上海クァルテット オール・ベートーヴェン・プログラム

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クラシック
2015.11.8

作風の変遷から見えてくる新しい発見

 東洋と西洋。そして、過去と未来。その十字路に立つのが、上海クァルテットだ。傑出したアンサンブル能力と音楽性を武器に、彼らのルーツである中国の民謡や現代音楽の要素を採り込みつつ、ヨーロッパ音楽へ東洋の音楽の繊細さを融合させ、室内楽シーンの最先端を走り続けて、結成から32年目を迎えた彼ら。晩秋の来日公演では、ベートーヴェンの偉大な弦楽四重奏曲全16曲のうち、初期の第3番、中期の第11番「セリオーソ」、後期の第15番と、そのエッセンスを抽出したような3曲を披露する。

 ウェイガン(ヴァイオリン)とホンガン(ヴィオラ)のリ兄弟を中心に、上海音楽院で結成。1985年、ポーツマス(現・ロンドン)国際弦楽四重奏コンクールで2位入賞を果たし、メニューインに絶賛された。その勧めで渡米し、87年にはシカゴ新人コンペティションで優勝。ジュリアードなど名四重奏団の薫陶を受け、世界的トップ・アンサンブルへと急成長した。その後は古典から新作初演まで幅広く手掛け、巨匠音楽家とも共演を重ねている。

 ベートーヴェンを「特別な作曲家」と位置付ける彼ら。今回披露する3曲について「それぞれの時期に特有の作曲法や個性の違いを反映させている。曲ごとに、新しい発見をしていただければ」と、メンバーのイーウェン・ジャン(ヴァイオリン)。「世界は悲しく、混沌とした状況に直面している。そんな危機の中でも、音楽には人々の心をひとつにし、深い痛みを癒す力があると信じる。私たちは音楽家として、それを担う使命がある」と語る。

文:寺西 肇
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年11月号から)

公演情報
上海クァルテット オール・ベートーヴェン・プログラム​

<東京>
■日時:11/17(火)19:00
■会場:東京文化会館(小)

<大阪>
■日時:11/18(水)19:00
■会場:あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール

■曲目:
オール・ベートーヴェン・プログラム 
弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 
弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調「セリオーソ」 
弦楽四重奏曲 第15番 イ短調

■問合せ:テレビマンユニオン03-6418-8617
※全国ツアー&マスタークラスなどの詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.tvumd.com

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