サラ・ラム&ムンタギロフの「沼地のパ・ド・ドゥ」は鳥肌もの!~英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2017/18 ロイヤル・バレエ『マノン』開映
Sarah Lamb as Manon and Vadim Muntagirov as Des Grieux in Manon ©ROH Photographed by Alice Pennefather
バレエ、オペラともに世界最高の名門歌劇場、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの人気公演の舞台映像を全国の映画館で上映している「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18」。2018年6月22日(金)からは、ロイヤル・バレエ『マノン』(振付:ケネス・マクミラン)が全国順次公開となる。
【動画】ロイヤル・バレエ『マノン』予告編
今シーズン11作目となるロイヤル・バレエの『マノン』は愛や裏切りや嫉妬などが描かれる、バレエの中でも最もドラマティックで破滅的な作品のひとつ。原作は、18世紀フランスで聖職者だったアベ・プレヴォ(プレヴォ神父)による小説「マノン・レスコー」。
美しく衝動的な少女マノンは、若くハンサムな学生デ・グリューと出会い恋に落ちる。しかし、兄レスコーの手引きから富豪ムッシューG.M.から愛人にならないかと誘われたマノンは、デ・グリューとの愛と、G.M.との豪華な生活の間で引き裂かれ……。オペラや映画にもなったこの有名な物語を、ケネス・マクミラン(1929-1992)が1974年にバレエ化。『ロミオとジュリエット』『うたかたの恋』などの振付も手掛けたケネス・マクミランは当時、ロイヤル・バレエの芸術監督だった。
Gary Avis as Monsieur GM and Sarah Lamb as Manon in Manon ©ROH Photographed by Alice Pennefather
初演時には、オペラ版も手掛けたフランスの作曲家ジュール・マスネの音楽(約20のオペラおよび、さまざまな曲)を用いたが、オペラ版とは全く違うタイプの音楽となっている。現在のバージョンは今回の指揮者でもあるマーティン・イエーツが2011年に再編曲を手掛けた。マスネが最初からまるでバレエ組曲として書いたように再構成して完成させた。
シネマシーズンのナビゲーターの1人であり、マクミランに見出されて本演目を何度も踊ってきた、ロイヤル・バレエ団元プリンシパルのダーシー・バッセルが「最も難しい」と振り返るのが『マノン』のパ・ド・ドゥ。本編のインタビュー映像では、マクミランの妻デボラ・マクミランが、振付当時マクミランがフィギュアスケートに夢中だったことを明かす。くるくると回る”パ・ド・ドゥ”の振付がそこから着想を得ていることが見て取れる。
Sarah Lamb as Manon and Vadim Muntagirov as Des Grieux in Manon ©ROH 2014. Photographed by Alice Pennefather
本演目を鑑賞した舞踊評論家の村山久美子氏も、「マノンの死に至る恋人とのデュオは、フィギュアスケートの要素を入れ、滑るような急速な移動、女性を投げてキャッチ等々、最後の力を振り絞る様子が、アクロバティックな振付で見事に表現されています」とコメント。
このマクミラン振付の本演目で迫力の演技を魅せるのは、本シーズン『くるみ割り人形』の”こんぺいとうの精"で魅力的な演技を見せたマノン役のサラ・ラムと、世界中のファンに“王子”の愛称で親しまれている人気ダンサー、デ・グリュー役のワディム・ムンタギロフ。この2人が最後にルイジアナの沼地で繰り広げる渾身のパ・ド・ドゥ(沼地のパ・ド・ドゥ)は本当に全てのバレエファンにとって必見のシーンである。
さらに、日本人プリンシパルのレスコー役平野亮一が全身を駆使して魅せる酔っ払い演技にもご注目を。シネマシーズンの見どころの一つである舞台裏でのインタビューの途中では、そんな演技直後のキャストたちの様子も確認する事が出来る。
振付や音楽など様々な想いが込められているロイヤル・バレエ『マノン』。人気ダンサー達による迫真の演技を臨場感たっぷりの大スクリーン&大音響で鑑賞することをお勧めする。
Vadim Muntagirov as Des Grieux in Manon ©ROH Photographed by Alice Pennefather
Sarah Lamb as Manon in Manon ©ROH Photographed by Alice Pennefather
上映情報
■振付:ケネス・マクミラン
■音楽:ジュール・マスネ
■指揮:マーティン・イエーツ
■出演:
サラ・ラム(マノン)、
ワディム・ムンタギロフ(デ・グリュー)、
平野亮一(レスコー)
イツァール・メンディザバル(レスコーの愛人)、
ギャリー・エイヴィス(G.M.)
北海道 ディノスシネマズ札幌 2018/6/23(土)~2018/6/29(金)
宮城 フォーラム仙台 2018/6/23(土)~2018/6/29(金)
東京 TOHOシネマズ日比谷 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
東京 TOHOシネマズ日本橋 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
東京 イオンシネマ シアタス調布 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
京都 イオンシネマ京都桂川 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
神戸 TOHOシネマズ西宮OS 2018/6/22(金)~2018/6/28(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2018/6/23(土)~2018/6/29(金)
■上演時間:3時間11分
■公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/