『XYZ TOUR 2018 -DJ STYLE-』ツアーファイナルをレポート 切磋琢磨し合う猛者たちが届けた至高の夜
luz
XYZ TOUR 2018 -DJ STYLE-
2018.3.31 EX THEATER ROPPONGI
luzがオーガナイザーを務め、2015年から夏と冬に開催されているイベント『XYZ TOUR』。動画投稿サイトを中心に活動するアーティストが集い、ツアーごと、会場ごとに異なる出演者たちが“至高の夜”を届けてくれているわけだが、2018年1月からは32公演に及ぶ『XYZ TOUR 2018 -DJ STYLE-』がスタート。ここでは、3月31日にEX THEATER ROPPONGIにて行われた、今ツアーのレギュラーメンバーであるluz、ピコ、un:c、あらき、nqrseに加え、みーちゃん、Eve、SILVANAが出演した最終公演第2部の模様をお届けする。
XYZ TOUR 2018 -DJ STYLE-
DJ kung fu jumperがフロアを十分に温めてくれた上で、まず登場したのはluz。1曲目にチョイスしたのは、いきなりオーディエンスを昂らせてくれる「ヒバナ」だ。ステージ前方に幾筋ものジェットスモークが噴き上がる中、「“XYZ”ファイナル、いくぞ!」「もっともっと、全員かかってこい!」と煽れば、オーディエンスも全力でコール。お立ち台に乗って手を広げ、「至高の夜を届けに来たぞ、頭振れ!」と扇動するその姿、なんて求心力があるんだ!
un:c
SILVANA
「東京ファイナル、全員跳べ!」と勢いよくステージに出てきて、「エイリアンエイリアン(DIVELA REMIX)」でコラボしたのはun:cとSILVANA。ステージの上手と下手に分かれ向き合って歌ったり、タイミングを合わせてジャンプしたり、2人並んでお立ち台に立ったり。息もぴったりである。
切なくもキャッチーな「お気に召すまま」、ファンキーな「命ばっかり」とガラっと異なる表情をEveが見せたと思ったら、「最高の夜にしようぜ!」と、「テオ」で骨太い低音から抜けのいいハイトーンまで響かせたのはピコ。あらきとnqrseは「やっぱり最初はおまえらに聴いてほしいんだよ!」と、コラボとしてのできたての新曲「ロキ」を初披露。ただでさえアッパーなダンスチューン、向かい合ってのかけ合いも楽しい。
あらき
Eve
ピコ
あらきとnqrseが「“せーの”で店長呼んでください」と呼び込んだのは、エクササイズジム?の店長という設定のピコ。「みなさんが盛り上がって気温・体温が上がると、僕たちのエクササイズもはかどります!」というピコが持ってきた色違いのおもちゃの刀をそれぞれ手に、華麗な刀さばきやターンもきめながら歌うのは、「ダンシング☆サムライ(Remix ver)」だ。相当な運動量のパフォーマンスをこなす3人につられて、場内の熱気もひたすら上昇していく。
「段取りではピコさんが俺の刀を持っていってくれるはずだったんだけど(笑)、サムライラッパーでいきます!」と笑顔を見せたnqrse、「Kisaragi station」で日本語ラップを鋭くたたみかけたかと思うと突然メロウなサビに展開したりと、心地よく翻弄してくれる。
ピコ、nqrse、あらき
「32公演分の愛を伝えます。聴いてください」と「産声」を歌い、エンディングのロングトーンにありったけの想いを込めたun:c。センチポップな「君が生きてなくてよかった」、ジャジーな「フィクサー」とこれまた変幻自在ぶりを見せつけたSILVANA。「砂の惑星」で低音ボイスを活かしたみーちゃんは、その後「ネコミミアーカイブ」でluzと妖艶コラボ。向き合ってスリリングにかけ合ったり、ぐっと近づきすぎたり、どれだけ興奮させるんだ。
un:c
Eveとun:cがコラボした「ナンセンス文学」では、un:cがEveを導いてセンターで横並びで歌ったり、いたずらっぽくEveの顔をのぞきこんで歌ったりしつつ、最後にEveが「よくできました」と言えば、大歓声が上がる。
「シャルル」ではEveとluzがコラボ、それぞれの柔らかな歌声で惹き込んだかと思うと、「メリーバッドエンド」ではluzが退廃ムード満載な歌声で酔わせたり。luzのエモーショナルな歌声、nqrseのキレキレなラップが融合する「パラサイト」では、2人が至近距離で向き合ってキス!?する場面も。
あらき
