ClariSの夢空間へようこそ! 『ClariS 3rd HALL CONCERT in 舞浜アンフィシアター ♪over the rainbow ~虹の彼方に~♬』レポート

レポート
アニメ/ゲーム
2018.4.13

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ClariS 3rd HALL CONCERT in 舞浜アンフィシアター♪over the rainbow ~虹の彼方に~♬
2018.3.29(Thu) 舞浜アンフィシアター

2010年に謎の中学生ユニットとしてデビューしたClariS。2014年には初代メンバー・アリスの卒業。そして、新メンバーのカレンの加入を経て、現在に至る。メジャーデビュー前の2009年、「アリス☆クララ」としての活動から数えると今年は足掛け10年目になる。

そのスタートとなる単独ライブが「ClariS 3rd HALL CONCERT in 舞浜アンフィシアター♪over the rainbow ~虹の彼方に~♬」だ。ClariS 3回目となるホールコンサートは、第1回、第2回が行われたパシフィコ横浜国立大ホールから、2018年は舞浜アンフィシアターへと場所を移した。そして3月29日の夜公演と3月30日は昼・夜の2回公演、計3回のライブが行われた。今回は、初日となる3月29日公演の様子をレポートして行きたい。

開演前からClariSの世界へ誘う数々の仕掛けが…

開演前、来場者に向けての注意喚起やグッズの告知が放送される。どこかで聞いたことがある声に耳を傾けていると、硬い口調から突如、やわらかい声色で「クララでしたー」との声。会場内では、一気に歓声が沸き上がる。

開演直前になると、今度は空港のロビーで流れるような搭乗手続きに関するアナウンスが流れ始める。会場の観客たちも怪訝そうな顔をしながらも開演を待っているが、この時すでにライブの仕掛けはスタートしていた。

開演と同時にステージ背面の巨大スクリーンで可愛らしい2匹のウサギのパペットショーが始まる。声はもちろんクララとカレンだ。観客に向けてのウェルカムメッセージと共に、話題は先日ClariSの二人が参加したシンガポールの「C3AFA」の話題へ。現地では色々写真を撮って、今回の公式パンフレットにも使用されたと語られる今回のホールコンサートはそのシンガポール行きの飛行機の中で、カレンが見た夢の内容をコンセプトにしているという。開演直前の搭乗手続きアナウンスはこの話題の伏線だったのだ。

パペットショーが終わると、スクリーンには飛行機の窓から外を見ているような映像。寝ているカレンにクララが呼びかける声が次第に遠くなると同時に暗転、カウントダウンが始まりライブがスタートした。

夢に落ちたカレンの夢世界をなぞるようにライブが始まる

前回、ホールコンサートで初めて素顔を見せたClariSだったが、まずは従来通りベネチアンマスクの仮面をつけて、ブルーをベースとした長いドレスの衣装で登場した。

オープニング曲は眠りの世界に迷い込んだ二人が歌う「眠り姫」。ラテン調のアップテンポなサウンドに大人っぽく、抽象的な歌詞の内容と、どこか悲しい独特の雰囲気のある楽曲。続けてややスローなピアノソロで始まったのは、「Cloudy」。ドラムが加わると一気にスピード感が増し、テンポの強弱が激しいチューンだ。秘めた恋心を最後まで打ち明けられない青春時代の淡く切ない歌詞の楽曲。2曲続けて哀愁を感じさせる楽曲が披露され、かなり攻めた挑戦的なセットリストに感じた。

M3は、前の2曲とは違ってマーチ風のファンシーな楽曲、「トパーズ」。背景のスクリーンには牧草地を思わせる可愛らしい絵が流れる。歌詞にある七色の線はまさに、今回のタイトルにある虹を表している。ここでClariSの二人が「3rdホールコンサート1日目! 盛り上がっていきましょう!」と観客に呼びかける。

楽曲が終わると、ダンスパフォーマーのKUMAこと熊谷拓明が登場。前回の第2回ホールコンサートでもライブ演出の一環で幕間劇が行われており、様々な役をこなして会場を盛り上げた同氏は、ファンにはお馴染みだ。

