珍しい「狂言面」にスポットを当てた展覧会 人間国宝・山本東次郎家所蔵の狂言面32点を展示

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2018.5.19
「小豆武悪」(あずきぶあく)

「小豆武悪」(あずきぶあく)

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國學院大學博物館にて、2018年5月26日(土)〜7月8日(日)まで、人間国宝の大蔵流狂言方・山本東次郎氏の狂言面32点を中心とした所蔵品計42点の特別展『狂言-山本東次郎の面(おもて)-』が開催される。

「能」で使う「能面」は様々な場で展示が行われているが、「狂言面」にはこれまであまりスポットが当たることがなかった。 こうした中、國學院大學卒業生でもあり、これまで20年にわたり本学で毎年「狂言の会」を続けている山本東次郎氏の「面を通して、狂言の世界を伝えたい」という願いと、大学の「日本文化の究明」という使命が結びつき、展示の実現に至った。

本展では、武家式楽の伝統を受け継ぐ山本東次郎家所蔵の「狂言面」約120点の中から、特に名品とされる32点を一同に並べ、狂言面と狂言の新たな魅力を紹介。展示の仕方も細部までこだわっており、各狂言面の理解を深めやすいように「翁・神面」「鬼」「動物」「霊」「男女」など分類して展示するほか、面の裏を見せたり、様々な角度から立体的に見られる一角を用意したりと、狂言の知識がない方でも楽しめるものとなっている。 

このように狂言面をテーマにした展示は非常に珍しく、全国でもあまり例がない。また、今回は展示だけでなく、山本東次郎氏による講演会や山本家による「面のかけ方や装束の付け方実演会」を通じ、狂言の深い世界を堪能することができる。特別展は無料で誰でも入場でき申込不要。講演会は事前申込制だが、こちらも無料で一般参加が可能だ。 

山本東次郎コメント

狂言面そのものは何かを主張している訳ではありません。狂言は引き算の芸です。ですから今回展示される数々の面に自ら踏み込んで、狂言面が演じる声を直に聞いてほしいと思います。 

プロフィール

山本東次郎
1937年東京都杉並区和田生まれ。 國學院大學日本文学科卒。
能楽師 大蔵流狂言方 山本東次郎家の四世。 
重要無形文化財各個指定(人間国宝)、 一般財団法人杉並能楽堂理事長
1942年「痿痺(しびり)」のシテで初舞台。 1972年4世山本東次郎を襲名。 1998年紫綬褒章を受章。 2012年人間国宝に認定。 

イベント情報

特別展『狂言-山本東次郎の面(おもて)-』
会期:2018年5月26日(土)~7月8日(日) ※会期中休館日 2018年6月18日(月)
場所:國學院大學博物館 企画展示室(東京都渋谷区東4-10-28/國學院大學渋谷キャンパス内)
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで) 入館料:無料
主催:國學院大學博物館、 大蔵流狂言 山本会
HP: http://museum.kokugakuin.ac.jp/special_exhibition/detail/2018_kyogen.html 
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