【二人の動画コメント到着!】チェリスト・新倉瞳と歌舞伎俳優・尾上松也による『響 -ひびき-』 異なるジャンルの二人が新しい響を生み出す
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新倉瞳
スイスに拠点を置きながら幅広く国内外で活躍している、チェリスト新倉瞳。
2018年7月14日に上演される、新倉瞳・尾上松也による、異色のコラボレーション公演『響 -ひびき-』について、なぜこの二人で上演することになったのか、内容の斬新さや、公演に向けての意気込み等の話を聞いた。
ーー新倉さんと尾上さんによる『響 -ひびき-』は異色のコラボレーションによる、音楽劇とお聞きしました。改めて、どんな公演なのでしょうか。
尾上さんが持っている歌舞伎の技と、私が持っているチェリストとしての技が合わさった時に生まれる、新しい響、という意味で、今回『響 -ひびき-』という名前をつけました。その名前の通りに、新しい響きを皆さんにお届けできるような公演になるようにと思っています。
ーー新倉さんと尾上さんは、同じ芸術分野ではありますが、普段はコラボレーションする事のない斬新な組み合わせのように思いますが、どの様に出会い、またどのようにこの音楽劇『響 -ひびき-』は生まれたのでしょうか。
尾上さんとの出会いは、「クラッシック・ロックアワード」の司会を共にした事がきっかけで、その際に「いつか本業でも何かご一緒出来ると良いですね」と言葉を交わしたのですが、その後お友達として仲良くさせて頂くうちに尾上さんの歌舞伎自主公演を観劇し、おこがましくも共通する志を感じたので新しいことをご一緒して頂きたいと思いきってお願いしたところ、快く引き受けて下さり「響 ーひびきー」が生まれました。
新倉瞳
ーー「音楽劇」の企画の経緯を教えていただけますか?
私が暮らすヨーロッパのチューリッヒで、ショスタコーヴィチのオペラを鑑賞した際、トランペット奏者がピエロの役で出てきたのをみて、奏者も演者になることがあるということを知りました。そこで「音楽劇」にチャレンジして見たいと思うようになり、尾上さんに相談させて頂いたことがきっかけでした。
ーーこの「音楽劇」の題材に「セロ弾きのゴーシュ」を選んだ理由をお聞かせ下さい。
今までに、「セロ弾きのゴーシュ」を何回か朗読の方とご一緒し、演奏したことはあったのですが、宮沢賢治の物語を違う視点から描きたいという思いがありました。
ーー公演のチラシに、"普通のコラボレーションに留まらず新しい形態の舞台を魅せる事でしょう"とありますが、この公演の新しさのポイントとは、どういったところにありますか?
「まだ誰も見たことのない芸術」という事に重きを置いています。舞と音楽のコラボレーションには留まらず、尾上さんだからできること、そして、私だから出来ることがしっかりと表現できる舞台にしたいと思っています。
例えば、尾上さんは声優、ドラマ、ミュージカルとご活躍の場を広げ、新しいことにどんどん挑戦していらっしゃいます。そんな尾上さんのご活躍を拝見し、大変刺激を受けております。新しいことへのチャレンジする情熱のような部分が生かされた舞台にしたいと思っています。
ですが、そんな多彩な尾上さんにとってもクラシック音楽とのコラボレーションは初めてのことでいらっしゃるそうですので、ただ、ご一緒しましたではなく、お互いの大元に還元できる舞台にしたいという気持ちがとても大きいです。
『響 -ひびき-』
ーーまた、スイスに拠点を置いている新倉さんと、日本に住んでいる尾上さんにとって、お互いに多忙でかつ遠距離ですが、どのようにコミュニケーションをとっているのでしょうか。
尾上さんも大変ご多忙で、私もスイスに住んでおりますためなかなかお会いすることが出来ませんが、帰国する度に、「二人で何ができるか」ということを相談していました。海外からも連絡をとっておりましたが、一番話が進むのは、お会いしてお話しすることでした。
それと、私はチェリストとしてはプロですが、舞台の事となると素人なので、振付の先生、脚本家の先生に関しては全て尾上さんにお任せしました。私は、こういうことができるけれど、それをどうしましょう? と尾上さんへお伝えし、それを尾上さんが持ち帰り悩んで下さって、「某(それがし)はセロである」が生まれたのです。
ーー最後に、この公演の魅力、見どころ、聴きどころなどを読者の方にお知らせ下さい。
今回、サントリーホールのブルーホールで上演するので、何千人規模の何日間もある公演というわけではございません。大きなホールではない一回公演であるからこそ、どちらかというと、ほのぼのしたアットホームな距離感で出来るのではないかと思っています。サロン的な要素も強いので、これから始まる新しくスタートするものとして、お客様にはそのスタートに立ち会っていただき、また今後の新しいことに興味を持って頂けましたらありがたいなと思っています。
新倉瞳と尾上松也、同世代の二人が生み出す『響 -ひびき-』は、まさに技と技がぶつかり合い、新しい響を生み出すことだろう。この斬新なコラボレーションによる、宮沢健二のセロ弾きのゴーシュが、とても楽しみで、可能性は無限だと感じた。
取材・文=神道桜子 撮影=岩間辰徳
新倉瞳×尾上松也『響-ひびき-』コメント
公演情報
会場:サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
【出演】新倉瞳(チェロ)
【特別出演】尾上松也(歌舞伎俳優)
セロ弾きのゴーシュより
音楽劇「某(それがし)はセロである」