“始まりの地”ー神戸での積み重ねが今に繋がっている フレデリック結成の地・神戸で初のアリーナワンマンへの想いを語る

2018.2.6
インタビュー
音楽

フレデリック 撮影=森好弘

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フレデリックが、4月30日(祝)に兵庫県・神戸 ワールド記念ホールで初のアリーナワンマンライブを開催する。神戸はバンド結成の地であり、メジャーデビュー翌年の15年に上京するまで、三原健司(Vo./Gt.)と三原康司(Ba.)、そして赤頭隆児(Gt.)が活動の拠点としてきた街。そして、17年には、高橋武(Dr.)がメンバーとして正式加入することを発表した場所でもあり、彼らが新たな一歩を踏み出す起点となってきた、全ての“始まりの地”が神戸なのだ。そして、彼らは初のアリーナ公演という大きなターニングポイントを、再び神戸で迎えようとしている。今のフレデリックを築き上げたという、神戸時代からバンドの変遷を辿りながら、開催当日が迫る今の心境を聞いた。

――フレデリックにとっての“始まりの地”である神戸で、いよいよ初のアリーナワンマンが開催です。

康司:ここに来るまで、ほんと色々なことがありました。武くんが加入する前は、Kaz.くんがいて、その頃から築きあげてきたものが今になっています。改めて、神戸 ワールド記念ホールに向けて、色々と思い返したりもするんですけど、結成当時からの気持ちを忘れず、ステージにきちんと持っていきたいなと。今はひとつひとつのライブにおいても気持ちが入っているなと感じます。当日に向けて、バンドとしても気合いが入ってるだけでなく、いい形でリラックスしてやれてる状態です。

――神戸での活動があったからこそ、今のフレデリックがあると。

隆児:今は普通にお立ち台に乗って演奏ができてるんですけど、結成した頃はあまり自信がないタイプだったので、ステージのお立ち台に立つこともなかったんです。だけど、神戸のライブハウス・太陽と虎で初めてお立ち台に立った日から、「メジャーデビューをして、自信のあるCDをリリースしてこれた」、という積み重ねがあるからこそ今の演奏に繋がっているなと僕も感じます。

――健司さんはいかがですか?

健司:結成してから今まで、本当に色々なことがありました。良いことも悪いことも、全部力になって今があるのは確かです。もしかすると、ミニアルバム『oddloop』を出す前のフレデリックを知ってる人は少ないかもしれないし、『oddloop』で知ってもらって最新作の『TOGENKYO』を聴いてくれている人が、インディーズ時代のフレデリックを聴くと、「別の音楽?」と思われるんじゃないかってぐらい、今とはギャップのあることもやってきました。だけど、その時の経験が土台になっているからこそ今がある。これまでにやってきたこと全てが枝分かれしてるんじゃなく、ひとつの柱になり自分たちの芯ができて、今の“フレデリズム”という言葉があります。その芯が今もどんどん大きく、そして伸び続けてるような感じはしますね。

これまでにやってきたこと全てが枝分かれしてるんじゃなく、ひとつの柱になり自分たちの芯ができて、今の“フレデリズム”という言葉がある

三原健司(Vo./Gt.) 撮影=森好弘

――神戸でのインディーズ時代の活動が柱になってきたというのは、どのタイミングでそう感じるようになったのでしょうか。

健司:今、振り返ってみたら気づくと柱になっていたなという感じです。その時は、無我夢中でやっていましたから。後々のことは考えていなくて、「今やってる音楽が一番楽しい」ということを毎回続けてきて、それが振り返ってみると柱になっていたなと。常に新しいことに挑戦してきた結果が、今のフレデリックの柱になり芯になっている。

――バンドの根幹は変わっていないと思うのですが、「インディーズ時代とはギャップのあることをしてきた」その積み重ねの過程で、葛藤もあったのでしょうか?

