【きのこ帝国・RUSH BALL 2018 クイックレポ】小雨降る中、ゆらゆら気持ち良く揺れるロマンチックな時間。

レポート
音楽
2018.9.1
きのこ帝国

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RUSH BALL 2018 きのこ帝国

ピーカンの中、踊って観る夏フェスももちろん楽しいが、曇天の中、じっくり観る夏フェスも個人的に好きである。
風も吹いて過ごしやすい環境の中、1曲目「35℃」の《35℃冷たい手を》という歌詞から始まる。思わず、ゾクッとする……。

ミドルテンポで特に煽る事もなく、歌のみでシンプルに見せるストロングスタイル。それだけで持っていっちゃう。とてつもなく歌が大きいからこそ、大きなステージが本当に似合う。歌の存在感が凄いし、とにかく歌が迫ってくる。じわーと泣ける感じ……。「この曲みんな知ってる?」と佐藤千亜妃(Vo/Gt)が観客に問いかける。

きのこ帝国

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ライブレポート担当なんで事前に曲順を知ってしまっているというのはあるのだが、もし曲順を知らなくても、すぐピンときて喜んだであろう。ほとんどの観客がすぐピンときてない事に気付いたのか、「じゃあ、教えてあげる」と語りかけ、「クロノスタシスって知ってる?」というキラーフレーズがある「クロノスタシス」。もう、みんな、すぐわかれよなんて思ったが、そんな事はさておき、今、自分のノートを観ると「完璧なビート」と書いてある。先ほども、ゾクッとするとか、ミドルテンポとか書いたが、個人的に好きな速度感のメロディーなのだろう。奇しくも歌詞に《ゆらゆら揺れて》とあるが、まさしくその通りで、”ゆらゆら感”がたまらない。ちょうど小雨も降りだす。小雨の中、ゆらゆら揺れながら音を聴くなんて、本当にロマンチックだし、こういう夏フェスの楽しみ方もあるって事を知ったフェスキッズも多かった様に想う。

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9月12日リリースのニューアルバム『タイム・ラプス』から新曲「カノン」を聴けたのもワクワクした。当たり前だが、バンドはフェスだけでなく、常に新しい音源を作り、新しいツアーへと出かけていく。なんばハッチで9月20日に開催されるワンマンライブについても話していたが、フェスで興味を持ったバンドのワンマンライブは、きのこ帝国に限らず、どんどん観に行って欲しい。それはバンドにとっても、何よりも嬉しいだろう。ちなみに9月20日は佐藤の誕生日! さぁ、そしてラストナンバーは「東京」。きのこ帝国の代表曲であり、ただただ名曲いい曲である。偶然、私の横に今日の出演バンドマンたちが観ていたが、「日々」と歌われた瞬間、まるでため息をつくかの様に「いい曲~…」と呟いていた。激しく同意でしかないし、変な飾り言葉は何もいらなくて、ただただ、いい曲だらけの35分であった。
 

文=鈴木淳史 撮影=河上良

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セットリスト

RUSH BALL 2018 きのこ帝国
1.35℃
2.クロノスタシス
3.海と花束
4.疾走
5.カノン
6.東京
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