今回は、動くカカシに扮装し、なんでも願いごとを叶えてくれるエメラルドシティの魔法使いに、知恵をもらうために旅をしているという設定。

コンサートのタイトル、「虹の彼方に」はクラシック映画「オズの魔法使い」の劇中歌であり、コンセプトが「オズの魔法使い」であることがここで明かされた。幕間劇が終了すると、衣装チェンジを終えたClariSが春らしいピンク色のドレスで、仮面を取った素顔で登場! 素顔を観られるのはライブならではで、ファンにも嬉しい時間となる。

最初の曲は「ハルラ」。春をコンセプトにした楽曲で、ピアノソロのイントロが流れだすと同時に歓声が上がる。

「ハルラ」のアウトロから、歓声が鳴りやまぬまま、テレビアニメ『ニセコイ』のタイアップ曲、「STEP」のイントロが流れだすとまたもや大歓声があがる。人気の高い楽曲だけに、ファンも熱い。前奏から「ハイ! ハイ!」のコールも大音量だ。

続いてM6は、興奮をクールダウンするかのように、ややスローな楽曲、「graduation」。タイトルの通り卒業がコンセプトで、別れの切なさと未来への希望が表現されたバラードだ。アップテンポな曲で盛り上がった会場が、今度は二人のハーモニーをじっくり聞き入る静かなステージとなった。

歌い終えたClariSの二人がステージから捌け、照明も落ちる。ここで、バックステージに控えていたピアノに照明があたり、ピアノソロのイントロで演奏が始まった。

ソロ曲を挟みながらクライマックスへ

M7「本当は」が始まる。しかし、舞台袖から再び現れたのはクララだけ。なんと、今回はクララがソロで歌い上げる演出で、楽器もピアノだけと非常にシンプル。クララの透き通るような歌声と、大人っぽい雰囲気に観客が酔いしれ、曲が終わった後は、感動の拍手につつまれた。

再び幕間劇が開始される。今度は女性のパフォーマーがライオンに扮し、可愛らしいダンスを踊りながら登場。ピアノ伴奏者に恋をするが思いを伝えられないというエピソードが展開。カカシが登場し、ライオンに告白する勇気をもらうために、エメラルドシティに行こうと誘いだす。ここで第2幕が終了。

衣装チェンジが終わったClariSが、イエローを基調とした明るいドレスの衣装で登場。

奏でられたイントロはテレビアニメ『エロマンガ先生』のタイアップ曲「ヒトリゴト」。ClariSの二人から「皆さん、まだまだ行けますかー!?」、「もっと声出していくよー!」と声がかかると、ファンから歓声があがる。バスドラムの4つ打ちに思わず踊りだしたくなるような楽曲で、会場が一気に盛り上がる。

歓声で会場が揺れる中、続いて流れてきたM9は「君の知らない物語」。テレビアニメ『化物語』タイアップ曲のカバーで、疾走感のある早いテンポのピアノが特徴的。今回は所々にストリングスが入ったアレンジが効いている。様々なアーティストにカバーされている人気楽曲だけに、歌いだしと同時に会場からは大歓声だ。

次に流れてきたM10は「blossom」。ClariSの二人もペンライトを持って「blossomの振り覚えてますか? 一緒に踊るよー!」と呼びかけ、ステージと客席のペンライトの動きが一体と化す。途中、カカシとライオンもダンスに参加。ステージ後方で踊りながらペンライトを振って会場を盛り上げる。このあたりの演出はClariSならではの世界観にハマっているように思えた。

そのまま畳みかけるようにM11、「pastel」へ。M10に引き続き、歌いながら会場と一緒にペンライトを振るパフォーマンスだ。

ここで再び幕間劇となり、今度はブリキが登場する。カカシも再び登場し、無表情で感情のないブリキを、心が貰えるようにとエメラルドシティに誘い出す。ここで第3幕が終了。

