「僕たちが挑む意義を感じてほしい」劇団番町ボーイズ☆第10回本公演 舞台『クローズZERO』公開記者発表会

レポート
舞台
2017.10.27
劇団番町ボーイズ☆第10回本公演 舞台『クローズZERO』

劇団番町ボーイズ☆第10回本公演 舞台『クローズZERO』

2017年11月30日(木)より、東京・CBGKシブゲキ!!にて上演される劇団番町ボーイズ☆第10回本公演 舞台『クローズZERO』。開幕を間近に控える10月22日(日)、都内にて公開記者発表会が行われた。

高橋ヒロシ原作、月刊少年チャンピオンにて1991年から8年間連載された人気漫画『クローズ』。2007年に三池崇史監督のもと、完全オリジナルストーリーの実写映画『クローズZERO』が公開されると興行収入25億円の大ヒットを記録した。『クローズZERO』では、漫画の中の時間軸から1年前のことが描かれており、今回の舞台化ではこの映画を原作としている。

この日の会見は約100人のファンが見守る中で行われた。まずは松本大志、堂本翔平、二葉勇、千綿勇平、安井一真、菊池修司、砂原健佑、籾木芳仁、織部典成(劇団番町ボーイズ☆候補生)が登壇。短ランに柄シャツ、リーゼント、ドレッドヘア、マスク姿からサングラスまで、各々の“不良姿”を披露するたびに会場の熱が上昇していく。迫力のある顔ぶれが揃う中、最後に一人爽やかな出で立ちで西原健太が登場。西原は、原作の映画には登場しない舞台版オリジナルキャラクターを演じることが紹介された。

まず、物語の主人公・滝谷源治役の松本が、「滝谷は喧嘩に絶対的な自信を持っていて、喧嘩でしか相手と語り合うことができない不器用な男です。映画版では小栗旬さんが演じていた役としてすごく印象に残っていますが、小栗さんに負けないくらい自分なりの滝谷を、愛を持って全力で演じていけたらと思います。皆さんどうか楽しみにしていてください」と挨拶。

松本大志

松本大志

芹沢多摩雄役の堂本も、「喧嘩が強いのはもちろんのこと、滝谷とは対照的な……人間力の強さを見せていけたらいいなと思っています。こいつなら絶対ついていける!という人物像を描けるように努力して、映画版に負けないくらい舞台ならではの良さが出る作品にしたいと思います」と意気込みを見せた。

堂本翔平

堂本翔平

戸梶勇次役の二葉は、「狡猾で切れ者でクールな役どころで、映画版でもすごくかっこいいキャラクターでした。でも今回は僕が演じるということで……ファンの方々は分かるかと思うのですが、今まではちょっと明るいというか笑いを取る役が多かったので(笑)、だから舞台版ではまた違う戸梶をお届けできたらと思います。ぜひ楽しみにしていてください!」と笑顔でメッセージを送る。

二葉勇

二葉勇

双子の“三上兄弟”の兄・三上学を演じる千綿は、「僕は高校生のときに映画『クローズZERO』を観ましたが、三上兄弟のインパクトが強くて印象に残っていました。(弟役の安井)一真と二人で、皆さんに愛される三上兄弟を演じていけたらいいなと思います」とコメント。

千綿勇平

千綿勇平

弟・三上豪役の安井も、「言いたいことは兄さんが全部言ってくれたのですが(笑)。僕の中で三上兄弟はムードメーカー的存在だったので、僕たち二人が出てくるたびに、ちょっとでもおもしろいなって思ってくれたらすごく嬉しいです」と応えた。

安井一真

安井一真

筒本将治役の菊池は、「芹沢軍団の中で唯一の二年生ということで、二年生ならではの立ち位置でかわいらしさや人懐っこさを出して、皆さんに愛してもらえるような芹沢軍団を作っていきたいと思います」と自身の役どころを交えながら見どころをアピール。

菊池修司

菊池修司

千田ナオキ役の砂原は、「武装戦線というバイカーチームの一員で、狂暴な性格の持ち主です。原作では狂犬とまで言われているので、内に秘めた狂暴性を見せられたらと思います」と、役作りに対する姿勢を見せた。

砂原健佑

砂原健佑

杉原誠役の織部は、「どこから見ても杉原誠と思ってもらえるように精一杯がんばります。(杉原を含む“海老塚三人衆”のリーダー格・桐島役の)籾木さんに付いていきたいと思います!」と熱いコメント。

織部典成

織部典成

そして最後、田村保役の西原が、「見ての通り“お前絶対クローズの作風ちゃうやろ!”という感じですが……(笑)。その個性を活かして新しい風を吹き込めるようにがんばっていきますのでよろしくお願いします」と、本作オリジナルキャラクターとしての意気込みを語った。

