横浜美術館で開催される展覧会『石内 都 肌理(きめ)と写真』、そのみどころは? 

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2017.10.24
《絹の夢 #50 併用絣銘仙 桐生》2011年、アーツ前橋蔵

《絹の夢 #50 併用絣銘仙 桐生》2011年、アーツ前橋蔵

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『石内 都 肌理(きめ)と写真』が、2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)にかけて横浜美術館にて開催される。
 
石内都は1947年生まれ。2014年にアジア人女性として初めてハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、現在、国際的に最も高く評価される写真家のひとりだ。国内では8年ぶりの大規模個展となる本展では、石内自らが「肌理(きめ)」というキーワードを掲げ、初期から未発表作にいたる約200点を展示する。

初個展「絶唱、横須賀ストーリー」から40年
国内では8年ぶりの大規模個展

今年、デビュー40周年を迎える石内都。建物や皮膚そして亡き母や被爆者の遺品などに残された生の軌跡から記憶を呼び覚ます石内の作品は、「記憶の織物」とも評され、世界各地で高い評価を受けている。本展は、石内の40年にわたる活動を展覧できる、国内では8年ぶりの大規模個展。「肌理(きめ)」をテーマに自選された約200点を紹介する。

《ひろしま #106 Donor:Hashimoto, H.》2016年

《ひろしま #106 Donor:Hashimoto, H.》2016年

石内都の写真と「肌理(きめ)」

「肌理(きめ)」は、石内の作品のエッセンスを伝える言葉。学生時代に染織を専攻した石内は、物の肌理(きめ)に対する鋭敏な感覚を備え、建物や皮膚や遺品の表層に現れる時間の痕跡を写真におさめてきた。石内の作品は、時間と記憶を封じ込める肌理(きめ)をとらえた写真であり、また、時間をかけて現像された写真そのものは、石内が染め上げた無数の粒子からなるもう一つの表面=肌理(きめ)といえる。本展は、石内の代表作を「肌理(きめ)」というキーワードで捉え直す試みだ。

《Frida by Ishiuchi #107》2012年

《Frida by Ishiuchi #107》2012年

石内都と「横浜」

1975年、石内は家族の住む横浜に暗室を構え、写真家としての活動を始めた。以来、石内のモノクローム写真のほぼすべてが、この暗室で制作されてきた。また、石内はデビュー前から、横浜の風景を撮影。本展では石内が横浜を撮影した最初期の写真「金沢八景」をはじめ、横浜の近代建築に取材した「YOKOHAMA 互楽荘」を展示するなど、石内と横浜の関係に焦点を当てていく。

《Yokohama 互楽荘》1987年

《Yokohama 互楽荘》1987年

「Innocence」「ひろしま」の未発表作と、ふたつの新シリーズを公開

本展では、女性の傷跡を写した「Innocence」、撮影開始から10年目となる「ひろしま」など、既存のシリーズの未発表作を多数公開する。また、新シリーズとして、アメリカのファッションデザイナーの亡き父の遺品の着物を撮った作品や、徳島県の阿波人形浄瑠璃の衣装に取材した作品を展示する。

イベント情報
石内 都 肌理(きめ)と写真

会 期:2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※2018年3月1日(木)は16:00まで
※2018年3月3日(土)は20:30まで
(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木曜日
※2018年3月1日を除く
年末年始 ※2017年12月28日~2018年1月4日
公式サイト http://yokohama.art.museum
 
 

 

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