花魁の魅力に浮世絵で触れる『花魁ファッション』展 喜多川歌麿の肉筆画も
展覧会『花魁ファッション』が、11月2日から東京・原宿の太田記念美術館で開催される。
遊興の別天地として繁栄した吉原のトップに君臨した花魁。江戸時代に花魁になるには美貌だけでなく、教養を備え、芸事に秀でていることが必須であり、花魁のもとには武士や裕福な町人なども多く通ったことから、吉原は文化サロンの様相と呈することもあったという。一方で彼女たちの過酷な境遇を理解する江戸の人々は遊里を「苦界」とも呼び、花魁たちを修行する達磨や悟りの境地に近い普賢菩薩に例えることもあった。
花魁の魅力を浮世絵を通して紹介する『花魁ファッション』展では、花魁が身を包んだ独特のファッションや、彼女たちの日常生活を捉えた作品を展示。様々な姿の花魁を描いた作品群から、客の目に触れない時間も含めて遊女たちが遊里の中でどのように過ごしていたのかを見ることができる。
会場には、宮川長春『美人立姿図』、喜多川歌麿『美人読玉章図』、鳥文斎栄之『吉原十二時絵巻』といった太田記念美術館が所蔵する肉筆画が多数登場。前後期で全点展示替えが行なわれる。