玉木宏、『悪と仮面のルール』で顔に鍼50本打って整形男役に!
玉木宏
12月8日、大阪・梅田ブルク7にて映画『悪と仮面のルール』の先行上映会が行われ、主演の玉木宏が登壇した。
『悪と仮面のルール』は、芥川賞作家・中村文則の小説を映画化したサスペンス。玉木が演じたのは、父親から絶対的な「悪」になるように教育された男・文宏。彼は、愛する人・香織を守るために父親を殺害し、失踪。その後、整形して別人となってからも、香織のために殺人を繰り返していく。
『のだめカンタービレ』など凛々しくもコミカルなキャラクターが印象深い玉木だが、今回演じたのは自身も「今まであまりやったことがない」と話す悪役。しかも整形をした男ということで、「とても繊細な役どころでした。僕は整形の経験がないので、(整形後は)表情をうまく動かせないんじゃないかと考え、知り合いの鍼灸師に、鍼を50本くらい顔面に打ってもらってもらいました。そして包帯を巻き、その感覚を保ったまま整形直後のシーンを撮ったんです」と自分のアイデアを生かしていったという。
また、顔をアップで撮られることも多かったそうで、「整形をしても変わらないものは、目、心の中、癖だと思ったんです。表情には出さないけど、でも動揺しているところでは煙草を吸ったりして。繊細に表現しました」と玉木の意識を役に浸透させていった。
メガホンをとったのは、UVERworldのドキュメンタリー映画『THE SONG』や、福山雅治出演のアサヒスーパードライのCMなどを手がけてきた、中村哲平監督。小説の世界観を壊さず、忠実に物語をなぞりながら、しかし原作にはない設定や、玉木の考えを盛り込みながら制作。玉木は、「(映画の中で)役としてどう生きるか、それを問いかけて、責任を持たせてくれた監督でした」と振り返った。
(C)中村文則/講談社 (C)2017「悪と仮面のルール」製作委員会
「新しいチャレンジができた作品」と自信を持って話す玉木。「世の中に対してどこまでトライができるか、楽しみにしながら現場にいました。善悪の領域とは曖昧なもの。誰かのことがムカつくと思っても、それを理性が抑えている。だけど、大切な人が傷つけられたらどうなるか。そういう想像をしながら観ると、心が豊かになるはず」と映画の魅力をアピールして舞台挨拶を終えた。
映画『悪と仮面のルール』は1月13日(土)全国ロードショー
取材・文・撮影=田辺ユウキ
監督:中村哲平
原作:中村文則
出演:玉木宏、中村優子、吉沢亮、中村達也、光石研、村井國夫、柄本明
公式サイト:http://akutokamen.com
《あらすじ》
11歳の久喜文宏は、この世に災いをなす絶対的な悪=“邪”になるために創られたと父から告げられる。やがて、父が自分を完全な“邪”にするために、初恋の女性・香織に危害を加えようと企てていることを知り、父を殺害して失踪する。十数年後、文宏は顔を変え、“新谷弘一”という別人の仮面をつけ、香織を守るために殺人を繰り返していた。そして、文宏の過去を知る異母兄の幹彦や日本転覆を企むテロ組織が香織を狙い始めたと知った文宏は、ついに自身の背負わされた運命に立ち向かうことを決意するが――。