荒木宏文・丘山晴己の主演舞台『ACCA13区監察課』が本日開幕ーー円形ステージで魅せる濃密な世界

2017.11.3
レポート
舞台
アニメ/ゲーム

©オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会 ©舞台ACCA製作委員会

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2017年8月からのTVアニメ放送も記憶に新しい『ACCA13区監察課』の舞台が、11月3日(土)から品川プリンスホテル クラブeXにて開幕する。

原作は『リストランテ・パラディーゾ』や『さらい屋 五葉』などを代表作とするオノ・ナツメによるコミック。13の自治区に分かれた王国にある巨大統一組織“ACCA(アッカ)”の本部、監察課副課長のジーン・オータスは13区を廻り不正がないか視察を行っているが、徐々に世界を揺さぶるクーデターに巻き込まれていき――。

「もらいタバコのジーン」の異名を持つジーン・オータスをD-BOYSの荒木宏文、ジーンの友人でフリーの記者 ニーノを丘山晴己が演じる。またジーンの妹 ロッタはアニメでも声優を務めた悠木碧が声で出演している。

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ACCAの男性長官であるグロッシュラー役を鈴木省吾、リーリウム役を今村ねずみ、スペード役を平川和宏、パスティス役を鷲尾昇、パイン役を伊藤明賢、モーヴ役は元宝塚歌劇団の蓮城まことが演じる。ACCA本部の本部長である女性モーヴに、ジーンは惹かれている様子。

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世界を巻き込むクーデターという重いストーリーだが、13自治区のそれぞれの個性が色濃く衣装や歌、ダンスなどで表現されている。劇場である品川プリンスホテル クラブeXは円形の舞台。舞台と客席が近く、あらゆるところから演者が登場する。この特徴を生かしての演出はみどころだ。

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公開直前の囲み会見「どの位置から見ても大丈夫」

左からニーノ役 丘山晴己、ジーン・オータス役 荒木宏文、モーヴ役 蓮城まこと

――開幕を迎えてのお気持ちや意気込みをお願いします。

モーヴ役 蓮城まこと(以下、蓮城):もうすぐ皆様にお見せできるのが楽しみでもあり緊張でもあり、ワクワクドキドキしております。私はモーヴという役がとても大好きなのですが、それを漫画やアニメから飛び出して三次元でお見せするのが、私が初めてということでとても緊張していますが頑張りたいと思います。

ニーノ役 丘山晴己(以下、丘山):今回は尋常じゃないくらいのセリフの量です。漢字がとても多くて、最初は読むのがすごく大変でした。でも台本を読むうちに意味を理解していくと、意外と漢字って覚えやすいんだなって思いました(笑)。今回舞台になるということで、ニーノの行動や言葉がかなり凝縮されていると思います。そういった部分を自分の中でどう繋げて表現したらいいかなって考えるのが大変でしたが、精一杯やらせていただきますので、楽しみにしていてください!

ジーン・オータス役 荒木宏文(以下、荒木):円形ステージだからこその演出で、どの角度から見ても満足していただける作品にするために、僕たちは一ヶ月間一生懸命取り組んできました。先ほどまでリハーサルをやっていたんですが、見ていた関係者の方に「すごくぐったりするね」って言わせるくらい、観客を引き込んでしまう舞台になっています。どこから見てもそれを味わえる空気感を、みんなで苦労しながら作ってきたなということを感じています。客席が埋まったことで感じる興奮や喜びが、さらに苦労してきたからこそプラスに働きそうで、初日を迎えることが心から楽しみです。一回見た方でも、今日見れなかった表情を違う席でまた見たいと思うような、次を期待できるような作り込みになっていると思いますので、どの位置から見ても大丈夫だよというパフォーマンスを千秋楽まで精一杯努めたいと思います。

――それぞれの役を演じる上でのポイントは?

蓮城:モーヴはとても強い女性なんですが、人間らしい感情や弱い部分を必死で隠しているという裏の部分をちゃんと作って、それゆえの強さっていうのを意識して演じております。

丘山:二面性です。彼の仕事と、ニーノっていう彼自身のキャラクターとのギャップや二面性をうまく見せることができるようにしています。そこが重要ポイントだと思います。

荒木:原作アニメで見られた方がイメージするジーンってやっぱり脱力系の部分が大きいと思うんですが、それと同時に舞台に立つ人間として首から下の体の作り方は気を抜くことができないので、表情の脱力と首から下の姿勢ですね。全て計算された姿っていうもののバランスをとることがすごく難しかったので、そこを意識して取り組みました。

――円形のステージの大変さ、難しさを具体的にお願いします。

蓮城:普通の舞台だとお客様に見えるところは前だけですが、今回は後ろまで見えてしまいます。髪の毛の先まで見られているという意識でいることがいつもより大変だと思います。

丘山:普通の舞台よりも、自分の立ち姿をよく考えました。前だけで見えるものと360度見られているというのは意識も違います。前が良くて、横が良くても、後ろ姿がアウト! っていう部分もありました。僕は客席の近くにいることが多いんですが、お客様に背中を向けることもあります。綺麗に見せないといけないなって思いました。

荒木:キャストからすると共通して思うのが、見せてる意識と見られている意識の範囲が今まで以上に広くなることっていうのがとても重要になってくるんですが、舞台はスタッフさん込みで一緒に作っているものです。どこで聞いてもどこで歌っても聞こえるスピーカーの位置や、またどこで見ても顔が見えるように円形に向かって照明を当てるっていうのは実はすごく難しいんです。顔が見える向きを決めて喋らないと、どういう感情、どういう表情で言っているのかがわからなくなってしまいます。あえて隠すところもありますが、円形ステージのためどこかからは絶対顔が見えているので、そういった照明の当たり具合もスタッフさんと相談しながら作り込んだというのは、このステージだからこその苦労だったと思います。

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取材・文・撮影=松本裕美

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公演概要
舞台『ACCA13区監察課』

公演期間:2017年11月3日(金・祝)〜12日(日)
劇場:品川プリンスホテル クラブeX
原作:オノ・ナツメ(掲載 月間「ビッグガンガン」スクウェア・エニックス刊)
脚本・演出:石井幸一(一徳会/K・A・G)
音楽:滝千奈美
作詞:うえのけいこ
振付:黒田育世

<キャスト>
荒木宏文 丘山晴己/
平川和宏 鷲尾昇 伊藤明賢 蓮城まこと/
川本成 伊阪達也 鳶野恭平 山﨑晶吾 北川尚弥 前田隆太朗/
文、秉泰 Ibu/
鈴木省吾/今村ねずみ/悠木碧(声の出演)

制作:ネルケプランニング
主催:舞台ACCA製作委員会

 

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