【八王子天狗祭クイックレポ】ゴールデンボンバー 金爆よりオリジナルなことをやってる人間だけが彼らを笑いなさい

レポート
音楽
2017.11.11
ゴールデンボンバー

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八王子天狗祭【天狗ステージ】 ゴールデンボンバー

“今年のハチテンで最も異色な出演者はゴールデンボンバー”という意見に異論のある人はいないはず。しかし、異色であるのと同時に多くの関心を集めていることも事実。天狗ステージはフロアだけでなく2階の座席エリアにも人が溢れている。

ゴールデンボンバー

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ド派手な「#CDが売れないこんな世の中じゃ」のイントロとともに4人が現れると今日初めての嬌声が場内にこだまし、振り回されるタオルの裏地でフロアが白く染まった。エアーバンドの特性をいかした曲のつなぎもテンポがいい。「PAさん、次の曲お願いします」なんて曲の入りも彼らならではだ。
鬼龍院翔(Vo-karu)の「昨日、ミュージックステーションとか出ちゃってて、一番“天狗”ステージにぴったりなゴールデンボンバーです!……うそうそうそうそ! クツとケツをナメさせてください!」という高低差のあるへりくだりでひと笑い起こったあとはメンバーの自己紹介。
喜矢武豊(Gita-)が何度も呟いた「今日は『サイダーでも飲んで』(グドモの曲)が聴きたいなぁ」というフレーズ、樽美酒研二(Doramu)による「『502号室のシリウス』(グドモの最新アルバム)というタイトルの意味を自分なりに解釈してみました!」という意味深なコメントが、後半戦の伏線として散りばめられた。

ゴールデンボンバー

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そして、続くメタリックな歌謡チューン「抱きしめてシュヴァルツ」の中盤で本日のハイライトが雪崩のように襲ってきた。まず、喜矢武がメントスを頬張った状態でサイダーを飲んだ。その直後、彼の口から炭酸が噴水のように吹き上がる。ああ、だからビニールプールが一緒に用意されてたのか。
続いて、“502”と書かれた部屋の入り口が上手から現れ、ドアを開けると尻(シリ)を突き出し、臼(ウス)を担いだ樽美酒が登場。ああ、「502号室のシリウス」ね。気付けば、いつの間にかステージに現れたたなしんと2人で餅つき(の真似事)をやっている。最後は、鬼龍院がMCをしている最中に喜矢武がサイダー由来のゲップを連発。うん、やってることは至ってくだらない。だけど、それを全力でやりきるから笑いが止まらない。これ、すごく大事なこと。

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新曲「やんややんやNight ~踊ろよ東京~」は、Zの動きで手拍子をする光景が異様。楽曲だけでなく振付やその他の工夫でフックをつけるのが実に上手いバンドだ。「†ザ・V系っぽい曲†」ではエアーバンドにも関わらず今日一番のヘドバンを起こすという、他のバンドにとっては皮肉な現象も。
ラストの「女々しくて」まで、1分1秒全くスキの無い構成で35分を駆け抜けたゴールデンボンバー。彼らのことを「演奏してないんでしょ?」と心から笑い飛ばせるバンドがどれだけいるだろうか。完全にオリジナルなスタイルを築き上げた人間は強い。そして、尊い。メモを取るスキを全く与えなかったという意味では、ライター泣かせのバンドでもある。


取材・文=阿刀“DA”大志 撮影=安藤 みゆ(@ad_miyu)

セットリスト
八王子天狗祭【天狗ステージ】 ゴールデンボンバー
1. #CDが売れないこんな世の中じゃ
2. 綺麗になりたくて
3. 抱きしめてシュヴァルツ
4. やんややんやNight ~踊ろよ東京~
5. †ザ・V系っぽい曲†
6. 女々しくて
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