インスタのフォロワー26万人超え!初写真集を発表した横田ひかるにインタビュー「自分が楽しいと思えることが一番大切」
横田ひかる 撮影=森好弘
Instagramのフォロワー数が26万人を超えるなど、若者を中心に絶大な支持を集めているファッションモデル、横田ひかるが、1st写真集『HIKARU』を発表した。撮影当時22歳だった彼女の、幼さのかけらを残した表情、そして少女の殻を脱却して大人として歩み始めたことを印象づける大胆なカットなど、SNSだけではうかがいしれない一面がたっぷり詰まっている。中でも、ロングヘアを、自らの手でばっさりと切る瞬間をとらえたカットは、とても緊張感がある。長髪時のにこやかな表情から、ショートカット時のクールなまなざしへと変化していく10枚のモノクロ写真。そこを一つの分岐点として、過去から現在に至る彼女の成長が伝わってくる。キャッチコピー「なぜ彼女に惹かれるのか?」の問いかけの答えは、果たして見つかるのか。写真集『HIKARU』について、横田自身に話を訊いた。
横田ひかる 撮影=森好弘
――今回の写真集ですが、自分のどういう部分を表現したいと考えて取り組みましたか。
22歳(撮影当時)の自分の“今”を残したかったです。仕事、生き方をずっと模索している時期で、何が本当にしたいのか迷いがありました。大人になりきれていない自分が当時はあったので、前に進もうとしている自分を見せたいと思っていました。
――どういう時に、大人になりきれていない自分を感じるのですか。
私はまだまだ自分勝手だし、自己中心的に行動することがあります。ただ、このお仕事のおかげで、そういう自分のだめなところに気づけるようになりましたし、考え方の幅も広くなりました。10代の時はとがっているところも多く、また元々が人見知りなので、人と話すのも苦手でした。
――人と話すことが苦手だからこそ、ファインダーやレンズを通して“対話”する、カメラを向けられる仕事ということは、気持ちにゆとりが出るものなのかなって思います。
そうですね。撮影をしていく中でカメラマンさんとも打ち解けていけたし、違うところは「違う」と素直に指摘していただけたり、逆に良いところもたくさん言ってくださったり。写真を撮ってもらっている時って、自然と口数が増えるんです。
――撮る側にとっても、被写体としても、写真撮影はコミュニケーションの方法として良いものですよね。
最近になって、カメラの前で素の自分を出すことができるようになりました。モデルを始めた当初は、いつも同じ表情で、ずっと緊張していて。「もっと笑って」と言われても、笑い方が分かりませんでした。今、やっとナチュラルに笑顔が出せるようになったんです。
横田ひかる 撮影=森好弘
――でも、人は基本的にカメラの前では何かしら自分を作りますよね。写真を撮られる中でのナチュラルさって、どういうものなんだろうって。
撮られていることを気にすると、やっぱり意識をしちゃいます。少なからず普段の表情に緊張、変化があらわれます。でも今回の撮影では、普通に遊んでいるときなど、気づいたら撮られている瞬間が多かった。だから、ほとんどがプライベートな表情です。序盤は表情を作っているところもありますが、ページが進むにつれて、「あれ、今って撮っているのかな?」という雰囲気の写真が増えていきます。後から見て、「このとき、撮っていたんだ」とビックリしましたし。写真集後半の代官山の散歩の撮影は特にそうでした。空を見上げている素敵な写真があるのですが、実は、この日ずっと歩いていたから、「ああ、疲れた……」となっているところなんです(笑)。
――え、そうなんですか! めちゃくちゃ爽やかで清涼感のある写真ですけど(笑)。
そう思いますよね。本当は、「暑いなあ」ってやっているところなんです。
――あと、写真によって質感が違うものがありますよね。
そうなんです。デジタルだけではなく、フィルムでも撮影したんです。写真集の最初の赤色が綺麗に出ているところも、実はフィルム撮影なんです。私も普段からフィルムカメラが好きで使っていて、「フィルムでも撮って欲しい」とお願いしたんです。質感、色味の良さだけではなく、現像してからじゃないと何が撮れているか分からない、あのドキドキ感が楽しくって。
横田ひかる 撮影=森好弘
――横田さんはInstagram、Twitterなどネットを通じて人気が上昇していきましたが、今回のように紙媒体で自分の写真が仕上がることについて、格別な気持ちがあるのではないですか。
