『週刊少年ジャンプ展VOL.3』レポート 『ONE PIECE』や『NARUTO-ナルト-』など、原画総数440点以上!
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1968年の創刊以来、多数の人気漫画を創出してきた「週刊少年ジャンプ」が、2018年に創刊50周年を迎えた。これを記念して、歴代ジャンプ作品を扱う原画展が、昨年夏から森アーツセンターギャラリーにて開催されている。50年間を3期に分け、1980年代の作品を扱ったVOL.1、90年代を扱ったVOL.2に続いて、今回はVOL.3となる『創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.3 −2000年代〜、進化する最強雑誌の現在(いま)−』(2018年7月17日〜9月30日)が開催中だ。
会場エントランス(週刊少年ジャンプ展VOL.3 公式ビジュアル)
会場には、『ONE PIECE』『NARUTO-ナルト-』『BLEACH』など、2000年代以降を代表する大人気作品から現在連載中の作品まで、本展のための描きおろしイラストを含めた直筆原画が440点以上揃う。また、オリジナルの映像や作品の世界観を再現した空間演出で、世代を問わず楽しめるような展示構成になっている。ジャンプの原画展としては過去最大規模となる本展の見どころを、一般公開に先立ち開催された内覧会よりお伝えしよう。
(C)尾田栄一郎/集英社
(C)岸本斉史 スコット/集英社
(C)天野明/集英社
数々の名場面を、膨大な原画数で展示
本展の原画出展作品数は50作品と、それだけでもボリュームのある展示になっているが、展示原画数は約440点にものぼる(※約85点が前期[〜8月19日]・後期[8月20日〜最終日]で入れ替え予定)生原画には、選りすぐりの名シーンをはじめ、作家にとって思い入れのあるシーンも含まれている。連載当時の思い出や、名場面・名台詞の誕生秘話、作品やキャラクターに込めた愛情など、作家たちの愛溢れるコメントが添えられているものもあるので、生原画と合わせてチェックしたい。
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社
(C)POT(冨樫義博)1998-2018年
(C)許斐剛/集英社
(C)藤巻忠俊/集英社
美麗なカラーイラストを間近に楽しむ
週刊少年ジャンプ読者の中には、巻頭カラーや巻中カラーを切り取って、大切に保存していたファンも多いのではないだろうか。本展では、アナログ、デジタルどちらのカラー原画も、間近に鑑賞することができる。色彩豊かな画面の放つ迫力を、隅から隅までじっくり堪能しよう。
(C)堀越耕平/集英社
(C)米スタジオ・ビレッジスタジオ/集英社
(C)ほったゆみ・小畑健/集英社
(C)天野明/集英社
作品の世界観を再現した展示空間
各作品のブースでは、作品の世界観に沿った空間づくりや、本展でしか見られないオリジナルの映像演出も見どころになっている。たとえば、『暗殺教室』は、椚ヶ丘中学校3年E組の教室をイメージした空間で原画を展示。黒板には、作松井優征先生が本展のために描きおろしたイラストが使われている。
(C)松井優征/集英社
『ハイキュー!!』のブースでは、名場面をセレクトした壁紙と、各校の横断幕が展示のアクセントになっている。
(C)古館春一/集英社
『BLEACH』は、各キャラクターの「始解」の言葉がタイポグラフィーで演出され、漫画の中に入り込んだようなスタイリッシュな空間が印象的だ。
(C)久保帯人/集英社
『トリコ』は、「トリコのフルコース」を再現したメニューが食卓に並ぶ。鏡を使った演出で、鑑賞者がトリコたちと共に食卓を囲むような雰囲気を味わうことができる。
(C)島袋光年/集英社
描きおろしイラストから、週替わりの特別展示まで
2000年以降の代表作品のうち、18作品の描きおろしイラストが見られるのも、本展だけの特典だ。描きおろしイラストは、各作品コーナーにある作品紹介パネル付近に展示されている。
(C)尾田栄一郎/集英社
(C)松井優征/集英社
さらに、会場終盤のWeeklyコーナーでは、【What’s up JUMP!?】と称し、発売中の「週刊少年ジャンプ」に掲載されるカラー原画や読み切り作品の原画が、週替わりで展示される。
(C)尾田栄一郎/集英社 (C)久保帯人/集英社
個性的なコラボメニューも見逃せない!
会期中は、「Cafe THE SUN」(森アーツセンターギャラリー&展望台&森美術館併設のカフェ)にて、本展とのコラボメニューが提供される。個性溢れるメニューのラインナップは、展覧会と併せて楽しみたい。
ゴンのありったけを込めたパフェ(1,530円) (C)POT(冨樫義博)1998-2018年
おやすみリボーンのランチプレート(1,580円) (C)天野明/集英社
お妙さんのダークマターシーフードピラフ(パンデモニウム添え)(1,480円) (C)空知英秋/集英社
足立梨花「ツッキーのシーンで泣いちゃった」
足立梨花、井戸田潤(スピードワゴン)、小沢一敬(スピードワゴン)
内覧会後の特別トークセッションには、お笑い芸人のスピードワゴン(井戸田潤・小沢一敬)と、タレントの足立梨花が登壇した。3人は、週刊少年ジャンプのシンボルマークである海賊をイメージした衣装を着て登場。小沢は、「子供の頃は友人にジャンプを借りて、好きな話だけを薄いわら半紙に描き写して、小沢編集長版のジャンプを作っていました」と、ジャンプ愛のあるエピソードを披露した。
本展を見た感想を語る場面では、足立が『ハイキュー!!』の大ファンであることを明かした。「影山が一番好きなんですが、ツッキー(月島蛍)がバレーボールの楽しさに目覚めた瞬間の原画を見て泣きました」と、興奮した様子で作中のポーズ(単行本19巻収録)を真似していた。
月島蛍の名シーンを身ぶり手振りで再現する足立梨花
(C)古館春一/集英社
足立梨花のポーズを真似する井戸田潤(スピードワゴン)
また、「自分が知らない作品があったとしても、原画を見ると感動が伝わってきて、原作を読んでみたくなる」と、生原画の持つ魅力を語った。井戸田は、「お祭りみたいなブースもあるし、光の演出が綺麗なところもあって、2000年代の作品を知らない自分でも見ていて楽しめる」と、本展の空間演出に注目。
「言葉の魔術師である小沢さんが、心を揺さぶられたジャンプ作品の名台詞は?」という司会者からの質問に対して、小沢は、『ONE PIECE』の主人公ルフィの兄、エースの台詞「愛してくれてありがとう」(単行本59巻収録)をピックアップ。
ジャンプ愛に関する質問に回答する小沢一敬(スピードワゴン)
これから会場に来る読者ファンに向けたコメントでは、「ジャンプの編集長さんやスタッフの皆さん、漫画家の先生方の代わりに、読者の皆さんにジャンプ側からの気持ちを言わせてもらうと、50年間、愛してくれてありがとう」と、さっそく名言を活用していた。
『創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.3-2000年代〜、進化する最強雑誌の現在(いま)-』は2018年9月30日まで。圧倒的ボリュームでジャンプの魅力を感じられる機会に、ぜひ足を運んではいかがだろうか。
イベント情報
−2000年代〜、進化する最強雑誌の現在(いま)−