『六本木アートナイト 2017』プレスプレビューをレポート! 今年のアートナイトは“インスタ映え”写真をバシバシ撮りまくろう

レポート
アート
2017.9.29

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9月30日(土)から10月1日(日)にかけて、六本木ヒルズや東京ミッドタウンを中心とした六本木各地で『六本木アートナイト 2017』が開催される。8回目の開催となる今年のテーマは「未来ノマツリ」。毎年著名な芸術家が務めて話題のメインプログラム・アーティストを今年は写真家・映画監督の蜷川実花が担当。蜷川の極彩色かつ華やかな世界観が六本木の夜を染め上げる。開催に先立ち、9月28日に六本木ヒルズアリーナでプレスプレビューが開催。蜷川も出席し、メインプログラムとなる『Tokyo Followers 1』の一部が公開された。
 

メインプログラム・アーティストの蜷川実花さんが登場

一夜だけの開催で毎年60万人以上が集まる大イベントだけに、今年も注目度の高い『六本木アートナイト』。プレスプレビューではまず、六本木アートナイト実行委員長の南條史生さん(森美術館館長)が挨拶に登壇し、メインプログラムや今年初の試みとなる東南アジア・プロジェクトについて解説してくれた。

実行委員長の南條史生さん(左)とメインプログラム・アーティストの蜷川実花(右)

実行委員長の南條史生さん(左)とメインプログラム・アーティストの蜷川実花(右)

「今回は3年後の東京オリンピックを見据え、東京が文化やアートの面においてもどんな風に盛り上がっていけるかという思いも込めています。多くの方に来ていただいて未来に成果を残せるようにしたいです」
今年のアートナイトへの期待をそう述べた。

続いて、メインプログラム・アーティストの蜷川実花がスピーチに登場。
「『Tokyo Followers 1』は、この中に入って撮影ができる、セットのような作品にしています。普段から私が撮影で使っている小道具や私の作品によく登場するモチーフなどもあって、私の作品の中に入れるようなコンセプトのもとに作っています」と、今作の意図を詳しく解説する。

「気軽に中に入って、自分が主人公になった写真をどんどんSNSで発信してもらえると、作り手と受け手が混在していって今の世の中の面白さとリンクするような、大きな作品になると思っています」と、多くの人の来場を呼びかけた。

『巨人と歩く:彼らは私たちと同じ(六本木ヒガンテスプロジェクト)』のパフォーマンス

『巨人と歩く:彼らは私たちと同じ(六本木ヒガンテスプロジェクト)』のパフォーマンス

その後、南條さんの説明にもあった東南アジア・プロジェクトのひとつ『巨人と歩く:彼らは私たちと同じ(六本木ヒガンテスプロジェクト)』の“歩く巨人彫刻”がパフォーマンスを披露。アートナイト開催中は、この彫刻たちが六本木のいろんなところに現れるという。愛らしい表情の巨人たちも一夜のお祭りを大きく盛り上げてくれそうだ。
 

インスタ映え間違いなしの「自分が主人公になれるアート」

セレモニーの後は、蜷川実花による『Tokyo Followers 1』を鑑賞。

『Tokyo Followers 1』の展示風景

『Tokyo Followers 1』の展示風景

蜷川独特の極彩色の世界に東洋と西洋のモチーフを散りばめたこの大型インスタレーションは、六本木ヒルズアリーナ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3か所で展開される。写真家の蜷川がこれだけ大きな立体作品に取り組むのは初めてとのことで、“中に入れるアート”というコンセプトは「撮ってもらうことによって写真として流通するという試み」から来ているとのこと。ちなみに、作中の大きな鳥かごや木馬は蜷川の私物、花や自販機は父である演出家・蜷川幸雄さんが舞台のセットに使っていたものを活用したそう。

『Tokyo Followers 1』の展示風景(部分)

『Tokyo Followers 1』の展示風景(部分)

中華料理店のネオン、木馬、仏像、自販機、温泉マーク、ちょうちん、いろんな花々に番傘……。一見して結びつかないようなものたちが渾然一体となり、一つの作品が作られている。ここにしかない世界観は、いま流行の“インスタ映え”写真を撮るのにも恰好のスポットになることだろう。

ナウィン・ラワンチャイクン『OKのまつり』

ナウィン・ラワンチャイクン『OKのまつり』

ryo kishi『dis:play(bias)』

ryo kishi『dis:play(bias)』

この日は既に先行展示されている4か所のアート作品も併せて鑑賞。すでに六本木では各所で『六本木アートナイト』の文字があちこちに散見されて街の準備は万端のようだ。この日はあいにくの雨天だったが、前夜祭ムードを味わうことができた。

CALAR.ink『During the Night -よるのあいまに-』

CALAR.ink『During the Night -よるのあいまに-』

アニッシュ・カプーア/磯崎新『ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2017 in 東京ミッドタウン』

アニッシュ・カプーア/磯崎新『ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2017 in 東京ミッドタウン』

「アートって楽しいんだって思ってもらえるきっかけになって欲しい」と蜷川が語っていたとおり、五感を使って気軽な気持ちでアート体験ができるのは、まさに『六本木アートナイト』の醍醐味。自分が入って完成するアートというのは現地に行かなければできない経験なので、ぜひ夜の六本木に出かけてインスタ映えしそうな写真をバシバシ撮ってみよう。

イベント情報
六本木アートナイト 2017

■会期
2017年9月30日(土)10時~10月1日(日)18時
<コアタイム>9月30日(土)17:27【日没】~10月1日(日)【日の出】05:36
※コアタイムはメインとなるインスタレーションやイベントが集積する時間帯です。
■場所
六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、
21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、
その他六本木地区の協力施設や公共スペース

■入場料:無料(但し、一部のプログラム及び美術館企画は有料)
■一般の問い合わせ先
ハローダイヤル:03-5777-8600(年中無休8:00~22:00)
公式サイト:http://www.roppongiartnight.com/2017/
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