東京国立博物館で、特別展御即位30年記念『両陛下と文化交流―日本美を伝える―』が開催
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特別展 御即位30年記念『両陛下と文化交流―日本美を伝える―』が、2019年3月5日(火)~4月29日(月・祝)まで、東京国立博物館で開催される。
本展は、宮内庁が所管する皇室ゆかりの作品の中から、天皇陛下御即位の儀式に際して東山魁夷、高山辰雄が平成2年(1990)に制作した「悠紀・主基地方風俗歌屏風」や、天皇皇后両陛下が外国御訪問の際にお持ちになって紹介された作品などを展示するもの。両陛下がお伝えになった日本文化を通して、海外の様々な人々が、わが国への親しみと交流を深めてきた。御即位30年という記念すべき年に開かれる特別な展覧会として、両陛下が担われた文化交流を紹介する。
主な作品1:御即位に関連する作品
「悠紀・主基地方風俗歌屏風」六曲二双 平成2年(1990)宮内庁用度課所管
天皇陛下御即位に際して平成2年(1990)に挙行された大嘗祭の際に用いられた儀式用屏風で、悠紀地方の秋田県と主基地方の大分県の四季風俗が描かれたもの。悠紀地方を東山魁夷、主基地方を高山辰雄が担当した。
※「悠紀地方風俗歌屏風」は3月5日(火)~31日(日)、「主基地方風俗歌屏風」は4月2日(火)~29日(月・祝)展示
主な作品2:「養蚕」をテーマにした作品
皇居紅葉山御養蚕所では、近代以降の歴代皇后が、明治期に照憲皇太后が始められた皇室御養蚕を引き継がれている。本作品は、純国産種の繭・小石丸を手にし、頭には蚕蛾の宝冠をつけ、足下には桑の葉が添えられた、優美な女神像であり、御養蚕の守護神として制作されたものだ。作者は、近代彫刻を牽引して活躍した高村光雲。光雲は皇室の御用も多く手がけた。本展では、皇后陛下が大切にされてきた御養蚕の伝統と日本文化の関わりを紹介する。
主な作品3:天皇皇后両陛下の外国御訪問時に紹介された名品
近年、人気の高い江戸時代初期の画家、岩佐又兵衛(1578-1650)とその工房により制作された絵巻。全15巻、全長約324メートルにも及ぶ大作で、近世初期の優品だ。主人公の小栗と照手姫の恋愛譚を中心として、浄瑠璃の語りそのままに画面が展開するユニークな絵巻。今上天皇が平成10年(1998)の英国、平成17年(2005)のノルウェー国御訪問の折に、紹介、展示された。
主な作品4:天皇皇后両陛下の外国御訪問時に紹介された名品
酒井抱一(1761-1828)が文政6年(1823)に制作した作品。花鳥図や草花図を得意とした抱一には、数種類の同主題の作品が知られるが、本作は構図が整い配色も鮮明な優品で、日本の四季の美しさを瀟洒ながら優美に表した作品。今上天皇が平成21年(2009)のカナダ国御訪問の折に、紹介、展示された。
主な作品5:フランス国で開催された御養蚕についての展覧会で紹介された御品
赤縮緬地吉祥文様刺繍振袖 昭和10年(1935)
天皇陛下2歳のお誕生日のお祝いに、昭和天皇より拝領された御着物。金糸を用い、鶴や菊花、竹などの吉祥文様を刺繍で表した格調高い御品。
※3月5日(火)~31日(日)展示
イヴニングドレス
平成10年(1998)のデンマーク国、平成12年(2000)のスウェーデン国を御訪問になった際にお召しになったもの。佐賀錦によるマーガレットと百合の文様が配されている。
※4月2日(火)~29日(月・祝)展示
近代の歴代皇后が継承されてきた皇居紅葉山御養蚕所における御養蚕では、皇后陛下が純国産種の「小石丸」という蚕の飼育を存続されたことが、正倉院宝物の古代裂の復元や三の丸尚蔵館の美術品の修理につながり、大きな文化的足跡を残した。これについては、三の丸尚蔵館で二度の展覧会を開催して紹介したが、近代初期に日本の蚕と繭を通して深い関係を築いたフランス国において、皇后陛下の御養蚕、そして日本の絹文化について紹介する展覧会が企画され、平成26年(2014)2月にパリ市で開催された。この折には、天皇陛下御幼少時の御服や皇后陛下のイヴニングドレスも展示された。
イベント情報
会期:2019年3月5日(火)~4月29日(月・祝)
※3月25日(月)、4月29日(月・祝)を除く月曜休館
会場:東京国立博物館 本館特別4・5室
開館時間:午前9時30分~午後5時
※金・土曜日は午後9時まで ※入館は閉館の30分前まで