物として残るのがいいですよね。データは、保存していても誤って消えてしまう可能性もありますし。せっかく写真集として手元に残せるものが完成したので、みなさんには、写真集を部屋に飾って欲しいんです。表紙も、それを意識した写真をセレクトしました。
――写真集を発表したら、イベントもいろいろ行うことができますよね。
写真集を出す上で、私が関係者のみなさんにまずお願いしたことが、「イベントを必ずやりたい」ということでした。私のことをもう5年以上、応援してくれているファンの方もいて、そういう人たちと実際に会いたかった。私の日常を見てくださっている方々と、ちゃんと向き合う機会が欲しかったんです。
――「人と話すのが苦手」という一人の女の子が、「ちゃんと向き合う機会が欲しい」と言えるまでに成長したんですね。
今の私があるのは、間違いなくファンの方々のおかげです。今でも、知らない人と話すのは得意ではないですが、ファンの方々は暖かく接していただけるので不安はありません。逆に、私と会うときにファンの人が緊張していたら、ちゃんとリラックスさせてあげたい。
横田ひかる 撮影=森好弘
――活動のフィールドが広がっていったら、知らない人と接することが増えていきますよね。そのことへの不安感はありますか。
以前ほどは、ありません。10代の頃は、人に対する苦手意識が強かったこともありますが、「人脈を広げたい」という願望がなかったことも、原因の一つとしてあったのかも知れません。今は、もっともっと輪を広げていきたいし、あと私自身が人に対してオープンになることの大切さを学びました。自分をちゃんと出せば、相手も心を開いてくれることに気がつきました。
――仕事を通して成長ができているわけですね。そんな横田さんの活動の一つの原点となっているのが、やっぱりSNSですよね。写真集にもInstagram、Twitterのアカウントが載っていますけど。今は、SNSからムーブメントが生まれることも多いし、あとフォロワー数の多さがその人の発言などの説得力の材料につながりやすい。一方で、一般の人でも、フォロワー数によって相手との上下関係が無意識に出来上がる場合があります。
SNSは当然、良いところ、悪いところがありますよね。女の子はきっと、フォロワー数、いいね!の数を気にしている子もいるはず。でも、私がそんな子たちに伝えたいのは、「数字を気にして、自分が本当に好きなことを投稿できないのは、本当にもったいないよ」ということです。自分が好きなことを、ちゃんと発信してほしい。もちろん、数にこだわりがある人はこだわってもいいけど、一番大切なのは「自分が楽しいと思えること」なので。私は、ファンの方々の投稿をよく見ているし、タグを付けてくれたら、見つけやすい。「あ、みんなこういうことをしてるんだ」と楽しく見ています。
横田ひかる 撮影=森好弘
――この写真集の発売イベントもそうですけど、そうやってスマホ、パソコンの画面を通してコミュニケーションをとってきたファンの人たちと、実際に出会える機会が増えてきました。先日終幕した、初出演舞台『従軍看護婦〜女たちの戦場〜』はいつも以上に“距離が近い現場”でしたよね。
舞台は、新しいことができている実感がすごくありました。最終日の公演後は感情が溢れて泣いてしまいました。お客さんが目の前にいましたが、その目線は気にせずやろうと考えていました。舞台の世界にしっかり入り込むことを心がけていたので。意識をしてしまうと、きっと役ではなく「横田ひかる」になってしまいそうだったから。写真撮影もそうですが、人の目やカメラを意識すると、自分の本来やるべきこととのズレが出来てしまいます。
――きっと役者のお仕事も増えていくと思いますが、一方でモデルも続けていきますよね。
はい、ずっと続けたいです。年齢を重ねるにつれて、見せられるものが増える。経験したことが表情にあらわれるでしょうし。歳を重ねることで広がっていく、自分の幅を表現していきたいです。
取材・文=田辺ユウキ 撮影=森好弘
作品情報
頁数 :112頁(4C)
ISBN :978-4-86256-243-2
価格 :2,400円(+税)
発行日 :2018年8月15日より全国書店にて
発行・販売:トランスワールドジャパン株式会社
ファッションモデル。女優。1995年8月5日生まれ。
Twitter : https://twitter.com/_rncn950805
Instagram: https://www.instagram.com/_rncn950805/?hl=ja