衣装チェンジが終わったClariSが、グリーンのドレスの衣装で登場。

恋人に対する「好き」という気持ちを甘く切なく歌い上げるポップソング「eternally」がスタートする。イントロの終わりと共にバックステージ下の暗幕が上がり、ピアノやストリングスのプレイヤーたちが姿を現す。

そのままちょっと大人っぽいミドルナンバー、M13「treasure」へ。春と恋人の別れを綴る切ない歌詞と、全体的に流れるClariSの力強い低音のハーモニーが特徴の曲。曲調と歌詞も相まって、観客もじっくり聞き入っているようだ。ストリングスが効いた長めのアウトロ中に、二人は舞台袖へ。最後はスローなピアノソロで楽曲が締められた。

すると間髪入れずにM14「recall」のイントロが流れる。舞台袖から颯爽と現れたのは、なんと衣装チェンジをしたカレン。どうやら前曲のアウトロ中、わずかな時間で早替えをしたようだ。

今度はカレンのソロパフォーマンス。全身に銀のスパンコールをあしらったようなキラキラしたノースリーブに、タイト気味のミニスカートとかなり攻めた衣装で、歌いながらキレキレのダンスを決める。

途中、カカシとブリキの二人もバックダンサーとして参加、もはや違うアーティスなのではないかと思うほどで、いい意味でイメージを壊してくれた。このパフォーマンスには、会場も熱狂。曲が終わっても歓声が長く続いた。

ここで再び幕間劇へ。カカシ、ライオン、ブリキの3人はいよいよエメラルドシティに到着し、本当に大事なのは「自分を信じる勇気」で自分たちはそのままでいいことに気づいて旅は終わりを迎え、幕間劇も最後を迎えた。

そして衣装替えが終わったClariSが、パープルのドレスに銀のティアラを付けて登場。

大団円を迎えた幕真劇のあとに歌われたのはM15「ひらひらひらら」。美しく散っていく桜の花びらと別れがテーマで、イントロから琴の音色が響き渡り、サビでは尺八も、と和楽器が盛り込まれた楽曲。今回のライブが行われた週はちょうど桜が見ごろで、タイミング的にもまさにベストだった。

次のM16「Butterfly Regret」も前曲の「ひらひらひらら」と同様、所々に琴と尺八が入る。イントロはスローだが、Aメロ前の前奏でアップテンポのピアノとドラムに一気に引っ張られていく。2曲続けて和テイストの曲を聴かせるセットリストだ。

ライブ終盤はもちろんあの曲でもりあがる!

続いてはテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のOP「コネクト」。アニメとともにClariSの人気を決定づけたといっても過言ではない大人気曲。終盤のこのタイミングで披露され、会場は一気にヒートアップ。ClariSの二人も「あと少しですがまだまだ行けますかー?」、「最後まで盛り上がっていくよ!」と声を張って煽り、会場も歓声を持って全
力で答える。サビ前の、「せーの!」に合わせての「ハーイ、ハーイ、ハイハイハイハイ!」とリズミカルなコールも、息がピッタリ合っている。

その熱気を逃すまいと、M18は同じ作品繋がりで、劇場アニメ『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』の主題歌「カラフル」。「コネクト」に引き続き、大人気アニメの曲で一気に畳みかける展開。コールも沸いて楽曲が終わったと同時に大歓声があがった。

ここでいったん二人が退場、衣装チェンジのためにしばらくBGMが流れた後、「オズの魔法使い」の主人公、ドロシーの衣装に扮した二人が登場。

締めの一曲として流れてきたのは「Dreamin’」。1サビが終わったところで、長尺にアレンジされた間奏をバックに、ClariSの二人がバンドメンバーやダンサーを紹介するカーテンコールが行われる。舞台に全員が残り、ClariSの二人が「皆さん、一つになりましょう!私たちの掛け声に合わせて、手を左右に揺らしてハイタッチです、行くよー!」と声をかける。「右、左、右、左、ハイ! ハイ! ハイ! ハイ!」と二人の声に合わせて、舞台上の全員と会場が一体になる。舞台装置が回転、そのまま舞台中央が下がっていったところで照明が暗転した。

