檀れい、高橋惠子ら出演の舞台衣裳を公開最終審査! ファッション界の女の対決を描く舞台『仮縫』5月上演
舞台『仮縫』舞台衣裳コンテスト公開最終審査(両脇がグランプリ作品)
2018年5月6日(日)から、東京・明治座にて有吉佐和子原作『仮縫』が初の舞台化を果たす。本作は、ファッションの世界を舞台に女たちの静かな対決を冷徹な眼差しでつづった傑作。過去には『華麗なる闘い』のタイトルで映画化もされた本作が、檀れい、高橋惠子、古谷一行、山本陽子、葛山信吾らによって上演されることとなった。
劇中では、明治座の花道をランウェイとしたファッションショーを行う演出が見どころの一つとなっているが、モデル役のキャストが実際に着用する衣裳を、ファッション業界を目指す学生たちに「パリジェンヌの夢」「カルメンの幻想」の2テーマで公募。4月17日(火)、多くの応募作品の中から絞り込まれた16作品を公開し、さらにその中からグランプリを2作品選びだす最終審査が行われた。
舞台『仮縫』舞台衣裳コンテスト公開最終審査
舞台『仮縫』舞台衣裳コンテスト公開最終審査
舞台『仮縫』舞台衣裳コンテスト公開最終審査
本作で、洋裁学校在学中にスカウトされ、オートクチュールの店「パルファン」で自らの野心を実現しようとする清家隆子役を演じる檀は、最終審査に残った衣裳について「とても華やかで、細かいところまで丁寧に丁寧に作られていました。舞台で隆子というお針子さんを演じる自分としてはデザイナーの卵である方々が一生懸命考えて作ってくださったことに大変感激しています。どの作品も素敵でしたし、皆さんの考えを洋服で表現されていたので、審査員として選ぶのが本当に大変でした。何点付けたらいいのか、どの作品を選べばいいのかと悩みました」と胸の内を明かした。
檀れい
高橋惠子
一方、隆子がスカウトされ働くこととなった「パルファン」のオーナーデザイナー・松平ユキ役の高橋は「どれもこれもすばらしく、情熱と欲望を洋服で表していました。デザインされた方が若い方だからか、大胆で斬新。松平ユキとしても参考になりました」と語り、「子どもの頃、着せ替え人形が流行っていましてね。そのくらい女の子にとって洋服は大事なものなんです」と微笑んでいた。
舞台『仮縫』舞台衣裳コンテスト公開最終審査
舞台『仮縫』舞台衣裳コンテスト公開最終審査
舞台『仮縫』舞台衣裳コンテスト公開最終審査
審査の結果グランプリに選ばれた2作品については、檀、高橋ともに高得点を付けていたそうだ。
最終審査の後、行われた囲み取材の場で、檀は舞台『細雪』(2008、2009年)で高橋と姉妹役を演じたことに触れ、今回の再共演を「嬉しくて涙が出てきました。惠子さんとまたお仕事できるって思ったんです」と話しつつも、今回は最終的に対決する役どころも踏まえ「姉妹役では『鶴子姉ちゃん』と甘えていたんですが、今回は上司と部下、最後は対立する立場。甘えないようにしないといけないなと思っています」と背筋を伸ばす。そんな檀の様子を見て高橋は「共演をとても楽しみにしていたんです。ふわっと柔らかくなりましたね。大人の優しさがにじみ出た感じになりましたね」とまるで『細雪』の長女・鶴子のような眼差しを檀に向ける。すると檀は「隣に惠子さんがいてくれるからですよ」と照れながら笑っていた。
(左から)高橋惠子、檀れい
最後に檀は「人間の奥深いところを描き、師弟愛から始まる女同士の闘いを楽しんでいただければ」と作品の見どころに触れていた。
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
■会場:明治座
■原作:有吉佐和子『仮縫』(集英社文庫)
■脚本:堀越 真
■演出:西川信廣
檀 れい 高橋惠子
古谷一行
山本陽子 葛山信吾