西原健太

西原健太

次に、舞台版の脚本・演出を手がける山田能龍からのビデオコメントを紹介。「原作者をリスペクトしつつ、自分たちなりにオリジナリティがある舞台にしたいと思っています。それぞれの意気込みを稽古場でビシバシと感じているので、観に来ていただけるお客様にはぜひ楽しみにしていただきたいです」とのメッセージが送られた。

山田のコメントを受けて、松本は、「自分たちが学生時代に一世を風靡した作品なので、やっぱりその印象が強くて。例えば僕だったらどこかに小栗旬さんの影があって……そこは崩していかないといけないのかなと。劇団番町ボーイズ☆でやる意義を皆で話し合いながらやっていけたらと思います」と、ビッグタイトルに挑むことへの気持ちを吐露。そして堂本も、「舞台には舞台の良さがあります。殺陣のシーンの汗とか涙とか、映像では伝わらない部分を見ていただけたら幸せです」と語る。それぞれが作品と真摯に向き合い、丁寧に言葉を紡ぐ姿が印象的だった。

今回の舞台では、名古屋発「劇団ヘラクレスの掟」と、福岡発「10神ACTOR」のメンバーらが客演として出演。さらに、数多くの映像や舞台で活躍するベテラン俳優のモロ師岡が、主人公の父親・滝谷英雄役として登場。そして、映画版では三上豪を演じた伊崎央登が、矢崎組の組長・矢崎丈治役として舞台出演することが決まっている。

伊崎が映画版で演じていた三上豪役は、舞台版では安井が担当。伊崎の印象について、安井は、「実はまだお会いしてなくて。以前、稽古場に伊崎さんがいないと分かったときはちょっとホッとしちゃいました。怖かったんです……」と本音がぽろり。MC担当のいとう大樹(TEAM-ODAC、片岡拳役)から「伊崎さんがリアルに怖いの?」とツッコミを受けると、安井は「違う! 自分と同じ役をやられていたので!」と慌てて否定。

映画版では伊崎が、伊崎の実兄・右典とともにリアルな双子役を演じていたが、安井は「僕たちは双子じゃないので……どうしたらいいのかな?」と不安気。すると双子役の相方である千綿が、「(伊崎)央登さんもそうですし、なんといっても我ら番町ボーイズには双子のメンバーがいますから。そこは双子のプロフェッショナルたちに聞きましょう」と提案。これには、実弟の要とともに劇団員である二葉が「双子のプロフェッショナルって何!?」とすかさずツッコミ。二葉は、「本来は(弟の)要が一緒にやれれば良かったんですけど、今ちょっとラケットを持って暴れてるみたいなんで……(笑)。ぜひ僕のことをリスペクトしていただいて、ごはんにも連れていってもらって、いろんなレクチャーをできればと思います」と逆提案(?)して笑いを誘った。

そんな双子トークのあと、なんと伊崎央登がサプライズゲストとして登場!観客はもちろん、キャストたちも知らされていない突然のできごとに場内は騒然。先述の“怖い”発言をしていた安井は、あらためて伊崎と対面してから印象を問われると「本当に優しい……」と恐縮しきりだった。

伊崎央登

伊崎央登

今回、伊崎が舞台で挑むのは、映画では遠藤憲一が演じていた役。伊崎へ期待することを問われた籾木は、「若さかつインテリジェンスな組長が見たいなぁ……」と控えめに回答。伊崎も「新しい気持ちで演じていきたいです」と応えていた。

籾木芳仁

籾木芳仁

伊崎は、「映画で共演したメンバーたちと今も交流があって、舞台化の話になると『観に行こうか!』と言う人が多くて。それくらい皆が期待していると思います。僕も楽しみながら一緒にやっていきたいです」と意気込みを見せた。「よく若手の役者さんたちが『クローズ観ました』と言ってくれて、その中には出演したいと思ってる子も多いんじゃないかな。そんな中で選ばれたということを光栄に思いつつ、一生懸命に取り組んでくれたらと思います」と、舞台版メンバーにもエールを送った。

記者との質疑応答では、「アクションシーンが見どころのひとつだが今から準備していることは?」との質問が飛ぶ。代表して松本が、「殺陣をやるにあたって体の柔らかさや体幹が必要なので、皆それぞれ意識してジムに通ったり、家でお風呂入ったあとに柔軟したりしています。僕も半年以上前から筋トレを始めていますが、もともと体がすごく硬くて……」と、早いうちから本番に向けて取り組んでいることを明かした。