健司:葛藤というよりも、感覚としては“挑戦”の連続だったと思っていて、その中で新しい楽しみ方を見つけたなという感じですね。インディーズの頃は、「自分たちが一番楽しければ、お客さんが100人でも1人でもいい。楽しいことをやってるから観てくれよ」というスタイルでやっていたと思います。その後に、事務所に入ったり、色々なライブに出させてもらえるようになるにつれて、フロアにいるお客さんの様子を見ていると「この人達と一緒に楽しむことが、新しい自分たちの道なんじゃないかな」と気づき始めたんです。それで、一緒に楽しめるにはと考えた時にできた曲が『オドループ』。そこから確かに、色々と見出すことができたかなと思っていますね。

――そんな『オドループ』について、2016年開催の『オンリーワンダー』のツアーワンマンでは「『オドループ』だけのバンドじゃないぞ!」と、怒りやシーンに対してのアゲンストなMCがありましたね。だけど、今回の『TOGENKYO』ツアーのワンマンは、そういう熱量とはまた違う、康司さんが仰っていたようなリラックスした余裕がある強さを凄く感じました。

健司:確かに、16年の自分たちには、そういうところがありました。というのも、14年のデビューから様々なものを得てきました。だけど、15年にメンバーの脱退があり、3人でやっていかないといけなくなったので、自分たちでしっかりと引っ張っていけるようなバンドになりたいなと思っていたんです。「3人で作ったものを、3人でやっていくんだ」という意思表示をする年にしたいって。ひと言で言えば、まさに“熱量”を高めることをライブでは意識しました。アツいMCとか、楽曲の持っている素晴らしさを高めるために熱量を高める、そういうライブをしていて、ワンマンツアーでも「自分たちの良いところを見せたい」という気持ちが、強かったと思います。だけど、そこでそういったアプローチをやってきたからこそ、今はバンドとしての余裕というか、力を抜くことで世界観がより広がるんじゃないかと思えるようにもなったんです。ボーカリストとしての幅を広げるという意味では、大人にもなってきたので色気を出していきたいなとか。そういうライブのスタンスの変化は、デビュー後も少しずつあったと思います。

隆児:空回りしていたわけではないと思うんですけど、そういう熱量で引っ張っていくような表現をしたことで、今はまた違ったアプローチができているとは思います。良かったことも悪かったこともありますけど、やっぱり全部、今に生かせていますね。

赤頭隆児(Gt.) 撮影=森好弘

――武さんは、17年に神戸のライブイベント『COMIN'KOBE17』で加入を発表。メンバーにとって大切な場所である、神戸での発表について思うところもあったのでは?

:そうですね。発表を神戸ですることによって、「僕も仲間に入れてもらえた」という実感がすごく強くあり嬉しかったです。バンドのメンバーになるというのは、発表するのはその瞬間ですけど、活動としてはその前からスタジオに入ったり、レコーディングしたりとずっとあるじゃないですか。だけど、そういったどの時間よりも、なにより実感できたのは神戸での発表の瞬間だったなと思います。

――メンバーに加入したことで意識の変化や関わり方も変わっていきましたか?

:具体的に楽曲制作については、そこまで変わってないと思います。だけど、メンバーになると共有することが多くなるので、例えば「何を目標にするか」だったり「この曲はお客さんにこういう風に届けたい」という話があった上で、アレンジを考えることになるので自然とアレンジの考え方で変わってきたところはありますね。それでも、そこまで大きく変化はないです。それはきっと、サポートの頃から3人とはしっかりと関係性を築けていたからこそ、共有するべきことは共有しながら今の4人でのフレデリックを作れてきたんだと思います。

原点を思い出して、自分たちが育ってきたのは神戸だから、神戸じゃないといけないと改めて強く思った

三原康司(Ba.) 撮影=森好弘

――フレデリックの結成、そして武さんの加入と大きなターニングポイントを迎えてきた、神戸で今度は初のアリーナワンマンに挑戦。いつから視野に入れていたのでしょうか?