背面スクリーンには、ライブ開始直後の機内から窓の外を覗く映像が流れ、眠っていたカレンが目を覚ましたところで映像が終了。

観客席からアンコールが沸き起こり、途中舞台に上がってきたカカシがさらに煽ってアンコールを盛り上げる。

アンコールに答える形で、クララとカレンが再登場。ライブTシャツにロングスカートと比較的ラフなスタイルで登場し、今回のライブの感想、観客席ではあちこちから、「かわいい!」や、「すごくよかったよ!」と声が飛び、舞台上の二人も「ホントに!?」、「ありがとう!」と答えるなど、ファンには嬉しい展開だ。特にそれぞれが挑戦したソロ楽曲のことについて語ったところでは、「かっこよかった!」、「最高だった!」と観客も盛り上がり、ステージ上の二人もお互いのパフォーマンスを称えあった。

さらに、ふたりはライブ会場の舞浜アンフィについても感想を語りだす。今回の会場の舞浜アンフィはパシフィコ横浜と比べて、「観客席と舞台の近さ」が印象的だったようだ。

舞浜アンフィは2000人以上を収容する会場だが、実際に前列の客席と舞台の距離は近く、手を伸ばせば届いてしまうような距離間。「一人一人の表情がよく見えて緊張したけど、会場と一体になれたようで、とても嬉しかった」と語った。

また、1か月後に控えたZepp Tourでは、ClariSのデビュー曲を手掛け、その後も複数の楽曲製作を行っている音楽プロデューサー、kz氏がゲスト参加することが発表され、会場からは大きな歓声が上がった。

ラストの曲となるのは、2月28日に発売されたテレビアニメ『BEATLESS』から「PRIMALove」。最後の最後に待望の新曲生披露で、会場からは再び大きな歓声が上がる。最後の曲だけに、ペンライトを振る動きにも熱が籠っていた。

場内が明るくなり、舞台の後方スクリーンにはエンディング映像と共に、スタッフテロップや今日のセットリストが流れ、コンサートは終了。公演終了のアナウンスもClariSの二人が行っており、最後の最後までファンを楽しませる演出だった。

3月終わりの開催ということで、セットリストも春をテーマにした曲や、卒業、別れといった曲、また新たなスタートを感じさせる曲が選曲されていたように思う。ClariSの二人についても、楽曲中は透き通るような歌声と、時に艶っぽい低音のハーモニーでベテランのパフォーマンスを見せつつも、MCではあどけなさも残る子供っぽい一面も覗かせるギャップが魅力に感じた。

4月29日には早くも次のライブ、東名阪のZepp Tourが控えている。その1ヶ月後に向けて、ファンにとって期待感が増すコンサートになったのではないだろうか。

 

レポート・文=東 響希

セットリスト

ClariS 3rd HALL CONCERT in 舞浜アンフィシアター♪over the rainbow ~虹の彼方に~♬
2018.3.29(Thu) 舞浜アンフィシアター


M1 眠り姫
M2 Cloudy
M3 トパース
OVER THE RAINBOW #2
M4 ハルラ
M5 STEP
M6 graduation
M7 本当は(クララsolo)
OVER THE RAINBOW #3
M8 ヒトリゴト
M9 君の知らない物語(1日目)
M10 blossom
M11 pastel
OVER THE RAINBOW #4
M12 eternally
M13 treasure
M14 recall (カレンsolo)
OVER THE RAINBOW #5
M15 ひらひらひらら
M16 Butterfly Regret
M17 コネクト
M18 カラフル
M19 Dreami’n -カーテンコール
<Encore>
En1 PLAIMALove

イベント情報

ClariS 2nd Zepp Tour in 東名阪 〜Best of ClariS〜

会場:Zepp Osaka Bayside (大阪府)
公演日:2018年4月29日(日・祝)
開演:18:00
会場:Zepp Nagoya (愛知県)
公演日:2018年4月30日(月)
開演:18:00

会場:Zepp Tokyo (東京都)
公演日:2018年5月2日(火)3日(水)
開演:5月2日19:00 / 5月3日17:00

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