続いて、「キャラクターとのギャップを感じてやりづらい部分はあるか?」と問われると、真っ先に西原へマイクが向けられる。登壇者の中で唯一きちんと制服を着こなしているキャラクターのため「僕、そのままの役なんですけど(笑)。いちばんのびのびとやっていますね、ギャップは全くないです」と答えて笑いを誘うも、最後には「僕とは違う人生を歩んでいる田村保という人物を、きちんと落とし込んでいきたいです」と真面目に締めくくった。

一方、「僕は生まれてこのかた悪いことをしたことがない。ずっと優しさを持って生きてきたので……(笑)」と話す安井は、眉間に皺を寄せる練習をしたことを明かした。それを隣で聞いていた二葉が、「安井くんはたぶん怒号をあげたこともないから、最初の稽古では甲高い声で『コラァ~!』って(笑)。そのあと安井くんが別の場所に移動したので覗きに行ったら、ずっと『オラァ!』って叫ぶ練習をしていました。で、戻ってきたら『声枯れた~』って(笑)。安井くんが舞台上でヤンキーになって躍動する姿に期待してほしいです、本番では血の気が引く『オラァ!』が聞けると思います」と稽古場でのエピソードを披露。会場中の大きな笑いを誘った。

芹沢は、「鈴蘭(男子高校)とは全然違う進学校に通っていたので、そこがまずギャップかなと。勉強するシーンが一切出てこない!(笑)」と明らかなキャラクター性の違いを指摘しながらも、「番町ボーイズのメンバーは喧嘩を経験したことがない人ばかりなので、殺陣師の先生に教わりながらがんばります」と意気込んだ。

この日は、観客からの質問に答えるコーナーも。「キャラクターに近付けるためにどんなことをしているか?」との問いには、松本は「キャラに近づけすぎると原作通りになってしまうジレンマがあるので、人物の根本は崩さずに作り上げることを意識しています」と回答。菊池は「唯一の二年生役なので人懐っこさが必要なんですけど、僕にはかわいらしい部分がないんですよ。自分は結構ネガティブな方ですけど今回はポジティブな役なので、ふとした時間に明るく生きるようにしています(笑)」と前向きな姿勢を見せた。

また「『クローズZERO』にちなんでゼロにしたいことは?」との質問には、千綿が「部屋を汚すことをゼロにしたいです」と答えると、二葉がすかさず「僕は残高のゼロを増やしたいです」と軽快な回答。続いて織部が「SNSでの誤字が多くて……おバカなイメージをゼロにしたいです!」と訴えると、会場はますます和やかな雰囲気に包まれた。
 
途中、伊崎が「映画ではビジュアルに関する指導はなくて、自分たちで提示したものがコレ(登壇キャストたちの装い)なんです」と裏話を教えてくれる一幕も。三上兄弟の装いについて「(兄・学の)マスクも髪形も(右典が)やりたいって言ったものだし、長ランと短ラン、ドカンとボンタンで二人真逆にしてるんです」との秘話が飛び出し、キャストたちも熱心に聞き入っていた。

観客の熱量も加わって盛り上がりを見せた会見は約1時間で終了。伊崎は、「本番を楽しめるように、日々精進しながら作品作りに取り組んでいきます。ぜひ楽しみにしていてください」と挨拶して退場。最後は主演の松本が、「迫力のある殺陣シーンだけでなく、友情の絆や笑いのあるシーンも盛りだくさんに詰められています。青春をかけて拳一つでぶつかり合う、若者たちの熱を生で感じていただけると思うので、ぜひ劇場まで足をお運びいただけると嬉しいです」とメッセージを送り会見を締めくくった。

取材・文・撮影=堀江有希
※伊崎央登の「崎」は旧字体。

公演情報
劇団番町ボーイズ☆第10回本公演  舞台「クローズZERO」
 
公演日程:2017年11月30日(木)~12月3日(日)(全4公演予定)
会場:CBGKシブゲキ!!


【前売券】S席:7,500円 A席:5,000円 B席:3,000円(全席指定・税込)
【当日券】S席:8,000円 A席:5,500円 B席:3,500円(全席指定・税込)
■ファンクラブ先行  「番ボ☆CHAN」先行発売日 
2017年10月11日(水)12:00~10月18日(水)17:00まで
※S席のみの販売
■一般発売日:2017年10月25日(水)12:00~

■原作:映画「クローズZERO」
   (C)2007髙橋ヒロシ/「クローズZERO」製作委員会
■脚本・演出:山田能龍(山田ジャパン)
■主催:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
 
■公式サイト:http://www.banchoboys5.com/

 
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