌの《赤いチョッキの少年》は印象派の中でも人気の高い両巨匠の「最高傑作」として知られる。

ピエール=オーギュスト・ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》1880年 油彩、カンヴァス65×54cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

ピエール=オーギュスト・ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》1880年 油彩、カンヴァス65×54cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

ポール・セザンヌ《赤いチョッキの少年》1888/90年頃 油彩、カンヴァス79.5×64cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

ポール・セザンヌ《赤いチョッキの少年》1888/90年頃 油彩、カンヴァス79.5×64cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

見どころ2:全て、一人のコレクターが集めました

実業家として成功して富を築いたエミール=ゲオルク・ビュールレは、心の拠りどころとして美術作品を収集していた。そのコレクションはチューリヒにある邸宅の隣の別棟に飾られていたという。彼の死後、別棟は美術館として一般公開されたが、スイス国外にコレクションがまとまって公開されたのは過去に数回のみだった。2008年、世界的に報じられた4点の絵画盗難事件以来、一般公開が規制され、2020年にチューリヒ美術館に全コレクションが移管されることに。今回はビュールレのコレクターとしての全体像がみられる最後の機会となる。

フィンセント・ファン・ゴッホ《種まく人》1888年 油彩、カンヴァス73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

フィンセント・ファン・ゴッホ《種まく人》1888年 油彩、カンヴァス73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

カミーユ・ピサロ《ルーヴシエンヌの雪道》1870年頃 油彩、カンヴァス43.5×65.5cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

カミーユ・ピサロ《ルーヴシエンヌの雪道》1870年頃 油彩、カンヴァス43.5×65.5cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

クロード・モネ《ジヴェルニーのモネの庭》1895年 油彩、カンヴァス81.5×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

クロード・モネ《ジヴェルニーのモネの庭》1895年 油彩、カンヴァス81.5×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

エドゥアール・マネ《ベルビュの庭の隅》1880年 油彩、カンヴァス91×70cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

エドゥアール・マネ《ベルビュの庭の隅》1880年 油彩、カンヴァス91×70cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

見どころ3:出品作のおよそ半数が日本初公開!

本展の出品作品、約60点の半数は日本初公開となる。なかでもモネの代表作の一つ、高さ2メートル×幅4メートルの大作《睡蓮の池、緑の反映》は、ビュールレがパリ郊外のジヴェルニーにあるモネのアトリエに足を運び、自分の目で見て購入を決めた作品で、これまでスイス国外から一度も出たことがなかった。日本人がまだ見たことのないモネの「睡蓮」。門外不出といわれたモネの最高傑作、ぜひ会場で目撃をしたい。

クロード・モネ《睡蓮の池、緑の反映》1920/26年頃 油彩、カンヴァス200×425cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

クロード・モネ《睡蓮の池、緑の反映》1920/26年頃 油彩、カンヴァス200×425cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

アルフレッド・シスレー《ハンプトン・コートのレガッタ》1874年 油彩、カンヴァス46×61cm ©Foundation E.G. BührleCollection, Zurich (Switzerland)Photo: Dominic Buettner, Zurich

アルフレッド・シスレー《ハンプトン・コートのレガッタ》1874年 油彩、カンヴァス46×61cm ©Foundation E.G. BührleCollection, Zurich (Switzerland)Photo: Dominic Buettner, Zurich

エドガー・ドガ《リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち》1871年頃 油彩、カンヴァス65×81cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

エドガー・ドガ《リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち》1871年頃 油彩、カンヴァス65×81cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

ポール・セザンヌ《パレットを持つ自画像》1890年頃 油彩、カンヴァス92×73cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

ポール・セザンヌ《パレットを持つ自画像》1890年頃 油彩、カンヴァス92×73cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲くマロニエの枝》1890年 油彩、カンヴァス73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲くマロニエの枝》1890年 油彩、カンヴァス73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)


ポール・ゴーギャン《贈りもの》1902年 油彩、カンヴァス68.5×78.5cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

ポール・ゴーギャン《贈りもの》1902年 油彩、カンヴァス68.5×78.5cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

 

イベント情報
至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
Impressionist Masterpieces from the E.G. Buehrle Collection, Zurich(Switzerland)

会期:2018年2月14日(水) ~ 5月7日(月)
開館時間:午前10時~午後6時(毎週金曜日、4月28日(土)~5月6日(日)は午後8時まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:毎週火曜日(ただし5月1日(火)は除く)
会場:国立新美術館 企画展示室1E〔東京・六本木〕
 
◆巡回予定
福岡展:九州国立博物館
2018年5月19日(土) ~ 7月16日(月・祝)
名古屋展:名古屋市美術館
2018年7月28日(土) ~ 9月24日(月・祝)
 
展覧会ホームページ:http://www.buehrle2018.jp
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