高畑淳子主演『土佐堀川 近代ニッポン-女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』初日前会見、田山涼成「ハゲているほうが楽」

レポート
舞台
2017.10.4
舞台『土佐堀川 近代ニッポン-女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』の出演者たち

舞台『土佐堀川 近代ニッポン-女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』の出演者たち


NHK連続テレビ小説『あさが来た』の原案となった『小説 土佐堀川』を舞台化した『土佐堀川 近代ニッポン−女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』が2017年10月4日、日比谷・シアタークリエで開幕する。開幕前の3日、出演者らによる囲み取材が行われた。

本作品は、江戸時代末期に生まれ、女性の社会的地位が低かった時代に知性と行動力で数々の事業を成功させた実業家・広岡浅子の笑いと涙に満ちた人生を描いている。脚本は小池倫代、演出は田村孝裕が手がける。この日の囲み取材には、主演で広岡浅子役の高畑淳子、浅子の夫である広岡信五郎役の赤井英和ほか、南野陽子田山涼成葛山信吾小松政夫三倉茉奈紫ともが登壇した。

赤井英和、高畑淳子、南野陽子(前列左から)、葛山信吾、三倉茉奈(後列左から)

赤井英和、高畑淳子、南野陽子(前列左から)、葛山信吾、三倉茉奈(後列左から)

今回の舞台は全キャスト合わせて衣装が約100点あるといい、連続テレビ小説をぎゅっと3時間にまとめたような舞台であることについて、高畑は「情報量が多いのは否めないが、1人1人の志がぶつかり合って、生きている瞬間が作れたと思う」と自信をのぞかせる。「全員でつくる舞台なので、最後まで誰一人欠けることなくゴールできればと思います」と座長としての思いを熱く語った。

10代から浅子が亡くなるまでという幅広い年齢の役を演じることについて「17歳が一番大変です。見せてはいけないものをやっているような気になる」と話し、笑いを誘った。その「17歳の浅子」を演じる高畑について赤井が「可愛らしくて、さすがだと思います…」とたどたどしく回答した。

小松政夫

小松政夫

南野陽子

南野陽子

浅子の舅で加島屋の主人・正饒を演じる小松は「楽しくやりながらもホロっとくる“喜劇の真髄”と言える作品」と話す。加島屋の女中・小藤役の南野は「人が支え合って大きなものを成していく作品。みんなで助け合って、喜んで見ていただける芝居になっている」とコメントした。

田山涼成

田山涼成

三倉茉奈

三倉茉奈

浅子のビジネスパートナーとなる正秋役の田山は「話題にはならないんですが、実は私も22歳から年を重ねていく役で」と話し、「カツラを4つ被ります。最後までカツラを脱がないので、暑くて暑くて……やっぱりハゲているほうが楽だなと思いました」。すると、高畑は「最強の頭をお持ちなのに。あれを使えばカツラが1個減ったのにねぇ?」とツッコミを入れた。そして浅子の娘・亀子を演じる三倉は「稽古場ではメイクや衣装なしでしたが、先輩方が演技の力で年を重ねられていく姿を目の当たりにして、色々と勉強させていただきました」と話す。

紫とも

紫とも

葛山信吾

葛山信吾

大隈重信の妻・綾子を演じる紫は「稽古場で高畑淳子さんが汗かいて、涙を流して、全力投球されている毎日を見ていた。私たちも燃えるものがどんどん大きくなりました」と話す。五代友厚と女子大学設立を夢見る男・成瀬仁蔵を1人2役で演じる葛山は「2人の想いを大事に演じたい」と緊張のせいか言葉少なだった。

高畑淳子

高畑淳子

10月28日の東京公演千秋楽までの体調管理について、高畑は「芝居が終わったらまっすぐ帰るのが一番。飲みに行ったりは、言語道断です」と女優としてのストイックさをのぞかせ、「作品に命を懸けたいと思います。ご来場お待ちしております」と意気込んだ。

取材・文・撮影=五月女菜穂

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公演情報
『土佐堀川 近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』
 
■原作:古川智映子「小説 土佐堀川」(潮出版社 刊) 
■脚本:小池倫代 
■演出:田村孝裕 
■出演:
高畑淳子、赤井英和、田山涼成、小松政夫、葛山信吾、南野陽子 
芋洗坂係長、越智静香、武岡淳一、矢部太郎、篠田光亮、紫とも、三倉茉奈 ほか

 
■日程・会場:
10月 4日(水)~28日(土)シアタークリエ【東京】
11月 1日(水)~5日(日)サンケイホールブリーゼ【大阪】
11月 7日(火)新川文化ホール【富山】
11月15日(水)呉市文化ホール【広島】
11月17日(金)東海市芸術劇場 大ホール【愛知】
11月20日(月)宝山ホール(鹿児島県文化センター)【鹿児島】
11月23日(木・祝)北九州芸術劇場 大ホール【福岡】
12月 2日(土)トークネットホール仙台(仙台市民会館)【宮城】

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