さらには、あらきとピコのハイトーンが圧巻なヘヴィチューン「ゴーストルール」。早口でまくしたてるように歌いながら、ピコがフロアをまとめあげていった「拝啓ドッペルゲンガー」。un:cの主導でペンライトを消したオーディエンスがいっそう一体感を高めていった「チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!」。入れ代わり立ち代わり、矢継ぎ早に個性的な世界観と歌力で魅せて、コラボによる化学反応もどんどん起きる『XYZ TOUR』は、本当に楽しくて刺激的だ。
ピコ
みーちゃん
un:c、ピコ、nqrse、SILVANA、みーちゃんで歌った「ギガンティックO.T.N」では、un:cがみーちゃん、SILVANAの肩に手を回すとピコ、nqrseもギュっと寄ってきたり、5人でセンターお立ち台に乗って手をつないだり。luzとピコ2人の美声が映える「一心不乱」では、すれ違いざまにタッチしたり、luzがピコをうしろからハグ&キス!?も。luzとあらきが背中合わせになって歌い始めた「一騎当千」では、あらきがluzを挑発すればluzがあらきのネクタイをクイと引っ張って、オーディエンスのコールもますます熱を帯びる。
luz
そして、本編の締めくくりに全員が横並びで歌ったのは「Secret Answer」。それぞれの見せ場もあった上で、luzの心からの「愛してる」という言葉。目も耳も幸せすぎる時間は、あっという間に過ぎてしまう。
アンコールでは、いつからかオカマキャラとなったピコ、下ネタマスターのun:cを中心にわちゃわちゃして、「デリヘル呼んだら君が来た」では8人の遊び心が爆発。笑顔を交わしたり、肩を組んだり、お互いに信頼して尊敬できる者同士だからこその素敵な光景は、『XYZ TOUR』ならではだ。
XYZ TOUR 2018 -DJ STYLE-
オーディエンスに向けそれぞれが感謝を述べ、最後に挨拶をしたluz。「『XYZ TOUR』がここまでの規模になって、僕が一番びっくりしているし夢のようです。ずっとひとりだったし、みんなと一緒になにかをするのは苦手だったけど、メンバーやファンのみなさんに囲まれて本当に幸せです。またパワーアップしてみんなに会いに来たいから、すべての想いをのせて“至高の夜”をお届けします」
そう前置きして、ラストの「CocktaiL」へ。全員で歌声を重ねて紡ぐのは、まさに“心を揺さぶるミュージック”。切磋琢磨し合う猛者たちの宴、次はいつかと、早くも胸が高鳴ってしまう。
取材・文=杉江優花 撮影=小松陽祐(ODD JOB)、加藤千絵
全ライブ写真はコチラ⇒http://spice.eplus.jp/articles/182556/images
セットリスト
2018.3.31 EX THEATER ROPPONGI
2. エイリアンエイリアン DIVELA REMIX (un:c、SILVANA)
3. お気に召すまま(Eve)
4. 命ばっかり(Eve)
5. テオ(ピコ)
6. ロキ(あらき、nqrse)
7. ダンシング☆サムライ Remix ver (あらき、nqrse、ピコ)
8. Kisaragi station(nqrse)
9. 産声(un:c)
10. 君が生きてなくてよかった(SILVANA)
11. フィクサー(SILVANA)
12. 砂の惑星(みーちゃん)
13. ネコミミアーカイブ(みーちゃん、luz)
14. パンダヒーロー(みーちゃん)
15. ナンセンス文学(Eve、un:c)
16. シャルル(Eve、luz)
17. メリーバッドエンド(luz)
18. パラサイト(luz、nqrse)
19. インターネッツ・ディスコ(あらき、nqrse)
20. サイレーション(あらき)
21. ゴーストルール(あらき、ピコ)
22. 拝啓ドッペルゲンガー(ピコ)
23. チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!(un:c)
24. ギガンティックO.T.N(un:c、ピコ、nqrse、SILVANA、みーちゃん)
25. 一心不乱(luz、ピコ)
26. 一騎当千(あらき、luz)
27. Secret Answer(あらき、un:c、Eve、SILVANA、nqrse、ピコ、みーちゃん、luz)
[ENCORE]
28. デリヘル呼んだら君が来た(あらき、un:c、Eve、SILVANA、nqrse、ピコ、みーちゃん、luz)
29. CocktaiL(あらき、un:c、Eve、SILVANA、nqrse、ピコ、みーちゃん、luz)