浅利演出事務所『ミュージカル李香蘭』が開幕~「二度と戦争は起こしてはいけない」と思って欲しい(浅利慶太)
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『ミュージカル李香蘭』
浅利演出事務所『ミュージカル李香蘭』2018年公演が2018年4月10日(火)開幕した(4月22日まで)。企画・構成・演出は浅利慶太、作曲は三木たかし。
この作品は日中戦争のさなか、中国で一世風靡した歌姫・李香蘭として生きた山口淑子の半生を描いたミュージカルである。戦後70年以上が経過し、若い世代にとって戦争は遠い過去の出来事となり、また戦争体験世代の高齢化により、語り部も失われつつある中で、「悲劇が繰り返された“昭和”という時代を決して風化させてはいけない」という演出家・浅利慶太の思いから、1991年の初演以来上演され続けてきた。
2017年に日中国交正常化45周年、2018年には日中平和友好条約締結40周年を迎えるなど、両国にとって節目となる大切な年が続く中で、今回の上演に接することは、平和を願い続けた山口淑子の生き様に思いを馳せる良い機会たりうるだろう。
『ミュージカル李香蘭』
演出の浅利慶太、そしてタイトルロールの野村玲子からコメントが届いたので紹介する。
演出家・浅利慶太 コメント
「李香蘭」は昭和の歴史の本質を描いた作品です。
今のお客様に理解していただけるように丁寧に作っています。役者たちは気分や感情ではなく、時代を実感して生きること、どんな苦しみや怒り、悲しみがあったのかを実感してやってくれています。それをご覧になって、きっとお客様も、あの時代がどうだったのかリアルに感じていただけると思います。
この芝居を観て「二度と戦争は起こしてはいけない」と思っていただきたいですね。
李香蘭役・野村玲子 コメント
李香蘭は毎回「これが最後」と思って作品と向かい合っていますが、こうしてまた李香蘭を生きることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。
演出家の「李香蘭は、昭和の戦争というタピストリーが織り上げられる中で出来上がっていった、赤くて綺麗な一本の線」という言葉が、私の役作りの原点になっています。そして、今回は新しいメンバーも多く、ゼロからそのタピストリーを一緒に作り上げてきました。山口(淑子)先生は、後に平和のための活動をされるようになりました。カンパニー一同その思いを受け継ぎ、祈りを込めて『ミュージカル李香蘭』をお客さまにお届けいたします。劇場でその思いを受け取っていただければ幸いです。
『ミュージカル李香蘭』
満州事変から太平洋戦争へと突き進んだ混迷の時代、日本人でありながら、流暢な中国語を話す山口淑子は、類まれなる美貌と歌の才能を認められ、中国の歌姫「李香蘭」として人気を博す。その人気を日本軍の宣伝に利用された彼女は、終戦後、中国で祖国反逆者の罪で裁判にかけられる。
公演情報
■会場:自由劇場 JR東日本アートセンター(東京・浜松町)
■作曲:三木 たかし
■振付:山田 卓
■装置:土屋 茂昭
■照明:沢田 祐二
■衣裳:森 英恵・李 艶萍
李香蘭:野村 玲子
川島芳子:坂本 里咲
李愛蓮:樋口 麻美
杉本:近藤 真行
王玉林:桑島ダンテ
ほか
■上演時間:2時間45分予定(20分間の休憩を含む)
■公式サイト:http://www.asarioffice.com/rikoran2018.html
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※3歳以上のお子さまが観劇される際は、お席をお求めください。2歳以下のお子さまを膝の上に抱いてご覧になる場合でも、お抱きになる方の肩より頭が出ないお子さままでとし、後席へのご配慮をお願いいたします。