『ハイキュー!!展 ゲンガ×タイカン』レポート 初の大規模原画展に、須賀健太と影山達也も「熱い思いが込み上げてきました」

2018.5.7
レポート
アニメ/ゲーム
アート

左:須賀健太 右:影山達也 (C)古舘春一/集英社

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宮城県カメイアリーナ仙台(仙台市体育館)にて、『ハイキュー!!展 ゲンガ×タイカン』(2018年4月14日〜4月29日)が開催された。本展は、週刊少年ジャンプで人気連載中のバレーボール漫画『ハイキュー!!』初の原画展を、作品内で実際に登場する舞台、仙台市体育館で開催するもの。展示総数は450点以上、原作者の古舘春一が特別に描き下ろしたキービジュアルをはじめ、読者投票企画によって選ばれたベストエピソードの「1話まるごと展示」や、「週刊少年ジャンプ」の発売に合わせて、毎週最新話の原画を一足早く見られる「最新話1話まるごと原画展示」など、かつてない規模で充実した内容になっていた。

会場は『ハイキュー!!』作中に登場するカメイアリーナ仙台(仙台市体育館)

会場エントランス

会場内のフォトスポット

4月14日に催されたオープニングセレモニーには、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』で主人公・日向翔陽を演じる須賀健太と、影山飛雄役の影山達也も参列した。

左:須賀健太 中央:影山達也 右:マスコットキャラのヒナガラス

会場内を見学した須賀健太は、「僕たちも、普段は原作のコマを(プロジェクションマッピングで)再現したり、お芝居で台詞を言ったりということをしています。それを思い出しながら、ハイキューの聖地、仙台市体育館で原画展を見ていると、熱い思いが込み上げてきました。これから行われる公演に向けて、すごく良い刺激になった」と、コメント。

また、週刊少年ジャンプ編集長の中野博之氏は、過去に同誌の編集長を務めた先輩の言葉を引用しながら、原作『ハイキュー!!』の魅力を語った。

「『週刊少年ジャンプは、友情・努力・勝利と言うが、勝利したひとりを描くだけではダメ。敗北したすべてのキャラクターたちの勝利を描くのが、週刊少年ジャンプの漫画だ』と言っていた先輩の言葉通り、あまたのキャラクター達の勝利を描いたのが、『ハイキュー!!』という作品だなと思います」

左から:イベント応援団長 仙台市議員会議員 西澤啓文、「週刊少年ジャンプ」編集長 中野博之、仙台市副市長 高橋新悦、須賀健太、影山達也

須賀健太「読者投票の一位が……及川!」

オープンングセレモニーの後に行われたトークショーでは、マネージャーの谷地仁花に扮した『ハイキュー!!』編集担当者の司会進行で、須賀健太影山達也が登壇した。まずは、TVアニメ『ハイキュー!!』で日向翔陽を演じる声優・村瀬歩のコメントを須賀が代読。

「一枚一枚魂がこもり、彼らの青春が刻まれた素敵なものになっていると思います。はじまりの場所で、大迫力の原画をお楽しみください」

中央:須賀健太 右:影山達也

続いて、「仙台への思い入れは?」という質問に、須賀は「仙台公演がある際には、行きと帰りに月島蛍役の小坂涼太郎と欠かさず『ずんだシェイク』を飲むのを日課にしています」と、回答。原画展の感想について、影山は「原画を見た後に外に出ると、実際に描かれた風景が目の前に広がっている。すごい環境で見られている」と、興奮した様子。

「一番好きなエピソードは?」という質問に、須賀が「日向と影山が出会って、ここからすべてがはじまったというのを、原作の地で体感できたということも含めて、第1話!」と答えると、影山は第137話の「元・根性無しの戦い」を挙げた。「元気のない時に読むと、がんばろうって気持ちになります」と、しみじみ語った。

影山達也

読者投票企画によるベストエピソードが、ライバル校・青葉城西高校のエピソード「才能とセンス」(第146話)だったことについて話を振られると、顔をしかめる須賀。「読者投票の一位が……及川。たしかに、超ロングセットアップはかっこいいけど、俺ら3位ですからね!」と悔しそうな姿に、会場の笑いを誘った。

須賀健太

印刷では見えない部分もタイカン 隠れヒナガラスを探せ!

主役校だけでなく、ライバル校、予選敗退した高校のドラマを描いた原画も展示されていた本展覧会。内覧会より、その一部を紹介しよう。

原画展の魅力といえば、印刷に出ないホワイト(修正液)の使用部分や、作者による手書きのセリフ、青鉛筆による指示などを間近で見られることだろう。

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

日向と影山の出会いを描いた第1話から、時系列に沿って、試合や合宿などのエピソードごとに並べられた原画の数々。思い入れのある話や場面を探して、じっくり原画を眺めてみる。すると、印刷枠外に描かれたヒナガラスなども見つけられた。

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

画面の左上端にヒナガラス (C)古舘春一/集英社

色あざやかなカラー原稿や、見開き原稿もたっぷり堪能

ハイキュー!!』のカラー原稿による鮮やかな色使いは、どれも印象的なものばかりだ。週刊少年ジャンプに掲載された巻頭カラーやセンターカラーの原稿も、本展で存分に堪能しよう。カラー原稿の枠外には、使用した色が点々と並べられていることも。作者による鉛筆書きの指示も所々見られる。

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

さらに、見開き原稿による迫力も見逃せない。大画面で見る試合シーンは、緊張感やスピード感、コート内の熱量まで伝わってくるようだ。

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

原作の名シーンも余すことなく展示

自分にとってのベストエピソードは、読者の数だけ存在するだろう。主役校に思い入れのある人もいれば、ライバル校のドラマに心を打たれる人、敗退した高校のキャラクターに惹かれる人。読者投票によって選ばれた「1話まるごと展示」以外にも、読者の心を掴んだ名シーンの数々が紹介されている。

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

(C)古舘春一/集英社

作中に登場するスポットで記念撮影も

作中で、春の高校バレー宮城代表予選の舞台となった仙台市体育館内外では、物語に登場する各場面のフォトスポットパネルが、全部で5箇所設置されている。主人公・日向翔陽が対戦相手のライバル達と遭遇する男子トイレ前や、インターハイ宮城県予選で青葉城西高校に敗退した際、日向と相棒・影山が部活顧問の武田一鉄先生に激励される現場など、同じアングルを探してみるのも面白い。

フォトスポット

フォトスポット

さらに、第一競技場では古館春一が描き下ろしたキービジュアルのキャラクターパネルが用意されている。

キャラクターパネル

キャラクターパネル

ハイキュー!!展 ゲンガ×タイカン』会期中は、仙台市交通局とコラボした地下鉄クイズラリー、仙台駅前のカプセルカフェバーサンオーでは「ゲンガ×タイカンカフェ」、「青葉の風テラス」特設会場では、演劇『ハイキュー!!』の衣装展示やコミックス全表紙展示など、街全体が『ハイキュー!!』一色となっていた。

イベント情報

ハイキュー!!展 ゲンガ×タイカン【会期終了】
会期:2018年4月14日(土)〜4月29日(日・祝) 会期中無休
開館時間:午前10時〜午後6時(最終入場午後5時30分)
※4月29日(日・祝)のみ終了時間は午後4時(最終入場午後3時30分)
会場:カメイアリーナ仙台(仙台市体育館)
第二競技場:原画展、研修室:記念品販売(会場限定品、先行販売品など)
第一競技場:バレーボール教室など各種イベント
参加費:一般当日800円 中学生以下600円
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