健司:3人で共通して思っていたのは、上京した時ですね。それまでは、あえてこれといった目標を置かずにやってきたんですけど、上京するという人生において重要なタイミングで、一つの目標を立てることも大事だと思ったので。それこそ、今年はこのステージに立って、次はZeppツアーをして、というような目標をひつとひとつ立てた中に、“始まりの地”である神戸 ワールド記念ホールでの初のアリーナ公演もありました。

――その目標に、いよいよ挑戦しようと決心するに至ったキッカケというのは?

健司:そもそも、いつかアリーナに立ちたいと思ってきた中で、いざその日を迎えるならこれまでと同じことをやりたくないという想い、それと今までやってきたことをちゃんとそこにぶつけたいという気持ちがあって、神戸 ワールドに新しい曲を持っていきたいと思っていたんです。そんな時に、康司が『TOGENKYO』の曲を持ってきて、その瞬間、「この曲があれば、絶対にアリーナに立てる!」と確信を持てたんですよ。それで、みんなと「この曲を神戸ワールドに、絶対に連れて行こう」という話になって、決意しました。

――康司さんは、神戸 ワールドを意識して作られたということではなく?

康司:そうですね。本当にいいものを作ろうとしか考えていなかったです。それを健司が、そんな風に言ってくれて、その気持ちがうれしくて、初めて作詞作曲して曲を作った時のことを思い出したんです。原点を思い出して、自分たちが育ってきたのは神戸だから、神戸じゃないといけないと改めて強く思ったのを覚えています。

――イイものを作ろうという純粋な気持ちから生まれた曲が、結果的にフレデリックの原点で新たなステージに挑むきっかけを作ったと。

康司:そうなんです。自分で、すごくミュージシャンらしいなと思いましたね(笑)。だって、そうじゃないですか。音楽を作って、「カッコいいからここで聴いてほしい」と言えたら、それでいいと思うんです。なので、曲ができて「神戸 ワールド記念ホールでやろう」と言えるのはミュージシャンだなと。なので『TOGENKYO』をするのが、本当に楽しみなんです。

神戸 ワールド記念ホールを視野に入れることで、自分たちの内面をまた再確認することができた

高橋武(Dr.) 撮影=森好弘

――『フレデリズムツアー2017』も東京公演と2月4日開催の台湾の番外編が終わり、遂に当日が迫ってきましたね。

隆児:最近は、大きいステージでのライブを観に行って参考にすることもあって、「こういう風にすれば、より届けられるんじゃないか」という話をみんなでよくするようになりました。「自分が大きなステージに立った時はこうしよう」とか考えるようになりましたし、大きいステージに立つことの自覚が、それぞれできてきたなと思います。

康司:ケーブルを繋ぐシールドもエフェクターもステージによって変わるなとか、ひとつひとつ些細なところから覚悟を持って取り組めていますね。それは音楽だけじゃなく、人との接し方だったり。お客さんに対してどういう気持ちで動いているのかとか、そういう姿勢や空気感をメンバー間で共有できているなと思います。

:確かに、大きいステージにむけて、意識しないといけないことが変わってきてはいるかなと思います。神戸 ワールド記念ホールを視野に入れることで、自分たちの内面をまた再確認することができているし、改めて自分たちの音楽の核の部分が見えたところもあります。より大きいところにバンドとして対応できるようになり、自分たちの音楽がさらに成長させるきっかけにもなっているなと。

康司:せやなぁ。本質が見えてくるよな。自分は大きなステージに向けて、どこを成長させていくのかとか。それが音楽だったり、それぞれステージで話す言葉の大きさだったり。そこって人柄が出るところなので、改めてメンバーの個性も再確認できたなと思うんですよね。

――ライブごとに、バンドのスケール感や楽曲の届き方がどんどん突き抜けていってるなと感じていたのですが、それは大きなステージを意識し続けているからこその変化だったんですね。ちなみに、それぞれ核の部分を見つめ直して、より研ぎ澄ませていってる中で不安や焦りもありますか?

