佐藤隆太と上西星来が紡ぐ残酷でピュアな愛の物語「ダブリンの鐘つきカビ人間」

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「ダブリンの鐘つきカビ人間」

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

名作「ダブリンの鐘つきカビ人間」がPARCO劇場に復活!!

中世のとある架空の町を旅する聡と真奈美は、一人の老人が住む山小屋に宿を借りる。そこで耳にした不思議な歌と鐘の音、そして老人が語る不思議な物語に心を奪われていく。 

その昔…この土地に不思議な病が広がった。病の症状は人によって違い、指に鳥が止まる病、背中から天使の羽根が生えてしまう病、威張れない病、知らない人の名前が次々と口から出てしまう病、目が見えすぎてしまう病…なかでもひどい病に侵された二人がいた。誰も近づきたがらない醜い容姿となった町の鐘つき男「カビ人間」と、思っていることの反対の言葉しか話せなくなった娘・おさえである。

見かけは醜いが、心はたいそう美しいカビ人間。彼の心に触れたおさえはいつしか愛するようになるが、愛が深まるほどに口から出るのはカビ人間への罵倒の言葉ばかり。その心とは反対の言葉がいつかカビ人間を窮地に追い込んでいく。

老人の話を聞くうちに聡と真奈美も、いつしかこの不思議な世界の中に紛れこみ、病を治す伝説の剣・ポーグマホーンを手に入れようとする。そして、物語は悲しく美しく、そして残酷な奇跡へとつながっていく……。

「ダブリンの鐘つきカビ人間」の上演が10月3日(土)からパルコ劇場でスタートした。初日前にはゲネプロと囲み会見が行われ、主演の佐藤隆太、そして上西星来(東京パフォーマンスドール)、白洲迅、大塚千弘、小西遼生、篠井英介が登場し、初日を目前にした心境などを語った。

稽古場でのエピソードを振られると、佐藤はまずは演出家のG2について「とにかく演出がこまやか」と評し「僕らのちょっとした変化にすぐビビッと反応するんです『それ、いいね!』だったり『もっとこの気持ちも載せて』だったり。ちょっとこちらで気を抜いた芝居をしようものなら『そこ甘いよ』とおっしゃってくださったり…本当に刺激的な稽古場だった」と振り返っていた。

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

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一方、本作の作者であり、前回、前々回も出演している後藤ひろひとについては「僕らの頼りどころ」と表現する佐藤。稽古の後に後藤と飲みにいったが、解散後に飲み足りない、と佐藤と中村(昌也)とで後藤の家に押しかけてAM3時ころまで飲んでいたという話を披露。「そんな俺たちにもにこやかに対応していただき、これぞ『大王』と呼ばれる所以かな、と」と笑っていた。

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

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ちなみに後藤本人も会場の一番後ろからこの会見を見学しており、キャストたちから呼ばれるも無言で(そっちにはいかない)アピールをし、笑いを取っていた。

今回、本作のヒロインに抜擢された上西は、どういう感じで本番になるのか、と緊張していたが「劇場に入って場当たりをして、稽古場の蛍光灯の灯りや音楽の大きさでない舞台のスポットライトや音楽を実感して、早く舞台でやりたいと思った。楽しみな気持ちになった」と嬉しさを表現。思ったことと反対の事を言ってしまう娘の役はかなり難しかったようで、「稽古でどんどん感情移入していくうちに、セリフではなく本当に思っている言葉を口にしてしまったり、セリフが出てこなかったりと、何度も失敗した…でももういっぱい稽古したから大丈夫です!」というと共演者たちから「よかった(笑)」と安堵の声が漏れていた。

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

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そんな佐藤や上西たちを眺めながら「若い人たちのパワーみなぎる舞台を、後ろから見守って…」と口にする年長者の篠井だったが「演劇って不思議だね。こんな人(カビ人間)が主役なのも珍しい。想像力を掻き立て、観るものを遠いところに連れていってくれて、世の中の嫌なことを忘れさせてくれる。そして観終わった後にたっぷり余韻が残るんです」と演劇の楽しさを言葉にし、最後は「コレを観ずして何を観る!」ときっちり作品をPR。先輩らしい頼もしい姿を見せていた。

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

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「全くの別世界ではなくて、どこか自分と置き換えられたり、リアルと幻なのか…観てくださるお客様にも幅の広い旅をしてもらえるんじゃないかなと思う。前回、前々回とはまた違う2015年のカビ人間が出来上がったんじゃないかな」と上演に対して自信を見せる佐藤。事実、ゲネプロの内容は、ファンタジーでありつつも、どこか現実の世界が脳内で想起されるような不思議な世界。あっという間に終演を迎え、観劇後、もう一度観たくなる舞台となっていた。

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

「ダブリンの鐘つきカビ人間」

ぜひパルコ劇場へ。

公演情報
PARCO & CUBE present「ダブリンの鐘つきカビ人間」

2015/10/3(土)~10/25(日) PARCO劇場 (東京都) 
2015/11/4(水) 福岡市民会館 (福岡県)
2015/11/6(金) JMSアステールプラザ 大ホール (広島県)
2015/11/13(金)~11/15(日) 森ノ宮ピロティホール (大阪府)
2015/11/17(火) 仙台電力ホール (宮城県)
2015/11/20(金) 札幌市教育文化会館 大ホール(北海道)

■作:後藤ひろひと
演出:G2
出演:佐藤隆太 上西星来(東京パフォーマンスドール)
白洲 迅 大塚千弘
小西遼生 中村昌也 木戸邑弥 明樂哲典
マギー 後藤ひろひと 吉野圭吾
篠井英介
村井國夫

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