健司:演奏面や歌唱面とは別に、気持ちの話にもなってくるんですけど……。アリーナ公演はライブハウスとは景色が全く違ってくるじゃないですか? 単純に人の数だけじゃなくて、音楽の聴こえ方も違いますし、距離感も違う。それで、疑問がひとつできたんです。それは、お客さんとの距離が遠い、メンバーとも離れてるとなると、孤独感が生まれてしまうのではないか、という不安です。そういうところって、メンバー同士なら「そうじゃないよな」って、話し合うことができるんですけど、お客さんとは難しい。そういう疑問があったので、お客さんとバンドで気持ちを繋げて一緒にアリーナに行きたいなと思って、『フレデリズムツアー2017』ではあえてアリーナの話をしっかりとしました。当日までは、ライブやその他の活動でも、気持ちの部分で繋がれるように取り組んでいきたいなと思っています。気持ちで繋がって、お互いの距離がちゃんと伝えられたらなと。

――ツアーMCで印象的だった、健司さんの「このライブハウスの景色を、そのまま神戸に持っていきたい」という言葉がまさに、気持ちを繋げていく、気持ちを分かち合う瞬間ですよね。

健司:あえて何も言わずにアリーナに立つのもカッコいいなと思うんですけどね。フレデリックにとっては、そうやって言葉できちんと伝えるのが一番大事なんじゃないかなと思っていたら、自然とMCで話していました。今回に限らず、ずっと“繋がりたい”と思っていたというのもきっとあると思います。

:ライブハウスなら全員と握手して気持ちを伝えようと思えばできないこともないと思うんですけど、お客さんの人数も増える今回のような大きい規模になると現実的に厳しいですからね。そのために僕たちは、当日までも当日も、1人1人と向き合うべきだと思うので、そのために使うエネルギーをさらに強く持たないといけなと。

“今、一番楽しいと思えること”と向き合ってきたバンドなので、アリーナに立って初めて分かることを、今後また形にしていきたい

フレデリック 撮影=森好弘

――なるほど。武さんにとっても、改めて神戸という土地で、メンバー加入に続く大きなターニングポイントを迎えることに。

:そうなんです! やっぱり、3人が共有していて僕は共有していないことが現実的にあります。だからこそ、僕は僕でしか経験していないことがあるから、それをフレデリックで生かせるように活動しているんですけど、今回の様に大きなターニングポイントを神戸のステージに立つことで、4人でまたひとつ共通点を見いだせるというのは、すごく嬉しいなと思います。

――これまでの活動の集大成であり、ツアーで気持ちで繋がってきたお客さんとの集大成が神戸に。当日はどんな景色が、“TOGENKYO”が広がっているのか、凄く楽しみです。また、ライブを通して、全国からたくさんの人に、地元に足を運んでもらえるのも嬉しいですね。

健司:もちろん地元の良さもちゃんと伝えたいし、自分たちが神戸でやってきたということも伝えたいです。それと、神戸でお世話になった人にもライブを見てもらいたいなと思います。だけど何より、ここから新たに始めるんだということも伝えたいですね。それこそ、“今、一番楽しいと思えること”と向き合ってきたバンドなので、アリーナに立って初めて分かることを、今後また形にしていきたいなと、すでに考えていますから。神戸 ワールド記念ホールが、決してゴールではなく、まだまだやりたいことがあるので、その“始まり”だと思っています。もっと先を見ているからこそ、4月30日は自分たちの気持ちを伝えるだけじゃなく、気持ちを繋げてきたお客さんと一緒に、これからに向けて歩幅を合わせていけるような日にしたいです。

フレデリック 撮影=森好弘

取材・文=大西健斗 撮影=森好弘

イベント情報
『FREDERHYTHM ARENA 2018 ~KOKYOのTOGENKYO~』
2018年4月30日(月・祝) 神戸 ワールド記念ホール
先行受付(先着順):2月6日(火)12:00~2月8日(木)18:00
一般発売:2月11日(日)10:00
 

 

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フレデリックサイン入りチェキ 3名様プレゼント

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